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【舞台・観劇】KA

MGMグランドホテルで、上演されるシルク・ド・ソレイユのショー「KA」は、とにかく圧倒的な劇場空間である。

(ここからさきは、ネタバレありです。注意してください)

エントランスロビーから劇場に入っていく道だけでも、ディズニーランドにあるたいていのアトラクションのそれとくらべて、壮大で、期待感を盛りあげてくれる。ステージの中央は巨大な穴だ。その中から霧が出て、「ぼっ! ぼっ!」と巨大な炎がでてくる。開演前に行われる寸劇にしても、ぞくぞくするほど、かっこいい。

ショーはとにかく圧倒的だった。おなじシルク・ド・ソレイユの「O」では、ステージ全体を覆い尽くす巨大なプールでさまざまなアクロバットが展開したが、「KA」はあきれるほど多様な舞台装置が主役といってもいい。

上下左右に複雑に動く壁面や、木の切り株の上を自在に飛び回り、落ちて這い上がり、まわったり転げたり……。100万インチの3Dモニターに映し出される、リアル「スーパーマリオブラザーズ」といってもいい。

シルクの舞台としては、かなりはっきりしたストーリーがある。日本をモチーフにしたような理想郷が、野蛮な国の襲撃を受け、離れ離れになった王子と王女がふたたびひとつになるというもの。ただし、英語を含めた既存の言語はいっさい出ない。

さまざまな世界を旅するプロセスはほんとうにウェルメイドなRPGを思わせるもので、キャンベルの神話的モチーフをあたりまえのように織りこんでいる。

あえて弱点を言えば、あまりにもよくできていすぎて、アクロバットのクオリティがわかりにくいあたり。人間がなにかやるということがすこし希薄になっている気がする。「おい、それCGだろ!?」っていいたくなるほど、現実感がなかったりするのだ。そんな中、シンプルなバトンで物語られる愛の表現が美しいのは、ふしぎなくらい。

ステージそのものは1時間30分くらいなのだが、圧倒的に短い。早く終わりすぎる。まだまだ、この世界に浸っていたいと思う。

そして、これを見終わったあと、ふたたび「O」をみたくなる。

ちょっと残念だったのが、ぼくらの前に座った三人連れの親子の不埒な行動。開演直前に小さな娘がフラッシュをたいて写真を撮る。すぐに係員がきて、カメラを預かったのはいいのだが、そのあと子どもがぐずりまくり……。

左から父親、母親、娘と並んでいるのだが、真中の母親がパーマをたっぷりかけた頭で、左右にいる父親と娘のあいだを調子はずれのメトロノームのように動くものだから、目障りでしょうがない。この母親、ぜんぜん間違ったタイミングで拍手をしたり、もうやりたい放題。父親は途中退席して水を買ってきたり、いろいろするのだが……。

結果的にショーの四分の一ほどで、退席してくれたからよかったものの、一時は暗澹たる気持ちになった。

なにしろひとり150ドルのショーである。しかも2~3ヶ月前から予約しないといけないショーなのだ。この親子のおかげで、30ドルくらいそんした気分。まぁ、やつらも450ドルをどぶに捨てたんだけどね。

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