【国内旅行】七回忌と十三回忌
法事のために北九州へ。
子供のころは「法事」といっても、具体的なイメージのわかない行事だったのだが、いまではとてもよく知っている人を悼む行事となってしまった。
朝7時45分、羽田空港第一ターミナルの4番クロックタワー下で妹と甥と合流。5歳の甥がいっしょに来ることになったのは、1週間ほど前のことだ。ぼくと妹はJALの「おともでマイル」割引を使ったため、ふたりで往復2万円プラス1万マイルと割安だったのだが、小さな甥の料金は約3万2000円。航空料金は摩訶不思議。
午前8時30分発のJAL1709で、福岡空港へ。地下鉄で博多駅に移動。博多駅からはJR九州ならではの4枚きっぷを使って、八幡駅へ。博多からの普通運賃は1,080円だが、4枚きっぷを使えば、特急の自由席に乗れて1,200円となる。JR料金も摩訶不思議。
家に到着したのは11時45分。実家に荷物を置いて、妹母子と三人で駅前にある「八幡のチャンポン」へ。

↑チャンポン

↑カツのせ焼きそば
午後1時30分に、八幡東区宮の町の慈光寺へ。母、母方の祖母、伯父と叔母と従妹、父方の伯父、妹母子、そして、おれが出席者。
祖母は95歳である。甥は5歳である。
祖母はかなり弱っていたという話だが、今回、みんなが集まると聞き、杖を突きながら、多少歩ける程度に元気になったとのこと。
「32歳から後家ですから」
「周りのひとは腰が曲がっとらんのですが、ずっとリアカーを引いて、米やら運んでましたから」
お寺の奥さんに、あれこれ話をする祖母。
今回の法要は父の七回忌と、弟の十三回忌。弟が死んで12年たったのは、そんなものかと思うが、父が死んで6年もたったとは……。
法事は2時から3時ころまで。お坊さんの読経に、甥の寝息がオーバーラップ。
法事のあと、座敷であれこれ話をしていたのだが、周辺のスポーツクラブの話になり、某所のジャグジーから水が抜かれていると思っていたら、係員が"便"を掃除していたとか、母の話も絶好調。
その後、全員で八幡ロイヤルホテルに移動。
帰省するまで知らなかったのだが、東京から来た、叔母と従妹、そして妹母子とおれのために、ホテルの客室をとっておいてくれたとのこと。チェックイン後、客室から見るスペースワールドは鈍色の空によく溶けあっている。
サッカーの代表戦など見て、睡眠不足だったので、軽く寝る。
午後5時30分、ロイヤルホテル内の「中国料理 燕京」でお斎をとる。親戚が解散したところで、タクシーに乗り、小倉鍛冶町の「藤香」へ。母校の同窓会幹事との打ち合わせをかねて、あれこれ。来ていたのは同窓生の男3人、女2人。
同席していた女性、Tさんは、小学校のころ同じクラスだったのだが、「わたし、小学二年のとき、柴尾くんにレモンのキスをしようと、せまられたんよ」と、いじめられる。
さらに「告白せんといけんことがある」と、いきなり言い出す。「じつは小学2年生のとき、柴尾くんのポキール捨てたの、あたしなんよ」
ポキールとは、ぎょう虫検査用のシールのことである。いや、正確に言えば、ポキールとは、ぎょう虫駆除薬の商品名なのだ。食べた人の話によれば、チョコレート味らしい。学校で配られるぎょう虫検査用のシールに、この「ポキール」の広告が入っていたことから、母校ではこのシールのことをさして、ポキールと呼ぶようになった。
話を聞けば、そのポキールが入った封筒が机の下に落ちており、ぼくの横の席だった彼女はゴミだろうと思い、捨ててしまったとのこと。
「翌日、ポキールが見つからんち(といって)、泣きよぉ柴尾くんに、捨てたち、いおうかと思ったんやけど、いえんやったちゃね。あのときはごめんね」と、35年ぶりに謝られる。
いまさら、謝られてもなぁ。
母校のひとつ上の先輩と、二つ上の先輩と、三つ上の先輩が同じ店で飲んでおり、あれこれと話をうかがう。この店自体、母校のOBがやっている店だったりするから、OBだらけである。
ホテルにもどると、客室のソファでは母が寝てる。あとで聞いたら、家に帰るつもりが、みんなと話していて楽しくて、そのまま、泊まったとのこと。それはなにより。
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