【グッズ・アイテム】水からの帰還
iPod用に愛用していたイヤフォンが、SHUREの「E3C」だ。カナルタイプといわれる耳の中にねじ込むように使うイヤフォンで、きっちり遮音しつつ、聞き疲れをせず、情報量に誇張がなく、ボーカルが色っぽく聞こえる名器だ。

とくに飛行機や電車の中で、内側から音漏れをさせない一方で、外側の騒音をきちんとさえぎってくれるので、重宝していた。
(ちなみにウォーキングをしながら聞くときは、音の傾向が似ているB&OのA8を使っている)
見た目は安っぽくて、かなりしょぼいのだけれど、かなり使い込んでいた。
悲劇は9月に起きた。ネルシャツのポケットに入れたままにしていた「E3C」をそのまま、洗濯してしまったのだ。「おうちクリーニング」コースでしっかりと……。パンパンと干すときに、変な感触を指に感じ、胸のポケットを開けてみたら、こいつがしょぼーんと入っていたのだ。
書き忘れたが、このイヤフォンってば、定価で1万8,900円もするのである。iPod shuffleの1GBモデルより高いのである。
かなり落ち込みましたよ。そのまま、部屋の片隅にうっちゃって、悲劇を思い出さないようにしていましたよ。
本気で忘れていたのだが、さっき部屋をかたづけていたときにこいつと再会した。見ているうちになにか枯れた感情が生まれてきた。
「だめだろうな」と思いつつ、iPodにねじ込んで、聞いてみたら、なんと、なつかしいあの音が聞こえてくるじゃないですか。ちょっと音がすっきりしているような気がするが、いや、これだけ聞こえれば上等だ。それはきっと気のせいだろう。
神さまはきっといるのだろう。ちと気の早いクリスマス・キャロルなのだろう。
