【漫画】SON OF OGRE 範馬刃牙
「北斗の拳」が何世代にもわたって支持されているのは、壮大なロマンや、熾烈な愛のドラマが優れていたわけでなく、紙一重でギャグ漫画に踏み込んでいる異形の構図があったからだ。
最強の男をめぐる戦いはどこか滑稽であり、いとおしい。
それにしても……。
「バキ」シリーズの「SON OF OGRE 範馬刃牙」は、単行本で買って初めて知ったのだが、すごいことになってるね。
いよいよ父子の決着をつけるべく、父、勇次郎は恐竜サイズのアフリカ象を一撃で倒し、息子、刃牙はイメージトレーニングで体重100キロのカマキリを生み出し、戦う。
カマキリだよ!
おなじ身長や体重だったら、昆虫のほうが強いという、仮面ライダーだとか、「ザ・フライ」以来のロジックである。
やや迷走が続いたように見える「バキ」シリーズだが、まさか、こうきたかという展開だ。これなら、納得しちゃうよ。
ほとんど落語とか、トールストーリーとか、吉四六さんとか、そういう世界の話だ。
ちなみに吉四六さんというのは、大分の有名人である。熊本には彦一さんがいる。どちらも、ほら話の達人である。
もともと、リアルワールドを舞台にした天下一武道大会をずっとやってきた刃牙シリーズだけに、この展開はいさぎよい。
このシリーズで史上最大の親子喧嘩に決着がつくらしいのだが、たぶん実際に拳を交えるまで、二人がいかに強いかのエピソードが延々と続いていくのだろう。どんどんほらをかましていただきたい。
この展開で「バキ」は、「北斗の拳」とならぶなにかの領域に踏み込んだ気がする。
