【映画2006】ジャケット
ワーナーマイカルシネマズ板橋3番スクリーンにてSRD鑑賞。
1992年、湾岸戦争に従軍していたジャックは頭部に銃弾を浴びる。即死と思われたが、病院で奇跡的に回復する。除隊したジャックだが、自分の行動が断片的に覚えられない記憶障害になってしまう。
ヒッチハイクで若い男の運転するクルマに乗り込んだジャックだったが、記憶がもどったとき、警官殺しの容疑をかけられ、法廷に立っていた。戦争後遺症の精神障害のため責任能力がないとされたジャックは、精神病院に送られる。
その精神病院では、患者を治すため、70年代に禁じられた治療法が行われていたのだ。それは、拘束衣(ジャケット)に押し込められて、死体安置の引き出し棚に閉じ込められるというもの。
アメリカ映画の死体確認のシーンで出てくる。あの小さなドアがついた狭苦しい空間だ。そんな中に何時間も閉じ込められるのだ。
狭い暗闇の中で恐怖と不安に苛まれたジャックは意識を失う。そして、目が覚めたとき、ジャックは15年後の2007年にいた。
アメリカでは2005年の3月に公開。あたったとはいいがたい作品である。大きなくくりでいえば、タイムトラベルものになるのだが、主人公の記憶が絡む導入部から「メメント」になるのかと思っていたら、「バタフライ・エフェクト」に近い印象の作品だった。
もともとこの映画を見に行ったのは、キーラ・ナイトレーが出演しているからだ。それは大正解! タイム・トラベルものは、過去であれ、未来であれ、トラベルしたさきに美女がいなければ、説得力が皆無になる。
「ある日どこかで」のジェーン・シーモアでも、「恋はデジャ・ブ」のアンディ・マクダウェルでも、「タイム・アフター・タイム」のメアリー・スティーンバージェンでも、「時をかける少女」の原田知世でもいいのだけど、やっぱり、男がタイムトラベルするためには、美女が必要なのだ。
キーラ・ナイトレーの美しさは際立っている。作品の構造上、出演シーンが決して多いとはいえないのだが、彼女に会えるのなら、あの死体安置引き出しに3時間くらい入ってもいい。
エイドリアン・ブロディも絶品だ。あいかわらず変な顔の人だが、要所で見せる、胸をしめつけるような表情がたまらない。
未来にタイムトラベルしたジャック(エイドリアン・ブロディ)は、そこで知り合ったウェイトレス(キーラ・ナイトレー)から、1992年の自分が4日後に死ぬことを告げられる。2007年と1992年を行き来しながら、自分の死の真相を探るジャック。
途中までは、何の映画かわからなくて、とまどったが、キーラ・ナイトレーが出てきたあたりから、映画自体が輝いてくる。
不慮の事故で母を亡くし、貧しく働くキーラ・ナイトレーは寂しい女なのだが、その寂しさの中にも、凛とした美しさがあり、こういう役をさせると、とことん輝く人だと確認。
クライマックスに向かって、シナリオもきっちり作られているのだが、この手のものが多い中で、広くお客さんを呼ぶためには地味すぎるかもしれない。
音楽の使い方がうまい映画だと思っていたら、監督のジョン・メイブリーはU2のライブなどで有名な人らしいし、音楽もブライアン・イーノだった。
役者もクリス・クリストファーソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ケリー・リンチ、ブラッド・レンフロー、ダニエル・クレイグと、なかなか、うなりたくなるような布陣だし、この手のものには甘いおれだから、佳作といってもいいんだけど、もう一味、ほしかったね。
ほんとにもうキーラ・ナイトレーはよかったんだけど……。
