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【映画2006】ニュー・ワールド

 ワーナーマイカルシネマズ板橋7番スクリーンにてSRD鑑賞。

 「天国の日々」、「シン・レッド・ライン」といった映像叙事詩の名手、テレンス・マリック師匠の最新作である。自然光をたくみに使った映像と、ジェームズ・ホーナーの見事なオーケストレーションで、夢のような2時間15分を堪能した。

  ディズニーのアニメーションにもなった「ポカホンタス」の実写版だ。

 これ、なにかの映画に印象が似ているなと思っていたら、つまり、ターザンがロンドンに貴族の子息として連れてこられる「グレイストーク」だったり、もっといっちゃえば、大猿がニューヨークに連れてこられる「キングコング」とも近似値だったりする。

 つまり、ここで描かれているのは、未開 meets 文明 with 愛の構図ってやつ。


 1607年、ヴァージニアに植民地を作るべく到着したイギリス人と、先住民との緊張を伴う接触の中で、交渉役として旅立ったジョン・スミスだが、彼らに捕まり、処刑の危機に遭う。彼の窮地を救ったのは、先住民の王の末娘、ポカホンタスだった。やがてふたりは、愛し合うのだが……。

 歴史的にポカホンタスが有名になったのは、1616年、ポカホンタスが文明の恩恵を受けた先住民として、イングランドに連れてこられたこと。

 映画ではそこまで描いている。

 愛という疫病が、旧大陸から新大陸にもたらされたために、純朴な先住民の娘が滅びへの道をたどるドラマといってもいい。男と女が入れ替わった「キングコング」だから、「野獣が美女を殺した」のかな? その野獣……、ジョン・スミス役のコリン・ファレルが、とにかく、いい感じのクズ男として、むさくるしい恋愛電波を、発散しまくっているのが笑えたりする。

 多分、空前絶後にダメな「アレクサンダー」を演じたあとは、愛に逃避する才能しか持たない開拓者を好演するコリン・ファレル。そして、すべての愛を受け止めるクリスチャン・ベールですか。そうですか。

 摘み取られたかに見えた未開の花が、異郷でけなげに結実するドラマにしたんだね。悲恋ではあるけれど、くるおしくも美しい人間のドラマではある。

 なんだかね。アイマックスシアターで見たい映像叙事詩なんですよ。しかも、うなるようなモンタージュの大技の連続は、あっけにとられるほど。

 ああ、そういうカットつなぎで年月を見せるのね。愛の視点を変えるのね。感情の変化を表現するのね。と、感心してしまう。ラストシーンのカット割りなんて、曲の迫力とあいまって、あまりのすごさに笑いたくなっちゃったよ。

 ラストの独白以降のカットは鮮烈な名シーンである。

 ホーナーの曲もいいが、いちばんうまく使っていたのは、ワーグナーの「ラインの黄金」のプレリュードだ。

 つまり、その使い方がこの映画のテーマを明かしていたりするし、それがわかっていれば、この曲の使いどころでは確実に泣けるのだ。


 人生でもう一度、みようとまでは思わないけれど、それでも映画館で見てよかったと思える映画だった。

 ま、同じテーマなら、おれは「キング・コング」を何度もみるけどね。

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