【テレビ番組】SF映画“日本沈没”が生んだ研究者たち
新作映画「日本沈没」のレビューを眺めると、不思議に好評なようだ。やはり、「日本沈没」というモチーフや、知っていた街が廃墟と化すインパクトがいまの世代に受けているのだろう。
今度の「日本沈没」をとりまく動きは、興味深い。映画にあるのは、陳腐な恋愛と浅薄な政治家と組織描写だ。それを「政治的な社会風刺はバッチリ」みたいに書いちゃう人が多いので、いまのリアルの底ってどこにあるのか、いろいろと考えている。
主人公ふたりが抱き合って、ぐるぐる回って、テーマソングが流れるところで、みんなまんまと泣いちゃうのは、しょうがないんだけどね。
イベントムービーとしては、成功しているんだろうね。
「日本映画専門劇場」で旧作「日本沈没」を見て、小説「日本沈没 第二部」を読み始めるものの、思うところあって、いったん中止。小説「日本沈没」を読み直し始める。現在、上巻読了。
深夜、TBSの番組「報道の魂」"SF映画“日本沈没”が生んだ研究者たち"をみる。
先日のトークライブでもこの番組のことは紹介されていたが、現在、日本のロボット工学の研究者に対して、「鉄腕アトム」の存在が大きかったように、「日本沈没」の田所博士が、地震、火山、防災の専門家に及ぼした影響を描く。
「前作の田所博士にあこがれて、われわれは科学をこころざした。そういう世代なんですけど……」と、静岡大学の小山真人教授。「ちょっとしたアンケートをとったのですが、仲間20人のうち、半分くらいは自分の進路選択に"日本沈没"が影響してますね」
産業技術総合研究所の小泉尚嗣グループ長は、高校一年のときにであった「かっこよかった」田所博士に「惹かれました。けしてね、見栄えがいいというわけじゃなかったんですけどね。自分の研究を信じて人に役立たせるために一生懸命にやって、そして人を救うと、自分もやるならこういうことをしてみたいと……」
防災科学技術研究所の小泉一成センター長をはじめ、全員が「田所博士というと直感とイマジネーション」と語り、自分の研究でもそれが生きていると語る。
田所博士を思い、現実には「自分とダブることはない」し、「ああいう人がほんとうにいたら迷惑だろうなと思うんですけど、絶対に。だけど、直感が鋭い人っていうのは、ぼくらが見てても何人かいますし、そういう人は最後は正しいことが多い」とか語り、「学者ってのは自分が思ったことを信念をもってすすんでいかなくてはいけない、いますべての人が敵だとしても100年後にはみんな味方になるかもしれないんですよね」とまとめる。
そして、新「日本沈没」の田所博士を見て、「よかったです。でもちょっとトヨエツさんかっこよすぎ、かっこよすぎで権力持ちすぎ! あんなに研究者、ちから持ってないですから、もっと私たちは低姿勢で政府の方に助けていただくんですけれども」とか、「科学者はあのくらいかっこいいといいんですけどね。いまの方にはあれくらいかっこいいのをめざしていただきたい」とのこと。 まぁ、結果がどんなものであれ、液晶ディスプレーをグーでパンチしないでくださいね。
また、日本沈没世代がいつも意識している地震予知について、「関西で観測していたことがありますが、関西というのは関東とちがって、地震の頻度が少ないので、おもしろい結果が出ない。それで観測をやめてしまったんですよね」
やめてしばらくして、阪神淡路大震災が起こった。「ぼくにとってはすごいトラウマなんですよね」日本沈没を見て、人を救いたいと現在の道に進んだはずが、いつの間にか目先の研究成果にとらわれ初心を忘れてしまった。
「自分が知っている場所がとんでもない状況になっているということですよね。それが地震予知に対する、責任というか重さをわからしてくれたんですよね」
「わたしたちは東海地震は予知できますといってても、他のところは予知できませんといってなかったんですよね。したがって、みなさんは期待されてて、裏切られたと批判を受けたんですよね」
阪神淡路大震災を契機に地震予知はゼロからの再出発を余儀なくされた。地震のメカニズムをあらためて見つめなおす"田所博士"たちの健闘。
最後に樋口監督の映画を通して誰かの役に立ちたいということばと重ね合わせて、フィクションとリアルが絡み合いながら生み出す希望をくっきりと描いていた。
理科ばなれの進む中、多少なりとも新「日本沈没」が好影響になるといい。それはせつに願うのだが……。
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