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【映画2006】時をかける少女

 テアトル新宿にてSRD鑑賞。空調音はずっと聞こえるし、音がライブに過ぎるし、あんまり音響はよろしくないね。

 オンライン上の映画レビューでは、圧倒的な支持を集める作品だ。この夏公開の映画では最高の評価といってもいい。だが、東京都内ではテアトル新宿のみの単館公開だ。ああ、ワーナーマイカルシネマズ通いの日々の中で、映画出不精になっている。

 どうしようかなと逡巡していたところ、元宮秀介さんが今日これから2回目を見に行くと、早朝のmixi日記に書いていた。

 この一言で心にスイッチが入り、通勤ラッシュの電車を乗り継ぎ新宿へ。

 平日の初回にもかかわらず、テアトル新宿は7分の入り。女性がとても多い。

 ほんとうに評判どおり、おもしろい作品だった。今年の夏シーズンは「M:i:III」以外に「これだ!」という作品がない。動員は多いけれど、不作の印象が強かっただけに、こういった佳作があると、心が和む。

 あのころのジュブナイルSFの空気が帰ってきたと素直に思える作品だった。

 物語はオリジナルの「時をかける少女」の続編の形をとっている。前回、時をかけた芳山和子は、今回の主人公、紺野真琴の叔母という立場で登場する。博物館で学芸員をしながら、"先輩"としてアドバイスを送る。

 この映画の最良の美点は疾走するスピード感だ。オリジナルとちがい、主人公は自分の意思で自由自在にタイムリープできる。そして、そのきっかけは、走ったり、跳んだりすることなのだ。

 パッシブからアクティブへ。動く映像として、生理的な喜びを伴う演出へ。小気味よく描いている。ああほんとうに時を「かけ」まくっているよ。

 そして、くそったれにうるさい映画だ。真琴ってば、最初から最後まで過剰なほどに叫んでいる。

 それがすべてピシピシとはまり、思春期の少女のゆれ動く日々にきちんとフォーカスがあっていく。

 ひねたSFファンの目で見たら、タイムパラドックスの面でむちゃくちゃ大ざっぱだし、貞本キャラは微妙に気味が悪いし、いくらなんでも真琴はバカすぎるし、「そりゃちょっとおかしいだろ!」と、"動機"の部分で腑に落ちないところもいくつかあるのだけれど、そんなものすべてを、真琴の声とダッシュが塗りつぶしていく。これが快感である。

 カットはあれど、シーンがない「日本沈没」を見たあとだけに、きちんとした映像の時間感覚をもった干天の慈雨のごとき作品で、ほんとにうれしい。

 平成の「日本沈没」は原作に敬意を持ち、過去の作品からの引用をふんだんにもりこみながら作った「海猿」もどきの劣化コピーだが、「時をかける少女」はオリジナルのストーリーを作りながら、原作のエッセンスを21世紀によみがえらせている。

 クライマックスはかなりの駈け足だが、得がたい体験を通じて、少女が獲得した意志を正面から描いていて、甘酸っぱくもまぶしく感じさせてもらいましたよ。

 こういう映画を10代のころに見たら、一生の宝物になるだろうね。

    

※こちらのエントリーもどうぞ。

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