【映画2006】40歳の童貞男
最近、YESのジャケットアートなどを描いていたロジャー・ディーンのことをまとめて調べていた。色使いといい、構図といい、たまらんものがあるなぁ。そういえば、大学に入学したころ、アパートの壁にポスターを貼っていた。
ロジャー・ディーンはエイジアのアルバムなんかにも絵を描いていたのだけれど、この映画の中で、そのエイジアのポスターが麗々しくフレーム入りで飾られていた。フィギュアやテレビゲームに並ぶ、40歳オタクの象徴として……。
あちゃああ。

↑エイジアに提供している作品はいまひとつだけど、大好きなイラストレーターだ。
現在、日本で唯一公開しているユナイテッドシネマ・としまえん4番スクリーンにてSRD鑑賞。火曜日8時過ぎのレイトショーだったが、劇場は大いににぎわっている。
家電量販店に勤めるアンディは40歳。同僚とのポーカーのあと、ふとした会話から、童貞であることがばれてしまう。
そういえば、清潔できちんとしているが、どこかとんちんかんな会話や、仲間たちとの微妙な壁など、いままでの彼の行動のすべてが童貞をこじらしたものから発していたのだ。同僚たちはおもしろがって彼の童貞を「治そう」と、手助けをするのだが、40年間、培ってきた童貞が簡単になくせるわけではない。
大人のための艶笑コメディで、映画館全体がとてもよく笑い、おれもよく笑った。「メリーに首ったけ」くらいには笑えるし、ネタの多くは下品だけれど、品性は下品ではないラブコメディなので、デートムービーとしてもすすめられる。
うまいと思ったのは、アンディを包む職場の人間たちだ。童貞だからといって、それを差別したり、嘲笑することなしに、「連続殺人犯だと思っていたら、ただの童貞だったんだな。お前のことがよくわかったよ」と、個性のひとつとして受け止めていることだ。
スティーブ・カレル演じる主人公の魅力もさることながら、職場の悪友たちの包容力と饒舌が、上質のコメディ映画に必要な「空間」を作っている。なによりひとりの童貞の存在が、周囲の男たちを成長させていくきっかけとなっているのも好ましい。
童貞喪失が、すなわちダーマの神殿となるわけではないのは、みなさんご存知のとおりだ。だが、童貞を喪失することそれ自体より、童貞のカミングアウトを契機に積極的に周囲の人間たちとかかわっていくようになった主人公の姿が、ほほえましく、いきるってことはまんざら悪いものではないと思わせてくれるのだ。
国内版DVDは10月26日に発売されるのだけれど、映画館でこの素敵な作品を見られるのは、レアな体験。新宿から大江戸線で1本のとしまえんでぜひ、ご覧ください。チケット売り場で「40歳の童貞男1枚ください」というのは恥ずかしいけどな。なぜか入り口で先着順に「童貞男ミニティッシュボックス」ももらえるぞ。
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