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【映画2006】エラゴン 遺志を継ぐ者

 ワーナーマイカルシネマズ板橋2番スクリーンにて、SRD鑑賞。

 ILMとWETAの作った映像はそれなりによくできている。ドラゴンのモデルはすばらしく、「ドラゴンスレイヤー」に始まったILM製ドラゴンの進化の到達点だ。ストーリーは類型的だが、それは定番のドラマとして、ていねいにまとめている。

 英国系微乳女優シエンナ・ギロリーは、耐えて戦うヒロインとしていい表情を見せる。

 でもやっぱり、これは「動 物 が し ゃ べ る」系の映画だ。ああ、おれの苦手な映画だよ。

 ドラゴンが口を使ってしゃべるのではなく、一種のテレパシーとして、ことばを使って、ドラゴンライダーと意志を交換する。レイチェル・ワイズが声優をしてて、声の質は悪くはない。ドラゴンが女性というのもかまわないんだけど、それなら、地の物語で母性の欠如を明示的に示してほしい。

 なにより、ここでしゃべらなければ、どんなに感動的かと感じることが多いんだよ。つまりそうやってことばにしてしまうことで、すべてを陳腐にしているのをだれか教えてやれよって作品だ。

 いわくありげな剣士が出てくるところで、「気をつけて」と小姑のようにアドバイスするドラゴンには興ざめだし、「ああ、十分、気をつけるさ」と心の声で返事をする主人公もいかがなものか。

(原作でもしゃべるらしいのだが、そっちではうまくいっているのかもしれない)

 「ナルニア」ではライオンとかビーバーがしゃべっても、そこまで苦痛に感じなかったのは、あの世界にきちんと説得力があった証拠だ。

 しかし、「エラゴン」で空想の生物ドラゴンがしゃべることにうんざりしてしまうのは、つまり、世界観の設定が狂っているということなのだ。

 セリフの中でエルフやドワーフといったフレーズにはでるが、劇中に実体は登場せず、なんだか、西洋中世な世界の中に、ドラゴンをぽんと投げ込んだようなぎこちなさだ。

 人間とドラゴンをつなぐ中間の存在がほしかったし、小さな村と、美しい山や森と、悪の要塞と、レジスタンスの砦というありきたりな景色しか見せてくれないのが物足りない。

 飛竜と世界とのからみなら、ゲーム「パンツァー・ドラグーン」シリーズのほうがはるかに多弁で、感動がある。ストーリーを明示する映画なら、もっとがんばってほしいというのが、偽らざるところだ。

 冒頭にも書いたように、お話としては無難にまとまっているし、活劇の展開としては、楽しめたのだけれど、やっぱり志としては低い映画なのだろうな。

 「ロード・オブ・ザ・リング」は遠くなりにけり。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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