【映画2007】幸せのちから
ワーナーマイカルシネマズ板橋7番スクリーンにてSRD鑑賞。
じつの息子との共演を果たしつつ、ウィル・スミスにしては地味な映画である。家賃に追われ、駐車違反の罰金に追われ、医療機器のロードセールをやるものの、商品はなかなか売れない。
そんなウィル・スミスが街角で、イタリアンスポーツカーから降り立った男に、「質問がふたつ。なにをやったらそんな車に乗れるんだ?」と聞いたところ、「ストック・ブローカー(下部の仲買人)さ」と答えられ、「学歴がいるのかな」、「それより、数字と人間に強けりゃいいのさ」といわれ、一念発起。投資会社のインターンになる。
かぎられた期間の間に最高の成績を上げれば、二十倍の競争率で、正社員になれるのだが、それまでは無給で仕事をしなければいけない。
そこからがもうぎりぎりの人生だ。
子供まで作ったガール・フレンドからは別れを言い出され、家賃が払えず、アパートもモーテルを追い出され、駐車違反の罰金が払えないばかりに収監され、子連れのホームレスとなり、教会の救済施設や、地下鉄のトイレで寝つつ、朝になれば、スーツに着替え、子供をチャイナタウンの託児所に預けて、証券会社に出かける日々。
なにしろアメリカ映画である。着実にステップを上がっていくサクセスストーリー化と思っていたら、これでもか、これでもかというくらい、お金がないつらさが描かれる。もう最底辺をぐるぐるぐる回っているのだ。
みていてほんとにつらかった。おれなら「3回くらい死んじゃう」ほど、つらい状況が果てしなくつづく。
1981年、貧富の格差が大きくなったレーガノミクスのアメリカでは、典型ともなりうる人物像なのだろう。インターンシップ期間の最後には、人間としての余裕さえもなくなる。
モデルとなった人物、クリス・ガードナーが、これほどがんばった理由は、母親や生い立ちのことなど、いろいろあるらしいが、この映画では、近景では子供と誇りのために、遠景では、アメリカの建国精神とキリスト教的な信仰のために、がんばったことになっている。
映画としてはたいへんによくできている。舞台となった年代を髣髴とさせるオールドファッションなハリウッド感動作品でもある。だが、体験としてこれを見るのはひたすらにつらかった。
映画を見終わって、ちょっと涙も出たのだが、「なるほど、そういう人もいたんだな」という以上の感想が出てこない。
「インデペンデンス・デイ」とか、「メン・イン・ブラック」、「バッドボーイズ2バッド」のウィル・スミスにしては、珍しいタイプの映画だけれど、見終わったあと「ふーん」という感想になってしまう点では、まごうことなきウィル・スミス映画だった。
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