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【映画2007】バブルへGO!!~タイムマシンはドラム式

 ワーナーマイカルシネマズ板橋3番スクリーンにてSRD鑑賞。

 「バブル」の時代といえば、自分としては20代半ばすぎあたりだ。ゲームの攻略本を作っていたり、雑誌に記事を書いていたり、テレビゲームを作っていたり、結婚したり、海外旅行にいったりと、それなりに忙しく働いていたけど、六本木なんて、ほとんどいかずに、飯田橋とか高田馬場あたりで、酒を飲んではレーザーディスクを買い集めていたような気がする。

 バブルの恩恵ってあんまり受けた覚えはないので、ディスコでいっぱいの六本木スクエアビルよりも、キャバクラが入っているいまのスクエアビルのほうがピンときたりする。

 ホイチョイ・プロダクションズは、もともと大予算映研映画を作るところだと思っていたが、この作品はいちばんの映研映画だった。


 シナリオ作りなど、アバブ・ラインでは、たいへんに盛り上がっただろうし、設定もそれらしく考え込まれている。

 映研映画では、映画を撮ることそのものが目的というコンサマトリーな志向があるのだが、「バブルへGO!!」もまさにそういう肌触りの作品だ。

 「おれたちもあのころにいたよ」とか、「やっぱり、乱闘シーンだろう」とか、「あった! あった! あれ、いいよね」とか、そういうノリが中心なのだ。

 ネタとしてはおもしろくなりそうなものだが、完成した映画としては、全体にちぐはぐなものになっている。バブルといっても、六本木のディスコと、河田町のフジテレビ、どこぞの船上パーティくらいしか、当時の風俗が出てこないあたり、結局、バブルって文化としてはへたれたものだったんだねと思わせる。

 六本木交差点付近の変化も、意外に小さい気がする。森永ラブなんて、懐かしかったけど……。

 映研映画の最たる部分として、クライマックスの乱闘シーンがあるのだが、これがかなり大雑把。ぐちゃぐちゃな動線のへっぽこぶりに頭をかかえていたら、「日本沈没」の樋口真嗣の絵コンテだった。

 このひとの絵作りはほんとにだめだ。きっと絵コンテとしてみれば、傑作なのだろうけど、映画のシーンとしてみると、だめになっちゃうのだろう。

 音楽もMCハマーやリンドバーグ、プリプリなどは流れているが、なんだか、ぜんぜん足りない。なぜ、当時の音楽をなぜもっと入れなかったのか。版権代を惜しんだのか、フジテレビの意向なのか。なによりもそれがあの時代をあらわすいちばんの空気なのに……。

 プリントがよろしくないのは意図的なのか、現像所の問題なのか。全体に眠くて発色がよろしくない。そういえば、「彼女が水着にきがえたら」でもずいぶんにごった水中撮影で驚いたことがある。そういうルックにこだわらない監督なのか。

 本来は「フォレスト・ガンプ」のような手法で、あの時代の記録映像に広末をはめこむ処理が必要だったのだろう。それをやっていないから、金が余っている描写でしか、あの時代を描けないのだ。

 広末涼子のコメディエンヌぶりは達者だが、彼女の演じる役柄がきちんと作りこまれていないために、トンチンカンな印象がある。

 ディスコで出会ったラモス瑠偉が、広末にティファニーのネックレスを唐突にプレゼントする。それと前後して、「ドーハでは延長戦に気をつけて」という広末。映画の設定でいえば、ドーハの悲劇のとき彼女は7~8歳の少女のはずだが、「彼女って、そんなにサッカーに詳しい人だったのか?」とか、つい思ってしまう。

 ほかにも広末が唐突にダンスがうまくなったりするという違和感がいくつかあり、感情移入ができないんだよね。シナリオで読めば笑えるだろう部分も、映画としてみていると、あまり笑えない。

 そういうネタ先行な部分も映研映画だったりするんだね。ホイチョイのほかの作品はもうちょっと映画としてのカタルシスがあったような気がするんだけどな。

 いろいろと残念賞な作品です。
  

※こちらのエントリーもどうぞ。

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