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【映画2007】ピンチクリフ・グランプリ

 ワーナーマイカルシネマズ板橋5番スクリーンにてドルビーSR鑑賞。久しぶりにアナログ音声映画だ。

 じつに32年前、1975年に作られたノルウェー製人形アニメだ。ノルウェーでの累積動員数は国民の人口を越えたという。


自転車修理工で発明家のレオドルと助手のアヒルのソランとハリネズミのルドビグ。彼らは、かつて自分たちが作り上げたスーパーカーの設計図を盗んで逃げたヤツが、近く開催されるグランプリ・レースにエントリーしている事を知る。そして1年後。苦心の末作り上げた渾身の車、“イル・テンポ・ギガンテ号”でレースに挑む事になった三人。最新の技術を駆使した車が並ぶ中、彼らはグランプリ・レースを制する事ができるのだろうか?

 どのような経緯があったのか知らないが、本日までワーナーマイカルシネマズ板橋で公開されていた。ノルウェー語はさっぱりわからないし、映像のディテールをしっかり見たかったので、吹き替え版が好ましかったものの、字幕版しかなかった。

 1975年といえば、中学生として「ドラゴンへの道」とか、「グレートハンティング」とか、「グレートマジンガー対ゲッターロボ」とか、「タワーリング・インフェルノ」とか、「新幹線大爆破」とか、「グリーンホーネット」とか、「ヤングフランケンシュタイン」とか、「トラック野郎 御意見無用」を見ていた時代だ。年末には「ジョーズ」も公開されていた。

 すごく古いかといえば、意外と最近のような気もするのが罠だ。人生は「中二」の時代に支配されている。

 だから、"古き良き"人形アニメという手垢のついたキャッチフレーズはこの際、置いておこう。

 ストップモーションアニメと紹介されることも多いし、ストップモーション的なこともやっているのだけれど、技法としてはマリオネーションに近い。

 中盤の屋外バンドシーンなど、曲に合わせて、ピアノやハープ、ドラムなど、各種楽器の運指がしっかりとれているし、バンドと観客がまとめてモブで動くあたりなど、ぞっとするほどすばらしかった。

 なによりもグランプリレースシーンはすばらしい。レースの駆け引きとしてはまるっきりたいしたことがないのだけれど、迫力はひとしお。シンプルだけど、「カーズ」よりこちらのレースシーンのほうが、おれは好きだ。

 75年当時にCGを使わず、これだけのレースシーンが作れたのは、映画のレースシーンとしては、殿堂入りさせてもいいだろう。

 音楽シーンとレースシーン。このふたつはすばらしい。でも、じつをいうとそれ以外のシーンのテンポはかなりしんどかった。風力発電や自動薪製造機など、発明家レオドルおじさんの住んでいる家にあるさまざまなガジェットは楽しいのだけど、あまりにものどかすぎて、そこはかとない睡魔を誘う。

 

 徹底的に悪い人が出てこないし、老人とのんびり屋のハリネズミと、ちょっとお茶目なアヒルのトリオでは、あまりにもスローテンポすぎて、もどかしい。さまざまな人形は出てくるけれど、女性キャラといえば、アラブの石油王の前で、ベリーダンスを踊るアヒルだけ。いいおじさんたちがしみじみと楽しむ世界なのだ。もうちょっとメリハリがあれば……。

 ワーナーマイカルシネマズ板橋での公開は終わったが、旧ユーロスペースの「シアターN渋谷」では引き続き上映しているので、八奈見乗児、野沢雅子、滝口順平が出演する吹き替え版をお子さんと見たいパパは、時間を確認してぜひ。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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