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【映画2007】アルゼンチンババア

 ワーナーマイカルシネマズ板橋3番スクリーンにてSRD鑑賞。

 よしもとばななの原作も知らないし、堀北真希にもあんまり関心がない。では、なんで見にいったかといえば、渡邉裕二氏ののギョウカイヘッドロックの記事を見たおかげだ。


【松竹赤字4兄弟】
★…「アレキサンダー」は松竹とヘラルドの配給、松竹、ヘラルド、電通の提供作品。オリバー・ストーン監督作品で、コリン・ファイルが主演した。18億円で買い付けをしてきたが、興行収入は12億3000万円だった。スクリーン数は309館で5週公開(05年2月5日~)

★…「アビエイター」は松竹、ヘラルドの共同配給。提供は松竹とヘラルド、博報堂、メディア・パートナーズ。マーチン・スコセッシ監督作品で、主演はレオナルド・ディカプリオ。25億円の買い付けだったが、興行収入は10億7000万円。スクリーン数は376館で5週と3日間公開(05年3月26日~)

★…「阿修羅城の瞳」は松竹、日本テレビ、衛星劇場、よみうりテレビ、TOKYO FMが出資した。滝田洋二郎監督の作品で、市川染五郎、宮沢りえ主演。スクリーン数は234館で、05年4月16日から6週間公開した。製作費は12億円だったものの、興行収入は4分の1の3億円だった。

★…「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」は、角川春樹事務所、エイベックス・エンタテインメント㈱、松竹などが共同出資している。前の3兄弟と違うのは、製作費がベラボーに多いことだった。ところが、コケかたも半端じゃない。最終的には、目標の50億円にまったく届かない14~15億円程度ってところ。エイベックス・エンタテインメントは辛い!!

 おお! ぜんぶ見ているぞ。そんなに悪いと断じるほどではないけれど、たしかに困った作品が多い。なにより松竹で「あ」から始まる映画には呪いがかかっているようで、「アルゼンチンババア」もまさに「あ」で始まる松竹映画だ。これで赤字5兄弟ですか。すばらしい。

 よし、松竹の呪いを目の当たりにしてみようと、おなじみワーナーマイカル板橋へ。

 病床の母親を見舞いに行った堀北真希が目の当たりにしたのは、鼻から血を流し、息が止まった母親の姿、救命のかいもなく、呆然と立ちすくむ彼女の前で、母親は絶命する。

 通夜や葬式の準備をする家にいない父親の姿。父親は母が逝った日から行方不明になってしまったのだ。

 そんな父親がふとした偶然で見つかったのは、半年後。町外れの草原にぽつんと立つ風変わりな女の奇妙な屋敷の中でだった。むかしはタンゴやスペイン語を教えているが、いまは頭がおかしくなったと噂されるアルゼンチンババア。

 母親を愛していた父親は、愛する妻の喪失に耐えられず、アルゼンチンババアのもとで、なぜか、曼荼羅を作っていた。

 なんていう話は映画を見るまで、まるっきり知らなかったのだけれどね。

 アルゼンチンババアは鈴木京香で、墓石彫りの父親は役所広司だよ。豪華なキャスティングだね。

 映画は本当にていねいに作られている。アルゼンチンババアのとりこになってしまった父親を自分の家に取りもどし、家族が母親の死を受け入れていくプロセスが、物語の軸となっているのだが、とてもデリケートに描かれている。

 話を大きく動かしているのは、掘北の叔母を演じる森下愛子だ。町の人が集まるスナックを経営しているのだが、森下スナックがあったら、おれは週のうち、3回くらいかようだろう。いや、5回、通ってもいい。あ、あの……。高校生のころからあなたにはお世話になっていました。恐縮です。いまもそんなにお美しいとは……。なんて、挨拶しちゃいそうだよ。

 それにいとこ役の小林裕吉もよかった。二人が出てくると、画面の印象がよくなる。

 問題は鈴木京香演じるアルゼンチンババアで、おれにはなんで彼女のところにいることが、傷ついた父親の癒しになるのかさっぱりわからず、感情移入できなかった。また、映画として、きちんとしたユーモアを描ける機会を、何度も、何度も空振りしているのが、もったいない。

 白髪のババアを鈴木京香が演じているメリットが見えてこない。ババアだけど、セクシーで美しくて見たいな一瞬のために鈴木京香を配したのだと思ったが、そうではなかったのかなぁ。クライマックスでは本当に美しく描いているのだが、アルゼンチンババアというより、美しい鈴木京香がいるだけなのだ。

 蜂蜜効果シーンは絶品だけど、シングルヒットに終わってしまった。あそこから、すごいことが起こるかと思っていたら、ああ、これは「パフューム」にはならないのだと、思い知った。

   

 あのお父さんも、アルゼンチンババアのもとより「佐賀のがばいばあちゃん」のもとに、半年いたほうが癒しになりそうだ。

 さすがに父親と娘が再び絆をつなぎなおすあたりは、よかったのだけれど、あれはやっぱり、亡くなった母親がかわいそうだと思う。

 エンドテーマのタテタカコは、ああ、なるほど、よろしかったですよ。

 あれこれと小粒とまとまりすぎてたのが、残念。棒読みで言うけれど、「いやぁ、松竹さんは大変ですね」

※こちらのエントリーもどうぞ。

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