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【映画2007】ハッピー フィート

 ワーナーマイカルシネマズ板橋10番スクリーンにてSRD鑑賞。

  皇帝ペンギンたちが暮らす南極大陸では歌こそがすべて。そんな中、致命的な音痴のマンブルは、なぜかリズムに合わせて足をばたつかせるクセがあった……。だが、「歌えなければペンギンではない」世界の異端児として、彼は国を追放させられてしまう。


 モーションキャプチャーでペンギンにタップダンスを躍らせるという発想は秀逸で、ニコール・キッドマン、ブリタニー・マーフィーの歌もすばらしい。

 水中遊泳などアクションシーンでは、スターウォーズを髣髴とさせるようなダイナミックな映像が楽しめる。ドラマそのものも驚くべき方向に流れていく。

 ただ、これはおれが苦手な動物がしゃべる映画だった。
 以前の「ナルニア国物語」のレビューを引用する。

 高橋よしひろの漫画「白い戦士ヤマト」なんて、「バカ野郎! 犬がしゃべるか!」と、投げ捨てたくなる。

 「みなしごハッチ」なんて、「バカ野郎! ハタラキ蜂が女王蜂を探して、涙を流すか」と、殺虫剤をかけたくなる。

 新美南吉の「手ぶくろを買いに」なんて、「バカ野郎! 狐に手袋がいるか!」と、エキノコックスを食わせてやりたくなる。

 「ドリトル博士」なんて「バカ野郎! 話さなくていい動物を話させやがって」と、院内感染をさせたくなる。

 ピクサーの映画は好きだが、「バグズライフ」と「ファインディング・ニモ」が微妙なのは、「話す動物」系だからだ。

 「ハッピーフィート」は動物がしゃべるのみならず、動物が歌う映画だったし、動物が踊る映画でもあった。

 たとえば、「リトル・マーメイド」のようにアラン・メンケンのオリジナルメロディが全編で流れるのなら、まだ、許容できるのだが、ロック、ファンク、ゴスペル、ポップス、ラテンの名曲をペンギンが歌うのはどうよ、と思う。

 ビーチボーイズ、フランク・シナトラ、プリンス、クイーンを歌うペンギンをどのように思えばいいのだろう。

 なんで、南極の僻地のペンギンが「Somebody to Love」を知っているんだ? 歌には歌の背景があるべきだ。この設定には、これにはちょっと冷めてしまう。

 歌と舞台の時代はちがっていても「ムーランルージュ」のように人間がそれを歌うのなら、許せるのだ。

 ペンギンたちのことばや音楽が、現代に生きる人間くさいので、ペンギンのうしろのチャックを探して、中の人をむき出しにしたくなってしまう。

 われわれが生きている世界とちがう世界観をきっちり見せてくれる作品は大好きなんだけどね。

 その違和感はドラマが進むにつれて、ペンギンというより一部アメリカ人そのもののメンタリティとなって、ますます居心地が悪くなる。

 後半はものすごい展開を見せてくれるのだけれど、見ているこちらの温度が下がっていったのは、南極の寒さだけが理由ではない。

  

※こちらのエントリーもどうぞ。

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