【映画2007】ホリデイ
ワーナーマイカルシネマズ板橋2番スクリーンにてSRD-EX鑑賞。
やばいなぁ。あまりにも幸せな空間で、映画の中盤あたりから、心地よく泣かせていただきましたよ。
3年越しの恋人が自分の知らないところで婚約してたことを知ったイギリス人記者のケイト・ウィンスレット。そして、浮気した男を追い出しつつ、自分のこわばった感情に悩むハリウッドの映画予告編製作会社の社長、キャメロン・ディアズ。
まもなくクリスマスという人恋しい季節、すべてのしがらみを切り離すためにふたりはインターネットを介したホーム・エクスチェンジ(マイホーム交換)で、2週間の休暇をとることにする。
なによりうまいと思ったのは恋愛というものが、単なる好悪の感情にとどまらず、社会や家族、老いといった人生の大事な要素としてきちんと描かれていることだ。
セリフはもうおいそりゃ、うますぎるだろうというくらい、すばらしいフレーズの連続で、あちこちで感心しまくりですよ。シリアスな恋愛とコメディのバランスが絶妙です。
さらにジャック・ブラックですよ! 驚くべきことに、この映画の中では、かなりの男前の映画音楽家なのだ。
「ハイ・フィデリティ」の音楽マニアを髣髴とさせる、レンタルDVDショップでの音楽うんちくの独演会や、「スクール・オブ・ロック」でもここまで授業していなかったような弾き語り映画音楽講座など、見どころもきちんと用意されているし、あの困った失敗作「ナチョ・リブレ」と同時期に、こんなすばらしい映画に出ていたとは……。
傑作なのはハンス・ジマーの「ドライビング Miss デイジー」の旋律がいかに美しいかを説明している背後で、この映画の音楽を担当する当のハンス・ジマーの曲がかかるところなど……。
ジュード・ロウもすばらしすぎです。「コンタクトをなくしたんだ」と、一瞬だけメガネ男にさせていたり、ソフトなイギリス訛りをしゃべらせたり、温和に語る背後に、重厚かつ暖かな本棚を配置したり、女性監督だけにほれられる男を作る演出がたくみすぎです。だいたいこんなイケメンが、なにげなくロンドン郊外にひょっこり住んでいるかよと、思うすきもあたえないまま、イケメンでプレイボーイに見えたジュード・ロウがじつはなんてあたりが、憎すぎます。
心に残るあのシーンやこのシーン。「Are you ディー・アイ・ヴィー・オー・アール・シー・イー・ディー(D-I-V-O-R-C-E-D)?と質問したあとの返しなど、シーンとの効果もあいまって、本当にすばらしい。
すべてのセリフが主要な四人を念頭に置いた、あて書きなのだろう。全員がクリエイティブな仕事に携わっていることが、心をことばにするプロセスを自然なものにしている。冒頭のメールのやり取りなど、秀逸なカット割りも楽しかったし、なによりも映画自体が古きよきハリウッド映画へのオマージュとなっている。
人もことばも、あのころのなにかをとりもどしたいというのが、製作者の思いなのかもしれない。
そういう温度の中で登場人物すべてが成長していくのが、うるわしいよね。
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