« Happy Jam Se | メイン | 星新一 一〇〇一話をつく »

【国内旅行】春のスキー・クエスト

スキーの誘い
「じつはいまからスキーに行くんですが、いっしょにどうですか」

 浅草キッドの水道橋博士から、そんな電話が来たのは土曜日の夕方である。

 博士の「悪童日記」によれば、19歳のとき何度かゲレンデにいったのを最後に、たけし軍団の一員として雪山で裸に海水パンツとか、巨大サイコロに入って転がされたりとか、自衛隊の雪中行軍に同行して、死線をさまよったことはあったものの、普通のスキー経験はずいぶんご無沙汰とのこと。

 最近、25年ぶりに家族でスキー旅行をすることを決意。狭山の人工スキー場を皮切りに、舞子後楽園ではスキーのみならず、スノーボードにも挑戦。慣れないままに前のめりに激しく転倒。肋骨を亀裂骨折したものの、心は折れず、心配する奥さんを尻目に、三歳の息子さん、タケシくんと、秘書のスズキさんと男3人で、家出するように、かぐらみつまたエリアに向かうとのこと。

 以前、スキーに行くことを計画していた博士のmixi日記に「いいなぁ」とか書いていたので、誘ってくれた模様。


 そういえば、今シーズンは一度しかスキーに行っていない。心ひかれるお誘いだ。

 しかし、土曜日は午後9時から六本木で宮路さんのライブ。つづく日曜日は午後7時から恵比寿でオフ会。というスケジュールが入っている。

「いけそうなら、明日の朝、ご連絡しますよ」と、いっておきつつ、心の中ではいく気、70%くらい。

 1997年から98年のシーズン。毎週月曜日になると、スキー板を担いでひとり新幹線に乗り、ガーラ湯沢で、すべりまくった経験がある。

 ちょうど、カーヴィングスキーの出始めのころで、新しく買った板に激しく感動。完全スキー中毒になっていたのだ。

 かぐらみつまたも近いエリア。4回くらいはいっている。越後湯沢駅からシャトルバスが出ていることも知っているし、ゲレンデの構成もだいたい頭に入っている。

 メンバーの構成からいってもがつがつ滑るわけではないから、負担も大きくないだろう。もういちど、あのころ同様、日帰り電車スキーをやろうかという気分だ。

睡眠不足もなんのその
 土曜日のライブ終了後、1時過ぎに帰宅。3時間半ほど寝たあと、TUMIのサチェルに、ウェアとゴーグル、手袋などを詰めこむ。当初は愛用のスキーブーツくらい持っていこうかと思っていたのだが、さすがに重い。しんどいので、今回はレンタル三点セットでまかなおう。

 池袋のみどりの窓口で上越スキー往復切符を購入。大宮で新幹線に乗り換え、午前8時には越後湯沢の駅前に到着する。

 シャトルバスでみつまたのゴンドラ乗り場に移動して、着替えたあとに、スキーセット一式を借りる。20年ぶりにリアエントリーのスキーブーツを履いた。きっちり締めあげるバックル式にくらべると、足はむちゃくちゃ楽で、不安になるくらい。

 雨が降っている。参ったなぁ。空模様を見ていた係員のおじさんに話を聴くと、先週は麓では雨でも上では雪だったとかいっている。ならば、上を目指したほうがよさそうだな。

 午前9時には、いったん雨も上がり、博士ご一行3人と合流する。

 なんだか家族「スタンドバイミー」におじゃました感じ。博士は3歳のタケシくんにおれのことを「ばおさん」と教えている。mixiでのハンドルネームにちなんでいるのだ。「ばおさん」と、かわいい声で呼ばれると、くらっとくる。

 博士の日記によれば、タケシくんは3歳ということもあり、ボーゲンで内足に力を入れることがまだ習得できないとのこと。それでもいちどスクールには入っているから、板には慣れているのかな。。秘書のスズキさんは修学旅行以来のスキーでボーゲンスキーヤーだが、男だから大丈夫だろう。

三歳児にとってのスキーとは
 みつまたの駐車場エリアから、まずロープウェーを使って、みつまたゲレンデにいく。そのまま、みつまた第1高速に乗り、ゴンドラを目指していくが、ゴンドラへの連絡コースにちょっとした斜面がある。ここまで博士に手を引かれて、すべっていたタケシくんだけど、この斜度ではそれは無理だ。

 さあ、どうしよう。

 背中には博士から預かった荷物がある。タケシくんを小脇に抱きかかえて、滑り降りようとする。

 「こわい! こわい!」といわれているところで、おれのバインディングからブーツが外れる。なにしろレンタルスキーだ。解放圧がゆるめに設定してあるのだ。参ったなぁ。雪質が重く、足がとられることも多かったために、この解放圧のゆるさには、途中、何度か泣かされることになった。

 結局、タケシくんは板をはずして、スズキさんたちと歩いて、斜面を降りることになる。

 小さな子供といっしょのスキーは、思いもよらない試練がある。

 全長3132メートルのかぐらゴンドラは、このエリアの名物。見下ろすゴンドラコースは、ひたすらに緩斜面が続く。ここならば、スキー経験のないタケシくんでも楽しめるかと思っていのだが……。

 ゴンドラ駅を降りたレストハウスで一休み。その後、博士とゴンドラコースを滑り降りる。3キロ以上のゆるい斜面だ。一ヶ所だけ、ややきつめのところがあるけれど、普通に滑ったら、立っているだけといった感じの物足りないコースだ。

 しかし、これから、タケシくんといっしょにすべることを考えると、攻略にも頭を使う。

非情のリフト乗り場
 ゴンドラでふたたびレストハウス前にもどる。タケシくんに山頂を見せたい博士の提案で、博士とスズキさんはスノーブーツに履きかえて徒歩で、おれとタケシくんはスキーでかぐら第一高速リフト乗り場を目指す。

 走りったり滑ったりしながら降りるというアドベンチャーを企画していたのだが……。

 しかし、乗り場の係員に止められてしまった。

「スキーを履いていない人はリフトに乗れません」

 あいたたた。

 結局、おれ一人でリフトに乗ることになる。博士家族はレストハウス付近まで徒歩で上ることに。お疲れさまです。

 上の斜面はものすごいガスと雨だ。ほんの少し離れただけで、コースも人も見えなくなる。今回、ひとりで滑るのは初めてなので、ぎちぎち滑るけれど、ちょっと雪に板をとられただけで、外れるバインディングに困りましたよ。

 滑り降りてすぐに博士家族と合流。昼食をとろうと、レストハウスや和田小屋をチェックするが、空席が見つからない。

 仕方ないので、ゴンドラコースの途中にある「かぐらラーメン」をめざす。

抱きスキー
 そこまでは1キロくらいある。ほぼすべての距離を博士とぼくが抱っこして降りることになった。ただ、ちょっとでも速くなると、タケシくんが怖がる。だから、全距離がボーゲンである。「ばおさん、はやいよ。こわいよ」とかいわれると、ばおさんもがんばって中腰で足に力を入れるしかないのだ。

 ちょっと恐がっていたかとおもうと、「ほら、また、スズキくんが転んでいるよ」とか、いうと、きゃらきゃらと笑う。

 最近、RPG「ブルードラゴン」をクリアした博士は、メタファーとして、このスキー行をRPGに例えていたけれど、ほんとうにそんな感じ。

 ふだんのスキーでは使わない腕とか、背中とかの筋肉にちがう負荷がかかるけど、だんだんと子供を抱く滑り方もわかってくる。

ラーメンとK1
 「かぐらラーメン」には空席もたっぷりとあり、いただいたマーボーラーメンの塩分が体にしみる。ビールもうまかったよ。

 タケシくんの話もあれこれ聴いた。博士とプレイしているK1のゲームで、K1選手の名前をみんな覚えているけど、実際にテレビを見ると、名前が一致しないとか……。

 さあ、ここから2キロ以上の下りコースだ。

 ラーメン屋をでてからの斜面はちょっときついので、スズキさんとタケシくんはブーツを履き替え、徒歩で降りる。

男三人の手つなぎスキー
 そこからはずっと緩斜面だ。博士とぼくがタケシくんの左右の手を引いて、ずっと下りていく。三歳の男の子の小さな手をソフトにしっかりと握りつつ、ボーゲンでゆるゆると滑る。あの有名な写真、捕らえられた宇宙人みたいな構図だ。

 博士とのスピードをそろえ、滑っていく。最初は前傾、後傾で、きちんと板に乗っていなかったタケシくんだが、後半はほとんど手から余計な力を抜き、きちんと滑るようになっていた。

 ほんとうによく知っている、かぐらみつまたの中でも、退屈なくらいメリハリのないコースだったのに、博士の宝物であるタケシくんといっしょだと、まったく視点が変わるものだ。

 なんとか、帰りのロープウェー山頂駅に到着したときの安堵感はひとしおだし、博士にとっての安堵はそれどころではなかったろう。

「ばおさん、いっしょにおうちにきてください」とか、タケシくんにいわれると、さらっていきたくなる。

K1の逆襲
 そのあとは板を返し着替えて、博士たちと温泉施設「街道の湯」で一風呂。

 さっきまで、スキーを脱いで斜面を降りるとき、転んでいたりしたってのに、タケシくんってば異常に元気。走ろうとしては博士に止められたり、浴槽で泳いだり、その元気はどこから来るのだろう。

 博士が胸元でタケシくんをホールドし、背筋を鍛える姿を見せてくれたり、ほんとにパワフルだ。

「ばおさん」

 ん?

「ばおさん。おなか大きいね。アケボノみたい」

 ぐは! アケボノだとぉ! もう、さらっていきたくないぞ。

 ゲームで覚えたK1選手、曙の名前がまさかここで出てくるとは……。

 休憩室でも大はしゃぎで、ほんとに、そのエネルギーはどこから出てくるのか……。

 越後湯沢の駅までクルマで送っていただいたのだが、車内でタケシくんはあっという間に眠っていた。

 考えていたスキーとはまるでちがっていたけれど、3歳から44歳の男の子の大冒険という6時間で、ほんとに楽しかった。

 水道橋博士、スズキ秘書さん、どうもお世話になりました。

恵比寿は遠く
 17時2分発の上越新幹線「とき」に乗って、東京を目指す。車内では浅い眠りだ。体の疲れが大きいのだろう。

 東京駅で乗り換えようと山手線の階段をのぼりきったところで、電車のドアが閉まる。あいたた。と、その瞬間に構内放送が流れる。

 渋谷駅での人身事故により、山手線は完全に止まったとのこと。

 なにをを!

 のんびりしてはいられない。地下鉄だ。JRの構内を出て、丸の内線から日比谷線に乗り換え、恵比寿に到着。階段多すぎ、座れなさ過ぎ。筋肉痛につらいなり。

ちりとり鍋
 恒例の鍋コミュのオフで、「ちりとり鍋 大島」へ。

「チリトリ」と半世紀近く親しまれてきたのが、この鉄板焼き。元々大阪の万才橋のたもとで鉄工所を経営していた先代が、その一角でホルモン鍋の屋台をはじめます。その時、普通の鍋や鉄板では汁が吹きこぼれるし、煮炊き用の鍋では深すぎるということで、ステンレス製の四角くて薄い鍋で作ったのがこの「ちりとり鍋」の原点。「掃除に使うチリトリみたいや!」といわれ、このような名称で呼ばれるようになったとか。

 電波少年で南北アメリカ大陸を縦断したドロンズの大島直也の店で、店を出るときに本人がショップカードをくれた。

 鍋そのものは、変り種のもつ鍋という感じだったのだが、シメにいただいた「焼き雑炊」がうまかった。リゾットのように出汁をしっかり含んだご飯をやや焦がして、食べる雑炊で、香ばしい焦げの香りが最高!

 そのあと、もう一軒、飛び込みで入ったラウンジバー(名前失念)の雰囲気もよく、楽しくフィニッシュ。

 そのあと、山手線→東上線と帰ったのだが、目白駅で酔った若者が電車に飛び乗ろうとして、ホームと電車のあいだに片足をズボッ! 幸い事故にはならなかったのだが、彼の全体重を受け止めたのは、おれの疲れきった足腰であった。ひいい。
  

※こちらのエントリーもどうぞ。

« Happy Jam Se | メイン | 星新一 一〇〇一話をつく »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントを投稿

ネットでラクラクチケット予約購入、e席リザーブでシックスワンダフリー

最近のエントリー

カウンターetc

人気ブログランキング - ゲームの王道 atom rss2.0
total カウンタ:today カウンタ:yesterday カウンタ

Pagerank/ページランク

人気記事ランキング

Google Adsense