【映画2007】パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
ワーナーマイカルシネマズ板橋8番THXスクリーンにてSRD鑑賞。
前作「デッドマンズ・チェスト」のレビューでは「たしかによくできているし、おもしろいのだが、この内容で150分は長すぎるのではないかい?」と書いたけれど、「ワールド・エンド」の160分を長いとは感じなかった。
まず、少人数での剣戟が少ないことにある。ヴァーヴィンスキー演出のチャンバラは、どこか単調で尺が微妙に長く、弛緩していたのだが、今回は集団戦闘ばかりだったこともあり、退屈しなかった。
なにより、キース・リチャーズ出演シーンにはやられました。前作同様、あいかわらず「8時だョ!全員集合」的な作劇。そんな中で、キース・リチャーズは大御所歌手として北島三郎あたりの役割をきちんと演じておりました。
ストーリーがシリアス方向にふった分、前回の「ジョニー! うしろ! うしろ!」的ドタバタは減ったから、子供にはつらいかもしれないけれど、おかげで間延びしたシーンに付き合わずにすんだ。
ストーリーの求心力も前作の「宝探し」テーマが消失して、きっちりと仇討ちモチーフが前面に立ったのも好印象。
前作で大活躍をしたクラーケンは、「あれれ?」ってことになってて、ちょっとびっくりしたし、いちばん大きな謎の現実化とその後については「おや?」という部分もあるのだが、目をつぶりましょう。
前作で「スター・ウォーズ」との相似が語られ、今回のオープニングはほんとに「ジェダイの帰還」ですかというイメージだったが、少しずつ「スター・ウォーズ」空間からは逃れ、なんちゃってテリー・ギリアムな雰囲気もまといつつも、おおらかに語られていく。
だれがなにをしたいのか、裏切って裏切られて、たくらんではめられて、というプロットラインは、おなじみ戸田奈津子のもやもや字幕が加勢して、混乱気味だ。 「はいはい。いま喧嘩してても、どうせ、あんたたち、仲がいいんでしょ」くらいにしか伝わってこない。
しかし、ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)の父親ビル・ターナーの壊れっぷりがすばらしく、この親子関係がくっきりした悲劇の軸として、大きなうねりを生む。こういう直球のメロドラマには弱いんだね。
クライマックスの大活劇のクオリティはほんとによくて、海賊=海戦ものの楽しさをとことんまで、ひきだしてくれる。


