【映画2007】仮面ライダー電王・獣拳戦隊ゲキレンジャー
ポイントのたまったカードなら、山ほどある。レイトショー1,200円ならともかく、マチネしかやっていない映画の料金が1,800円なら、このカードを使って、おじさん、ただで見ちゃうよ。
「すみません! 仮面ライダー電王1枚お願いします。あ、このカードでお願いします」
「はい。無料優待券ですね。すみません。裏にお名前、性別、年齢を書いていただけますか」
いや、おれは自分の年齢を恥ずかしいとか思ったことは、さらさらないのだけれど、「ゲキレンジャー」と「仮面ライダー電王」を見るために、「名前・柴尾○○○/性別・男/年齢・44歳」と書くのは、なんとなく罰ゲームくさいぞ。
それにしても「トランスフォーマー」も「オーシャンズ13」も見ていないのに、「仮面ライダー電王」を見るわけですよ、おれは。なぜかといえば、7月以降のテレビ放送で、さんざん映画とリンクしたシナリオを展開しているからだ。ほかのドラマだったら、「あざとい商売しやがって」と、一蹴するのだが、話が「電王」ならば、それも仕方があるまい。
ああ、つまり、早く見たくてたまらなかったわけですよ。
二本立てのロードショーを見るのは久しぶりだ。
ワーナーマイカルシネマズ板橋4番スクリーンにてSRD鑑賞。
劇場内はお子さんでいっぱい。子ども映画を見るお子さんが、映画館で興奮してしゃべるのはそんなに気にならない。「ゲキレンジャー」が始まったとたん主題歌を大声で歌っていても気にならない。でも、がさがさとカバンの中をひっかきまわし、その音をえんえん響かせる母親とか、2歳児くらいが泣き始めたのに、連れてでない母親とかには腹が立つもんだね。世の中の子どもはそんなに嫌いじゃないけれど、バカ親はほんとに嫌い。
まずは「獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦」だ。
もう、あきれるくらいインリンが下手。きちんと2回もM字開脚するのだけれど、日本語がたどたどしすぎるというか、東映特撮は撮影のあとに、アフレコをするのだけれど、声が自分の口とあまりにも合っていない。まぁ、そこに期待していたわけではないから、いい。インリンは子連れパパ対応のキャスティングだろうけど、子なしパパのおじさんは、インリンよりもメレ役の平田裕香を大きなスクリーンで見られたので、大満足だ。
本編はドラマらしきものがほとんどないストーリー。「ゲキレンジャー」の映画版だからそれでもかまわない。果てしなくアクションが続く。ラスボスは香港のメディア王だそうだが、その設定は、ほとんど関係なく、果てしないアクションで、それはもう気にならない。
「ゲキレンジャー」のモチーフは拳法だ。したがって「はーっ! はっ! はっ!」というかけ声が終始続く。ドラマなしの「はーっ! はっ! はっ!」は、つまりアダルトビデオのメタファーにしか思えない。敵味方老若男女いりみだれての「はーっ! はっ! はっ!」は、最盛期のビデオオンデマンド作品のようで、なるほど、日本人のアダルトビデオのクオリティはこのような英才教育から生まれているのだなと感心する。
こうなるともう、鑑賞中、なにかあるたびに、アダルトビデオの公式を当てはめていく。道具を使うフィニッシュは、アダルトビデオ作品としては感心しないのだが、ラスボス・石橋雅史の存在感でおれは満足しまくったぜ。御年、74歳のセックスアクションはすごい!
「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」は、すばらしかった。もちろん、設定がわからなければ、めくるめく展開についていくのは困難だけど、これだけすばらしい作品ならば、テレビドラマをぜんぶ見ろといいたいくらいの完成度だ。
しかも、きちんとしたドラマを織り込みながら、「最初から最後までクライマックスだぜ」なので、血がたぎりまくる。
「タイムトラベルものに駄作なし」の定理はここでもしっかり生きている。近過去から明治時代、恐竜時代、西部劇の時代や江戸時代までを縦横無尽に見せ、それぞれの時代を通して、各キャラクターの魅力を存分に語りながら、チビ電王なんてサービスを見せ、良太郎と姉、亡き両親への思いをしっかり語りつつ、記憶と時間というテーマをこれほど暖かく描く、小林靖子の豊かな脚本力に舌を巻いたよ。
ラスボスである渡辺裕之演じる牙王(ガオウ)のキャラクターづけもみごとだ。いろいろ設定はあるのだろうけれど、それをほとんど語らず、ひたすらにあらゆるものを食いまくりつつ、凄みをきかせるなんて技には参りました。
陣内智則とほしのあきに関しては、まぁ、サービスなんだろうね。劇場版はお祭りですから。
あと20分くらいボリュームがあれば、すさまじい傑作になったと思うのだが、劇場版「仮面ライダー」という枠を考えれば、トップクラスの完成度。子どもから大人まできちんと楽しませてくれる。「電王」が好きな人なら、ほんとに泣けるでぇ!
ラストの叙情が格別なのは、「電王」というドラマ世界の設計の確かさがきちんと機能しているからだろう。
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