【雑感・ニュース】アーサー・C・クラークの訃報
東京大学の助教、アリニール・セルカンは、トルコの宇宙飛行士候補にして、スキーオリンピックチームのコーチにして、8カ国語に加え、3つの古代語を駆使し、ギターも相川七瀬のライブツアーで演奏するというすさまじい人だ。
宇宙エレベータを研究する彼の原点のひとつに11歳のころ読んだ「楽園の泉」がある。
宇宙(軌道)エレベータという概念は、いまでは「ガンダムOO」でも当たり前に登場するようなものになっているけれど(「ブルーノア」、「オーガス」とかもあったね)、1980年海外SFノヴェルズで「楽園の泉」が発売され、それを読み終わったときの高揚感はいまでもはっきりと覚えている。高校3年生のころ。大学受験の前だった。
夜に読み出したら止まらなかった。読み終えた明け方、窓辺に出て空を見た。
クラークの作品には遠未来を描いたものと、近未来を描いたもののふたつがある。「楽園の泉」はふたつの未来をつなぐ作品だったし、あのときみた皿倉山の山頂には、宇宙へ、未来へとつながる一筋の線が見えた。
セルカンほどの才能のない自分は、いまのようにわけのわからないことをやっているのだけれど、あの本を読んだとき感じたであろう気持ちはわかる。
軌道エレベータの概念は、クラークの専売特許ではない。小説としては同時期にシェフィールドも作品として書いている。だが、多くの人の見上げる空に、クラークが軌道エレベータの像をインストールしなければ、これほど、多くの作品で扱われることはなかっただろう。クラークの描いた軌道エレベータはそれほど生々しく、それほど美しく、それほどエキサイティングで、それほど圧倒的だった。
「楽園の泉」はクラーク作品でいちばん好きなだけでなく、たぶん、いままで読んだ本の中でトップクラスに好きな作品だ。
中学生1年のとき、宮ちゃんに「地球幼年期の終わり」を薦められて以来、ずっと好きな作家だった。
作品リストを見返すと、長寿作家としてそんなに多いものではなかったけれど、邦訳された作品すべてが、きちんと思い出されるものだった。
「都市と星」を数年前、読み返したのだが、コンピュータとネットワークの発達したいまとなっても、古びることがない感覚に驚いた。人間の本質と科学と技術への洞察は、卓抜したものがある。
クラークの三法則としては、「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」が有名だけれど、第一法則の「高名だが年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている」はいま、読み返しても胸が震える。
あなたの見せてくれた未来、あなたの教えてくれた可能性、ほんとうにありがとうございました。



コメント
21世紀は鯨の時代?
こんにちは。クラーク氏がなくなりましたね。最近もある本を読み返したばかりです。それは、「海底牧場」という書籍です。この小説では西欧の人でも、過去には21世紀には鯨の時代になる可能性もなきにしもあらずと思っていた時期もあることがわかります。私は、アーサー・C・クラークの海洋SF小説「海底牧場」を題材として、鯨を含む海洋資源と海洋開発の重要性と、将来性などについて書いてみました。この小説の主人公は、何と生粋のオーストラリア人です。さらには、オーストラリア領海内の島から牧鯨の基地になっています。未だに私達に影響を与え続けるクラーク氏は素晴らしい人だったし、これからも語り継がれていくことでしょう。是非ご覧になって下さい。
http://yutakarlson.blogspot.com/2008/02/c-21.html
投稿者: yutakarlson | 2008年03月19日 15:06
はじめまして。「海底牧場」はぼくもとても好きな本です。初めて読んだのは30年くらい前ですが、「広場(宇宙)恐怖症」になった主人公が、宇宙ではなく、海に人生をかけていくあたりは、クラークらしい設定でしたね。
投稿者: 柴尾英令 | 2008年03月19日 15:13
アニリール・セルカン経歴詐称疑惑
http://blog.goo.ne.jp/11jigen/
http://www29.atwiki.jp/serkan_anilir/
【アニリール・セルカン氏についてのまとめ(主な結論)】
・アニリール・セルカン氏は「宇宙物理学者」であり11次元宇宙の研究で受賞したことになっていますが、氏を著者とする物理学に関する論文は一編も発表されていません。
・東京大学、およびJAXAのホームページ等で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた物理学の論文は、現実には存在しない架空のものです。
・東京大学で公表されていたセルカン氏の業績リストに掲載されていた知的財産権2件については、一件は他人の特許であり、もう一件は存在しない特許です。
・「ケンブリッジ大学物理学部 特別科学賞 受賞」については記録もありませんし、そもそもセルカン氏は物理学の研究業績が皆無なので、物理学の研究によって(まともな)賞を授与されることはあり得ません。
・同様に、「America Medal of Honor(アメリカ名誉賞)」、U.S.Technology Award受賞の記録もありません。
・「プリンストン大学数学部講師」に就任したという記録もありません。またセルカン氏は数学分野の研究業績が皆無なので、数学部講師に就任するというこはまずあり得ません。
・セルカン氏は「宇宙飛行士候補」と言うことになっていますが、NASAの宇宙飛行士候補のリストにも、宇宙飛行士のリストにも掲載されていません。
投稿者: アニリール・セルカン経歴詐称疑惑 | 2009年10月02日 01:42