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【映画2008】ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発

 人生の楽しみはその夜にどんな映画を観るか考えながら、朝、寝床から起き上がることである。今日は「インクレディブル・ハルク」あたりを見ようかと思って、起きたのだが、マイミクのなかでも怪獣愛、特撮愛が顕著なマイミクさんがmixi日記で「ギララを新宿ピカデリーで観る」有志を募っていたから、名のりをあげる。人食い映画愛好家のポン子さんも手を上げているのがうれしい。


 新宿ピカデリーはあの松竹系のピカデリーが装いも新たに生まれ変わったシネコンである。できてから1ヶ月。なにもかもが新しい。コンセッションでアイスコーヒーとホットドッグを買ったのだが、2階からスクリーンのある10階へとエスカレータであがるまでにアイスコーヒーはぬるくなり、ホットドッグは冷めそうだ。

 レディースデーということもあり、館内は意外と客でつまっている。みんないいのか? 河崎実監督作品だぞ。

 ということで、新宿ピカデリー10番スクリーンにてSRD鑑賞。

 はじめてのカラオケスナックに入ったら、ものすごくうまく歌う人がいて、「うまいですね」と、うっかりいったら、周りの常連から「プロだってこんなにうまい人はいないでしょ」と、持ち上げられて、「うぐぐ……」と、声を濁すような作品だった。

 いろいろなところで、マニアへの配慮もあるし、この時代にこういう作品を撮る上でのバランスもある。ウルトラシリーズなどからの引用もふんだんだ。主演女優の加藤夏希なんて、すっかり大人になって、なんだか、ずいぶん、マジメに演じているから、おじさんも大きくなったねと目を細めたりもする。

 でも多くの河崎実作品と同じで、書道というより習字なのだ。歌唱というよりカラオケなのだ。花丸をあげてもいい習字だけれど、書道ではない。98点がつくカラオケだけれど、CDにしたいとは思わない。河崎監督の自意識は濃厚に感じるけれど、作家としての自我が感じられない

 いくらでもハジけられるのに、ハジけることができない。意識が学生映画なのだ。むかしのギララって、どうだったっけ?と、YouTubeなどでチェックしてみたら、むかしのほうが、ギララもよく動いていて楽しそうだ。

 ひげ五郎さんは鑑賞後、「いまの時代に怪獣映画を作るためには笑いというのはいい切り口かもしれない」という見識を見せてくれ、それには100%同意するのだが、うーん。「ギララ」は松下アキラなど、ザ・ニュースペーパーの面々が予定調和な笑いを展開するあたりがせつない。スクリーンではもっとはじけたなにかを見せてほしい。

  

 怪獣映画として「大日本人」のあつかいに困っていたけれど、「ギララ」は登山ルートこそちがうけれど、どことなく「大日本人」にも近い居心地悪さがあった。

 河崎実監督は、シャレだからとか、「ネタにマジレス」なんてヤボだねみたいな、逃げられる位置で作品を作っている。この映画がどういう作品かを雄弁に語っていた音楽はよかったし、ギララを倒すためにさまざまな「作戦」を展開するなど、怪獣や特撮映画への愛情は随所に感じられただけに、いろいろともったいない作品だ。

 なによりもたちが悪いのは、鑑賞料金を損したと思わない程度にまとめてしまったことだ。うーむ。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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