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【映画2008】スピード・レーサー

 ワーナーマイカルシネマズ板橋11番スクリーンにてSRD吹き替え鑑賞。

 いまごろ鑑賞した。ウォシャウスキーは映画が下手だし、いまひとつおもしろくなさそうだな。アメリカでも日本でもコケたようだし……。いろんな理由で、侮っていたわけですよ。

 ところが、意外なくらいに楽しめた。ウォシャウスキー作品でいちばんおもしろかったんじゃないの。

 日本アニメ、日本ゲーム原作のハリウッド作品の中で、いちばん原作の精神に近い作品だったのではないか。このシナリオと内容だったら、べたべたなストーリーが好きな日本人の温度にもあっている。

 午後4時30分からの吹き替え版なので、子どもも多かった。チンパンジーと子どもがバカなことをやると劇場のあちこちから笑い声が聞こえていたよね。

 ぼくらが子どものころに「マッハGoGoGo」を見ていたころ、フォーミュラもラリーも見たことがなかった。しかし「マッハGoGoGo」とか「チキチキマシン猛レース」という、二大レースアニメはたっぷり見ていたわけで、自動車レースといえば、クルマをぶつけ合い、相手を弾き飛ばしながら走りぬく、サバイバルレースだと思っていた。

 もちろん、それから、さまざまなレースを見てきたわけだが、子どものころの影響は恐ろしいもので、ステアリング(というか、ハンドル)中央のボタンを押して、秘密兵器が出てこないカーレースはどこか物足りなかったりもするのだ。

 レースシーンはやや「マリオカート」風味の「F-ZERO」だったりするけれど、やっているロジックのすべては、「マッハGoGoGo」そのものだ。レーサーたちの過剰なコスチューム、あってなきがごときルール、むやみなサバイバルレース、レース中の乱闘シーン、結局、展開を教えてくれる中継放送……。ディテールのひとつひとつに快哉を叫びそうになる。

 映像は下品に傾きかけているが、ぎりぎりでとどまっている。色彩の洪水の中で主体が失われていないので、主人公の三船剛ならぬ、姓はレーサー、名はスピードの人を素直に応援したくなる。


  

 今回、父親が日本人役者、息子が韓国人役者、娘が中国人役者という、韓国風自動車企業の経営者家族が出てくるなど、アジア系は錯綜しているのだが、これはこれで多国籍(=無国籍)映画風で、1960年代、日本人が世界を勘違いしていたころの「マッハGoGoGo」の裏返しイメージなのかもしれないと納得してしまった。

 劇中、姓はレーサー、名はスピードと契約しようとする巨大企業ロイヤルトンが登場するあたりは背景説明に終始して冗漫だったりするが、そこを乗り越えたら、小気味よく上品に楽しめる。全体に家族の話でまとめているのが、いいんだろうね。

 人工の映像の中で、クリスティーナ・リッチがむやみにかわいかったのには、ちょっと驚いた。

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