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【映画2008】インクレディブル・ハルク

 ワーナーマイカルシネマズ板橋11番スクリーンでSRD鑑賞。

 これはつまり「サンダ対ガイラ」みたいな話だね。もちろんサンダやガイラはハルクのように、怒りで変身するわけじゃないけど、海外ではガイラを「グリーン・ガルガンチュア」と呼ぶわけだし、同じ血でつながった怪物が都市で戦うあたり、似ているところが多い。メーサー殺獣光線車の変わりに米軍の音波兵器が現れたときは、どきどきしたよ。

 もちろん、ニューヨークのそばには、海底火山がないから、そこに没するエンディングはないのだけれど、マーベルの中でも怪獣要素が強いヒーローだとしみじみ感心した。人間がモンスターに変身するというより、人間のことばをしゃべるモンスターが暴れる映画として考えるといろいろ腑に落ちる。

 アン・リーが監督した前作は、まるで緑のマジックボールのように、ハルクが全米をピョンピョン弾みまくるという怪作だった(嫌いじゃないけど)。今回は設定やストーリーこそ引き継いでいるものの、ハルクを野山を弾んで移動したりしない。

 ハルク病(としか言いようがないよね)のブルース・バナーは米軍の手から逃れて、リオ・デ・ジャネイロで怒りを抑制する修行をしている。その師匠はヒクソン・グレイシーなのが楽しい。しかもピザ好きな警備員として、往年のハルク役者、ルー・フェリグノもでていたりするぞ。

 映画「シティ・オブ・ゴッド」でおなじみのリオの街を舞台に、「トランスポーター」シリーズの監督が見せるチェイスシーンなどよくできていて気持ちがいい。


  

 キャストは総とっかえだが、まるで気にならない。「ロード・オブ・ザ・リング」では、人間離れしたエルフの印象が強いリヴ・タイラーだが、今回はいままでの出演作の中でもいちばん血の通った人間に見えた。

 クライマックスではもっともっとハルクな肉弾戦を楽しみたかったが、いまどきの水準で見てもあっさりしている。

 おなじアメコミヒーローでも「ダークナイト」みたいに人間の内面と社会を激しく問い詰める作品ではないけど、シンプルな娯楽映画としてはバランスの取れたていねいな仕事をしている。

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