【映画2008】闇の子供たち
ワーナーマイカルシネマズ板橋11番スクリーンにてドルビーSR鑑賞。
タイにおける「幼児の売買春、幼児の人身売買、幼児の臓器売買」という反吐が出るような「現実」を告発したフィクションだ。あたかもドキュメンタリーであるかのように、ほぼ1シーン1ショットに近いカメラワークで描いている。
江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡やタイ人役者たちの大芝居に、ちょっと鼻白むこともある。また、幼児売春のショッキングでグロテスクなシーンも多く、どんなホラーよりもおぞましいシーンがいくつもあった。エイズの末期症状でゴミとして袋に入れられた少女が、ゴミ袋を破り、故郷に帰っていくシーンの数々はすさまじい。
日本人にトランクにつめられお持ち帰りされる子供や、ホルモン剤を大量にうたれ死んだ挙句、その死の代金をクレジットカード払いされる子供。
ふだんは無意識に目を背けていることが、大スクリーンで見せつけられる効果はすさまじい。主要なキャラクターの背景も通りいっぺんに描いていない。売春宿の男が、幼いころに買われていたり……。
おそらく、このような現実はあるのだろう。それをこのような形で告発する意味もあるのだろう。
だからこそ、クライマックスからエンディングにかけての展開にがっかりしてしまった。
ここからはネタバレです。PCはマウスを使った反転表示でどうぞ。携帯はそのまま表示されます。
あの銃撃戦って、つまり、なんなのだろうか。身内に裏切り者がいたのはわかるが、その裏切り者がいきなり警察に銃を向ける意味がさっぱりわからない。
江口洋介が自殺するのは、あまりにも短絡的なエンディングだ。自分の内なる過ちを恥じる。自分さえも聖域ではないというメッセージなのだろうが、過去の罪悪感で自殺する江口の立場と、臓器売買を探る記者としての江口の立場がまるっきりつながらない。
その大雑把さで、映画としては傑作になりそこねてしまった。
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コメント
いつも映画評を楽しく読ませてもらっています。RSSリーダーだと、マウス反転が効かない様ですね。。ネタバレ部分を普通に読んでしまいました。ちょっと残念でもあったので、余計なこととは思いつつも、携帯だけでなくRSSでも効かないということを小耳に挟んで頂ければと。。それでは、失礼しました。
投稿者: koma | 2008年09月03日 12:17
ご指摘をありがとうございます。
たしかにRSSリーダーだと、いきなりネタバレになっちゃいますね。
次回から気をつけるようにしますね。
投稿者: 柴尾英令 | 2008年09月04日 18:52
はじめまして。遅ればせながら今日映画を見ました。
私なりの解釈を書いてみます。
> あの銃撃戦って、つまり、なんなのだろうか。身内に裏切り者がいたのはわかるが、
> その裏切り者がいきなり警察に銃を向ける意味がさっぱりわからない。
あの銃を撃った同じNGOのメンバーは、裏切り者ではなく、
良かれ悪しかれ情報を(腐敗した)警察に流してしまったために、
あの施設の女主人の協力者?が銃殺されてしまったのではないか、
さらにその裏切りを逆手に取られ女主人の暗殺まで指示され、
集会所に送り込まれてきたが、NPOの同士にあの警告をし、
女主人を撃たず自分を裏切った警察に銃口を向けたのだと思います。
最後に女主人と目が合った時にワイ(合掌)をしたのもその現れで、
警官の銃弾に倒れた後、警官に女主人が「一味か?」と問われた時に、
迷い無く「裏切り者だ」と言えたのもそのためだと思います。
それほど警察の腐敗が根底にあるのでしょう。
> 江口洋介が自殺するのは、あまりにも短絡的なエンディングだ。
> 自分の内なる過ちを恥じる。自分さえも聖域ではないというメッセージなのだろうが、
> 過去の罪悪感で自殺する江口の立場と、臓器売買を探る記者としての江口の立場がまるっきりつながらない。
一味に嗅ぎ回るなと銃口を向けられた際、土下座で難を逃れましたが、
諦めない理由に、汚い日本人と一緒にされたからと言ってました。
男児性愛者だったのかも知れませんが、その子を本当に愛していたのかも知れません。
部屋の鏡の周りに幼児性愛者の記事を一面に貼ってあったのも、その子が謎の死を遂げた事を理解できず、調査していたのではないでしょうか。
しかし銃撃戦の際、宮崎あおいの「手を離して」に自身の記憶がフラッシュバックし、自分が加害者として荷担していた罪悪感と、その最愛なる子に一生拒否され続ける事の苦しみに耐えられず。。。と解釈しました。
確かに後半少し詰めが。。。でしたが、概ね良かったと思います。
ただ妻夫木のキャスティングだけは失敗だったような。
投稿者: さぬうる | 2008年11月25日 22:44