【音楽】ミドリカワ書房「TOUR 2009~誰よりもおめえだよ~」
午後7時、渋谷リキッドルーム、ミドリカワ書房のライブ「TOUR 2009~誰よりもおめえだよ~ 続・リキッド de ドッキリ」へ。
現地でごいっしょした元宮秀介さんからは「柴尾さんが最年長っぽいですね」といわれてしまった。なるほど、客層は20代中心である。新曲「転校生」のあとのMCで、「転校生といえば映画ですが、ぼくより少し上の世代になるのかな? 尾美としのりさんと小林聡美さんの……。知ってます?」と問われた会場の静けさに驚いた。うーん。「転校生」は最近、大林監督によって再映画化されたのだが、そんなことは関係ないようだ。
本人もブログで男性客が増えてきたと書いていたが、会場の3割くらいが男性であった。
マイミクさんの中には、「ミドリカワ書房はPVがよくできているから、曲だけとか、ライブとはちょっと……」という方もいる。ごもっともである。だが、自分の場合、CD化されているほぼ全曲を聴いてみたあとで、もっとも印象深い曲はPV化されていないものばかりだったりする。
歌詞が聞きとりやすいというのはミドリカワ書房の美点のひとつだが、今回のライブでもきちんと歌詞を聴いて楽しんだ。
居心地の良さを感じる理由について考えていた。ここにはクラシックRPGで見知らぬ町を訪問したような感覚がある。その町にいるのは、主人公にヒントを教えてくれる人だけではない。父親、母親、子供、老人、店の主人、さまざまな人がその世界の一部としてセリフを話す。もちろん、その世界を覆う災厄やエモーションにそったものが多いのだが、だれから最初に話しかけてもいい。情報を入手する順番が変わっても、総じて浮かび上がる世界観から、作家の色が見えてくる。それがミドリカワ書房をライブで聴く味わいなのだろう。
ストーカーがいる。認知症の老人がいる。妻の妊娠を喜ぶ男がいる。若いとき恋人の中絶手術を見守った男がいる。万引きをする主婦。それを捕まえる男。いじめられた子供。その子の父親……。緑川伸一に創作されたキャラクターが生きる町がリキッドルームに広がり、自分の生きる町と表裏のように感じられる気持ちよさがある。彼の歌は責めないことがいい。
ゲストとして、「スキージャンプ・ペア」などでもおなじみの茂木淳一が登場。「フラフラフライデー」と称して、ラジオ番組風に進行していく。茂木淳一はミドリカワ書房のCDでもドラマトラックを提供している。なにが起こっているか十分にわかりやすい歌詞であるにも関わらず、CDにドラマトラックがあっては説明過剰になる。一度聞けば十分である。実際にiPodで聴くときはプレイリスト化してぜんぶ外してしまう。でも、こういうライブで入る分には、とても楽しい。
アンコールの一曲目では、新曲の「愛なるは」である。「愛なるは」を逆に読めば「はるな愛」。性同一性障害をテーマにした歌だ。この曲にかぎって、携帯やカメラ、ボイスレコーダーでの撮影、録音が可能とあって、みんないっせいに機材を取り出し、撮影していた。ちなみに開演前のロッカールームでは「撮影OKの曲もあるから、荷物をしまいこまないでね」というチラシも配布。

ぼくも携帯でムービー撮影したのだが、携帯のマイクでは割れまくって満足に録音できない。アップするのも申し訳ないような動画だった。ましやつはYouTubeにあったので、こちらでご覧ください。
本人もステージでいっていたが、撮影してると、曲はきちんと聞けないね。申し訳ない。ちなみに「愛なるは」のネーミングについては、はるな愛にも許可してもらったそうだ。
ネットでひろったセットリストはこちら。
君と今夜こそ
顔
頑張るな
雄と雌の日々
リンゴガール
私の恋愛
誰よりもあなたを
おめぇだよ
SAVA
父帰る
恍惚の人
ごめんな
転校生(新曲)
保健室の先生(白衣のセニョリータVer.)
OH!Gメン
心
I am mother
チューをしよう
愛なるは(新曲)
笑って俺について来い

最後は撮影タイムもあり、和気藹々した雰囲気。ぼくらは混雑を避け、一足先に撤収しました。



