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【映画2009】砂と霧の家

 DVDにて鑑賞。

 ジェニファー・コネリーが出ているし、2004年のアカデミー賞にも3部門、ノミネートされてた作品だからみなくちゃ……と、思いながら、そのままにしていたが、これは衝撃的な作品だね。


 なによりも作りこまれたシナリオに感心した。父親の遺した家に住みながら、アルコール中毒や離婚を経て、引きこもりな日々を送るジェニファー・コネリーは所得税未納のため、強制的に家を競売にかけられる。

 その家を買ったのが、革命前のイランから亡命したベン・キングスレーだ。かつては高い地位にいて、それなりの財産はあったのだが、アメリカに来てから、その財産を消尽していく日々だった。昼は道路工事、夜は店員と稼ぎながら、家を転売することで、財産を増やすきっかけを得る。

 この家をめぐるふたりの対決がみごとだった。「父さんが30年かけてローンを支払った家を私は数ヶ月で失った」というジェニファー・コネリーの家に対する思いと、落魄のみとはいえ、イランでは陸軍大佐を勤めたベン・キングスレーの家族に対する思いが、悲劇へと続いていく。この流れの映画的バランスが絶妙なんだ。

 最近、英エンパイア誌が「落ち込む映画」ランキングを発表していた。第一位の「レクイエム・フォー・ドリーム」といえば、ジェニファー・コネリーが出ていたが、この「砂と霧の家」もそれに負けず劣らず、落ち込める内容ではある。ジェニファー・コネリーは世界一のダウナー女優といってもいいよ。もう後半は、「やめて! それはやめてよ!、ああ」と、声を上げまくりだったよ。そこは、家で見ているメリットだね。

   

 大切な思い出やこだわりから、だれもが、なかなか手放せないものがある。それを手放せないばかりに、悲劇は広がっていく。人間というのは危ういバランスの中で、ぎりぎり生きているのである。そんなぎりぎりのところで、かわされる交流をきちんと描いているのには、すごい。そして、その交流の行きつくさきまでも……。

 予告編で、「彼らの求めるのはハウス(家)ではなく、ホーム(家庭)だった」というフレーズが語られているが、それをこういう形で、展開するとは……。

 なにより、砂と霧というメタファーが、アメリカの象徴として、実に的確に効いている。小道具ひとつひとつまで、神経を注ぎ込んでいるうまさは絶妙だ。いやあ、未見のいい映画はたくさんあるねぇ。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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