【映画2009】ターミネーター4
ワーナーマイカルシネマズ戸畑1番スクリーンでSRD鑑賞。
「ターミネーター4」である。大好きな「チャーリーズ・エンジェル」、「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」のMcG監督である。それはもう楽しみにしていたさ。されども、だけれども、世の中にはびこる「中二病」映画の感染力はすさまじく、「ターミネーター」まで、中途半端な自分探し映画になってしまった。
もう忘れてしまったかもしれないが、「ターミネーター」は「ウエストワールド」の一番正しい形でのB級リメイクであった。それがユル・ブリンナーであれ、アーノルド・シュワルツェネッガーであれ、容赦ないロボット・ハンターとの対決がすべてな映画なのだ。もちろん、テーマパークを訪れたゲストと、人類の未来を救う救世主の少年時代という違いはあるけれど、映画の構造としてのすべては「ウエストワールド」が生み出したものだ。
「ターミネーター」シリーズで、真に評価されるべきのは、「ターミネーター2」である。「エイリアン」をパラダイムシフトさせ、戦争映画の「エイリアン2」にしたジェームズ・キャメロンが自身の第一作の骨格をまったく変えないまま、映画界最高のアイドル、シュワルツェネッガーをヴィラン(悪役)からグッドガイ(善玉)にシフトさせた「ターミネーター2」は、観客の見たいものと監督の作りたいものの幸せな結合であった。
「ウエストワールド」=「ターミネーター」という無表情人型ロボット映画は、すでにジャンルとして確立されているのだから、そのフォーマットをうかつに変えてはいけないのだ。
ターミネーター3
ワーナーマイカルシネマズ板橋7番スクリーンにて
「ターミネーター3」をドルビーデジタル鑑賞。日本プロモーションのキャッチフレーズには、
「恐れるな。未来は変えられる。」とあるが、
内容としては、まったく逆である。「悲しいかな。未来は決まっている。」
そう思わせてしまうプロットが、あまりにもせつない。
前作や前々作で心に刻まれた「思い」が
メモリーごと吹っ飛び、再インストールされちゃった感じ。アクション映画として、
CGにたよらない重量感あふれるスタントシーンを
きちんと作ってくれたのはうれしいんだけど、
全体として、小粒になってしまったのは、
説得力あるロングショットがないためかもしれない。お金のかかったテレビムービー……でした。
これはむかし書いた「ターミネーター3」のレビューである。「ターミネーター4」は、その部分はちょっと改善されたのだが、悲しいことに「ターミネーター」ではなくなってしまった。大小は違い、形状もちがういろんな種類の金属ロボットは出てくるけど、一体として主人公と正面から対峙するロボットはいない。
その上、ジョン・コナーとマーカス・ライトという二人の男性主人公が有機的に絡むことがない上に、性格が一貫していない。
滅びの山にリングを捨てに行くフロドの冒険を見たくても、スカイネットの基地に自分探しの旅にいく元死刑囚の冒険なんて、見たくはない。そういうのは「ターミネーター」とはいえない。おれは「ターミネーター4」で、未来の歴史やジョン・コナーのレジスタンス活動や得体のしれないスカイネットの正体を見たかったわけではないし、感情移入しにくいマーカス・ライトとやらの自分探しを見たかったわけではない。
こんなことなら、量産されたアーノルド・シュワルツェネッガーが大挙して、ジョン・コナーを襲ってくるような映画のほうがよかっただろう。
ダニー・エルフマンがターミネーターのサントラ・テーマを良心的にアレンジしているのだが、妙に上手にアレンジしすぎて、軽すぎるし、ILMの仕事はていねいだけれど、人間をカゴに捕らえるあたりなど、「宇宙戦争」のウォーマシンと同じような絵を見せられた残念感が漂う。
「ターミネーター3」は安っぽいターミネーターの模倣映画だったけれど、「ターミネーター4」はターミネーターとは関係のない大予算同人映画だった。
キャスト クリスチャン・ベイル サム・ワーシントン コモン ブライス・ダラス・ハワード ヘレナ・ボナム=カーター アントン・イェルチン ローランド・キッキンジャー 他


