【映画2009】2012
ワーナーマイカルシネマズ板橋8番THXスクリーンにてSRD鑑賞。
ローランド・エメリッヒというジャンル映画の中では、もっともよくバランスが取れ、もっとも楽しめる作品だったのではないか。エメリッヒはインタビューに答えて、これが最後のディザスター・ムービーといっているが、こんなところで打ち止めにせず、もっともっと、地球を壊していただきたいものである。
エンドロールで、グラハム・ハンコックにインスパイアされたと書いているが、マヤ暦の「予言」などは、きっかけ程度に使われているだけだ。つまり、ローランド・エメリッヒがそろそろもう一度、地球をひどい目にあわせるかと思ったことがすべてであろう。
冒頭でいきなり太陽からあふれる悪いニュートリノが災厄の鍵ということが提示される。まるで、「地球が濡れていたので電子レンジに入れたら、大変なことになってしまいました」程度の発想だ。そんなに自己主張の激しいニュートリノであれば、小柴昌俊先生はノーベル賞など受けていないだろう。「天使と悪魔」の反物質爆弾製造過程とそんなに変わらないレベルではある。ジャンル「エメリッヒ」をむきになってつっこむのもあほらしい。
おれだったら、この映画を「日本沈没」ならぬ「世界沈没」という邦題にするね。
今回の地球災難の手際はすばらしい。災厄が始まるや否や、往時のジャンプ漫画のように、とてつもないピンチとその克服の連続になる。ゲーム「塊魂」のなかを走行してるというか、街がドミノ倒しになっているところをすり抜けるというか、豊富なアイディアが詰め込まれたクライシスシーンは、とことん気持ちよい。かなりのボリュームがありながら、良質のアトラクションのように堪能できる。「2012」モーションライドとかできそうだね。
随所に見られるご都合主義も、ジャンル「エメリッヒ」のたいせつな構成要素である。矢継ぎ早の都合主義というのは、ある種の快楽でもある。「いくらなんでも、幸運すぎ」というのも一度や二度ならともかく、10回くらい連続すれば、快楽になる。 ラリー・ニーヴンの作品に出てくる幸運の遺伝子の持ち主なのだろう。
ジャンル「エメリッヒ」ならではの演説も二回くらいあるので、聞きほれるように……。
登場するキャラクターもステレオタイプでありつつ、軽いひねりを入れているのがいい。ロシアの富豪のもつ写真、母とのつらい別れをかみしめる計画責任者、ヒール・キャラクターがちょっぴり立体的に描かれている。
考えてみれば、生き残るためなら、なにをやってもいいんだというすごい主人公だよね。モラルなんて、かけらもない主人公なのに、最後はヒューマニズムの話になるのがすばらしい。
まとめにかかる後半はあまりにも凡庸な展開で、ちょっと物足りない。最後で怪獣マグマ(みたいなやつ)がやってきたら、完璧だったのだが、エメリッヒって、そこまでの無茶ぶりはしないんだよな。
キャスト ジョン・キューザック アマンダ・ピート ダニー・グローヴァー オリヴァー・プラット タンディ・ニュートン キウェテル・イジョフォー ウディ・ハレルソン ジョン・ビリングスレイ モーガン・リリー ジョージ・シーガル パトリック・ボーショー ジミ・ミストリー アガム・ダーシ ヨハン・アーブ 他
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コメント
お久しぶりです~。柴尾様。
我が家は未だに誰かが桃鉄(主にPS2版)にはまってます(^^)息子は「一攫千金」を2度出したとかで、サクマ名人も敵ではないと豪語してます(←ホントか?)でも柴尾様はもうDSソフトには参加されてないのですね。
実は、スタートレックのレビューにTB入れようか、でも時期を逸したかなってずっと迷ってたのですが、「2012」はまだ公開したばかりなので、不遜ながら入れてみます。
しょうもない内容で恥ずかしいですけど。
こちらの「2012」レビュー、さすが柴尾様、シニカルさが良いです~。
確かに「人間性発露」と言っても割合が薄いですもんね(笑)。タイタニックだと、紳士的な人がもっといたのに比べて、金持ち一家だけが圧倒的に生き残ってしまうあたりが、、、キリスト教的には金持ちが天国にいける確立は蟻が針の穴を通よる難しいらしいので、きっと生き残っても地獄行きでしょ、ありゃ(笑)
あり得ないほど幸運がでなかれば、貧乏人が救われる確立はないという映像が面白いので、映画館でお金払って見る価値はあるかなって思いました。
投稿者: おに | 2009年11月25日 12:42
■おにさん
ごぶさたしています。トラックバックとか、コメントとかはタイミングなど気にされず、どこからどこへもお気軽にどうぞ。
そちらのブログは、RSS Readerからいつも拝読しています。 ご家族のほほえましい呼吸や息吹も感じられて楽しみに読んでるんです。「2012」のエントリーも拝見しました。
この映画って、大昔のジョージ・パルの「地球最後の日」のモチーフが下敷きにあるんでしょうね。その「地球最後の日」自体が、「ハムナプトラ」のスティーブン・ソマーズの手によって、来年映画化されるそうで、楽しみではあるんですけど。
いずれにせよ、レンタルDVDとか、テレビ放送じゃなくて、映画館の大スクリーンで楽しむ映画だと思います。
投稿者: 柴尾英令 | 2009年11月25日 13:15
コメントありがとうございます。
こちらを読んで下さってるんですか?うわ、恥ずかしいですが、家族百景を楽しんで頂けてますようで、うれしい限りです。今後ともよろしくお願いします。
>>蟻が針の穴を通よる難しいらしいので
「駱駝が針の穴を通るより難しいらしいので」
でした~。蟻じゃ、楽に通っちゃいますよね(汗汗)。
「地球最後の日」が映画化されるんですね。楽しみです(^^)。
「沈まぬ太陽」こちらのレビュー読んで、是非行きたいと思ってますが、上映時間が長いので、行ける時を見つけるのが難しいです。
投稿者: おに | 2009年11月25日 18:47