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【映画2009】7つの贈り物

 いまさらウィル・スミスで「幸せのちから」みたいな映画は気が進まないと思って、劇場公開時は見逃してしまった。BDレンタルで鑑賞。

 もしもそういう予断を持って劇場にいったら、ノックアウトされそうなヘビーでいやな映画だったね。すさまじく感情をゆさぶってくれるのだが、同時に絶対に割り切れない思いが残る。

 この映画で評価したいのは、なによりも「映画」という武器をきちんと使っていることだ。要約してみれば、2行ほどのネタだが、それを映画ならではの話法で身を乗り出して見させる。途中で疑問を感じさたりつっこんだりさせず、展開させる力技はすごい。

 残酷な内田けんじ(「アフタースクール」、「運命じゃない人」)というべきか。時系列シャッフル系の構成になっている。これをもし時系列順に整理すると、主人公の動機と行動に納得がいかなくなってしまう。

 ロザリオ・ドーソンが演じる心疾患女性のキャラクター作りが丹念で絶妙だった。ウィル・スミスよりもきちんと描いていたし、ヴェジタリアンであること、犬を買っていること、印刷機械を使うことなどのディテールが卓抜だったため、この映画を救っている。ウィル・スミスに対する疑問はずっと続きそうだけれど……。

   

原題は「seven pounds(7ポンド)」で、シェークスピア作品を思わせるこちらのほうが趣き深い。「7つの贈り物」だと、映画を見ている間中、贈り物の数をカウントしたくなっちゃうよね。モチーフの背景にあるのは、オスカー・ワイルド作品(ネタバレリンク)だったりするんだろうな。仏教説話とかも思い出したけど……。

 うっかりデートで見たりすると、一生後悔するかもしれない。感情的にはいやなんだけど、強烈な映画だった。こういう映画は嫌いじゃない。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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