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【映画2010】サロゲート

 ワーナーマイカルシネマズ板橋4番スクリーンにてSRD鑑賞。

 自身は部屋で横たわったまま、自分の代理ロボット(サロゲート)と神経をつなぎ、社会活動をするようになった人間たち。仕事はもちろん、レジャーや戦争もロボットが代行するようになった時代に発生した不可解な殺人事件の謎にFBI捜査官(ブルース・ウィリス)が挑む。


 この設定を聞いて、まず、思い浮かべたのが諸星大二郎の漫画「夢みる機械」だ。また、自分の代わりにロボットに日常を体験させるというのは、「HINOKIO」とも近い発想だ。アイラ・レヴィン作品とも重なるし、DNA操作を使わない「アバター」みたいなものでもある。現実をネットワークゲーム化したような感覚でさえある。

 本作の問題はそういった未来世界になった然るべき理由が、観客に伝わらないということだ。事故や事件のリスクを回避できること、老いや身体的欠点から解放されることなど、サロゲートを使う理由が提示される。

 だが、世界の大部分がサロゲートを使う社会であれば、それなりの社会的変革があってもおかしくないはずだ。だが、そこまでの考察はなく、単純に人間をサロゲートに置き換えた程度の世界しか見せてくれない。しかも、サロゲートを操作している人間は、ひきこもりの寝たきりであり、それって、とても居心地の悪いことだ。そんな手間のかかることまでやって、現実世界を送るのってつまらない。つまらないオンラインゲームに大枚はたいているようなものだ。

 殺人が激減した世界といっているが、サロゲートを使って、空き巣に入り居直り強盗をしたり、寝ぼけた住人をレイプしたりする犯罪なら、いくらでもありそうだ。

 ひと昔前のディストピア映画なら、こういう偏った設定もチャーミングなのだが、ディストピア映画に必須である「運命の美女(ファム・ファタール)」がいないというのも減点ポイントだ。

 殺された美女サロゲートを操っているのが、巨デブなおっさんだったりするネタもあるが、世界のルールが徹底される前に、例外ばかりを見せられて、戸惑ったりもする。世界そのものが対岸の出来事にみえてしまい、感情移入できない。

   

 ブルース・ウィリスのサロゲートは、実年齢から20歳くらい若く作られており、「こちらブルームーン探偵社」出演当時くらいのつやつやぶりで、往時の「マックス・ヘッドルーム」のような質感でもある。

 サロゲートという設定を使ったアイディアやアクションシーンが少ないのも残念なところだ。同じネタをポール・バーホーベンが撮っていたら、もっとエキサイティングなものになっただろう。

 監督は「ターミネーター3」のジョナサン・モストウだ。「ターミネーター3」の安さを思い出すと、仕方のないところだけれど、もうちょっとやりようがあったのにね。この人がもうちょっと下世話ならおもしろくなったのかもしれない。

監督:ジョナサン・モストウ 脚本:ジョン・ブランカトー/マイケル・フェリス 原作:ロバート・ヴェンディティ/ブレット・ウェルデル 製作:デヴィッド・ホバーマン/トッド・リーバーマン/マックス・ハンデルマン 製作総指揮:デヴィッド・ニックセイ/エリザベス・バンクス 
キャスト ブルース・ウィリス ラダ・ミッチェル ロザムンド・パイク ボリス・コドジョー ジェームズ・フランシス・ギンティ ジェームズ・クロムウェル ジャック・ノーズワージー デヴィン・ラトレイ マイケル・カドリッツ 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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