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【映画2010】ボーイズ・オン・ザ・ラン

 ワーナーマイカルシネマズ板橋11番スクリーンにてDTS鑑賞。

 生まれたときから童貞でないやつがいる。1000人とやっても童貞なままのやつがいる。男の童貞にごころに突き刺さる漫画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の映画化作品としては、かなりの完成度といえるだろう。

 ものすごく不器用で、ものすごく自意識過剰で、はてしない劣等感に行動が混濁し、やりたいこと、やれることの区別がつかない主人公はきわめて変わったやつで、読むとものすごくいやな気持ちになるのだが、それでも目が離せない田西敏行がスクリーンに登場するとしたら、見にいくしかないじゃないか。

 原作の三分の一程度をドラマ化しているのだが、戦うことを避けてきた男が戦うことを選んだ原作の核ともいえるところなので、ノープロブレム。

 黒川芽以が演じる仮面ファム・ファタール、植村ちはるは原作よりも健康的になり、松田龍平が演じるイケメン営業、青山貴博は原作よりもいいやつになっているが、それはむしろ好ましい変化であり、リリー・フランキーが社長を務め、小林薫がボクシングを教えてくれる勤務先、斎田産業の温かさも含めて、映画のそこに横たわるさわやかな希望の一部となっている

   

 なによりも主人公、田西敏行を演じる峯田和伸が最高だ。決戦直前のカラオケ「夢をあきらめないで」フルコーラス熱唱はそれだけで胸が熱くなる。

 作っている人はみんな原作が好きなのだろう。そのことがとてもよくわかる映画だったけれど、それゆえに、ある種の狂気や理不尽さがなくなってしまったことが、ちょっぴり物足りないのも事実。それでも、心に童貞がある男なら、見るべき映画の一本だろう。

監督脚本:三浦大輔 原作:花沢健吾 主題歌:銀杏BOYZ 
キャスト 峯田和伸 黒川芽以 YOU リリー・フランキー でんでん 尾上寛之 渋川清彦 米村亮太朗 大谷英子 遠藤雄弥 岩松了 松田龍平 小林薫 他
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