【映画2010】コララインとボタンの魔女 3D
ワーナーマイカルシネマズ板橋2番スクリーンにてRealD3D吹き替え鑑賞。
だめだ。この映画を小さな子供に見せちゃだめだ。映画にのめりこむと同時に、48歳の自分が、子供のときに怖かったことをいろいろと思い出してしまった。だれもいない部屋。部屋の隅の暗がり、なぞめいた人形、くらい井戸、知らない隣人……。
主人公の少女、コララインは気丈で、大抵のことは自分で対処できる子なのだが、引っ越したばかりの家で、仕事に忙しい両親にかまってもらえない寂しさがたまっている。そんな彼女が見つけたのは、謎めいた小さな扉。子供か小動物しか入れそうにないこの扉の向こうには、もうひとつの家、もう一人のママ、もう一人のパパがいた……。
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」、「ジャイアント・ピーチ」のヘンリー・セリック監督の最新作だ。人形アニメであることは同じなのだが、ティム・バートンの色彩が強かった従来作とはかなり趣きをかえている(ちなみに、ヘンリー・セリックには「モンキーボーン」という異色な実写作があり、かなり楽しかった)。
「ほんとは怖い○○童話」みたいなシリーズはあるけれど、童話の原初的な怖さをきちんと活かしている作品だ。「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家にある誘惑の甘やかさと、子どもならではの孤独感、そして、ダイレクトな恐怖がきちんと配置されている。
コララインのキャラクター設定がまた絶妙で、好奇心と行動力がきちんと備わっているから、ドラマをぐいぐい進めていける。
邦題で「ボタンの魔女」と書かれているように、魔女と対決する魔法的な世界の物語なのだが、小動物、昆虫、料理、日用品など、魔法的存在すべてがすべてが日常的な「もの」で表現されている。
子どものころは、○○ごっこなど「見立ての遊び」で、いろいろなものを、ちがったものとしてみていたのだ。そういう部分をきちんと大事にしながら、きちんと「魔法」を感じさせてくれるのはたいしたものだ。 すべての構成要素が必要十分な王道であることから生まれる「魔法」だろう。
3DCG全盛のいま、ストップモーションアニメーションにどれだけの意味があるのかと思っていたのだが、繊維や料理の質感などレンズを通し光学的に撮ったからこその味わえる映像に酔ったし、リミテッドな動きの魅力もある。
人形の顔を上下のパーツに分け、それを取り替えることによて千変万化な表情を生み出している。どうしても顔にできる線は最終的にCGで取り除いているのだが、これが残っていれば、よかったのに……とは思った。
子どもがみたら、トラウマになりそうで、見せることを逡巡するけれど、見せてしまったら、一生忘れられない作品になるだろう。
キャスト (声の出演) ダコタ・ファニング テリー・ハッチャー ジョン・ホッジマン イアン・マクシェーン ドーン・フレンチ ジェニファー・ソーンダース 他
« 抱擁のかけら | メイン | Dr.パルナサスの鏡 »


