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【映画2010】フローズン・リバー

 アクトビラにてHD鑑賞。

 2008年のアカデミー賞で主演女優賞とオリジナル脚本賞にノミネートされた映画だが、日本ではなかなか公開されなかった。本国公開から1年半、やっと劇場公開されたのは、喜ばしいかぎり、公開と同時にアクトビラで有料配信されたので、自宅のテレビで鑑賞した。


 ニューヨーク州北部。1ドルショップのパート店員としてふたりの子どもを育てていたレイは、新しいトレーラーハウスの購入資金を、ギャンブル狂の夫に持ち逃げされてしまう。

 夫を探すためにモホーク族居留地のビンゴ会場に向かったレイは、モホーク族の女ライラが夫の車を運転しているのを見つける。追いかけて問い詰めたところ、バス停で鍵がささったままのクルマを捨てたと思って、運転しているのだといわれる。奇妙な運命により出会ったふたりはアメリカへの不法移民を運ぶという犯罪に手を染めることになる。

 フローズン・リバーとは、カナダとの国境になっている凍りついたセントローレンス川のことだ。このエリアは、両国にまたがるモホーク族居留地になっており、アメリカ司法の手も伸ばしにくい地域になっている。

 レイもライラもアメリカ最下層の母親である。思わぬことから犯罪に手を染めることになった白人女性、レイではあるが、息子に対しては心からのモラルを説く良心の持ち主だ。

   

 モホーク族のライラも夫の家族に奪われた子どもを取り返すための資金が必要で、このような犯罪に手を染めてしまう。二人の絆が深まる事件も、民族や文化を越えた両者の母性が生み出したものである。

 子どもたちと食べる朝食はポップコーン、レンタル料が払えずに、家のテレビがとられそうになったり……。「フローズン・リバー」というタイトルどおり、薄氷を踏むかのようなデリケートさで、貧しい生活を描いている。安っぽい愁嘆場や飾り立てられた悲劇を排したシナリオがすばらしい。

 レイ役のメリッサ・レオの演技からは、ことばがなくとも母親の強さと弱さ、愛情、葛藤が痛いくらいに伝わってくる。コートニー・ハント監督もこれがデビュー作だが、冷たい空気の中で人の優しさをきちんと描いている。

 印象的なのは物語の結末だ。母親ふたりの決断は映画を観終わったあとも心を占める。派手ではないけれど、しみてくる作品だ。

監督脚本:コートニー・ハント 製作:ヘザー・レイ/チップ・ホーリハン 撮影:リード・モラノ プロダクションデザイン:インバル・ウェインバーグ 編集:ケイト・ウィリアムズ 音楽:ピーター・ゴラブ 
キャスト メリッサ・レオ ミスティ・アパーム チャーリー・マクダーモット マイケル・オキーフ マーク・ブーン・ジュニア 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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アメリカ映画の中で<国境>を描いた“選択”の物語。 社会の底辺に暮らす2人が犯罪によって築いていく絆を力強く浮き彫りにする。 母親同士の自己犠牲の譲り... [詳しくはこちら]

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