【映画2010】シャーロック・ホームズ
ワーナーマイカルシネマズ板橋7番スクリーンにてSRD鑑賞。
コナン・ドイルとシャーロック・ホームズのディテールに敬意は払いつつ、ホームズとワトソンをスーパー格闘探偵にし、腐女子テーストをたっぷり盛り込んだアクション映画だ。
今回のヒロインはアイリーン・アドラー。原作ではわずか一話にしか登場していないが、存在感が大きい女性キャラ。ファンをにんまりとさせる。アレンジも卓抜で、ホームズを翻弄しつつ、別の思惑に操られる峰不二子的キャラクターにしているところなんか、よく考えられてはいる。 レイチェル・マクアダムスを起用しているのもうれしい。
そして、ジュード・ロウがワトソン。結婚を控え、ホームズとの共同生活から離れようというワトソンをあの手この手で取り返そうとするあたりなど、あざといほどの腐女子サービスだ。ホームズ役のロバート・ダウニーJr.がうるうるの目で、ワトソンを説得したりして笑いそうになった。
ホームズがワンコ状態である。
また、婚約者に会いに行こうとするワトソンを引き止めるために、彼の科学捜査好きを利用して、目の前で検死するなんて……。それにしっかり、ワトソンがつられるなんて……。結局、婚約者じゃなくてもホームズにつきあうなんて……。
さらにひどい目に遭ったワトソンをホームズが見舞うシーンなど、まさに"腐"式美の世界である。
ストーリーは、大量にばらまいたトリック、ネタ、伏線を、ダイソン掃除機で吸い上げるようなマッチポンプ構造だ。なんでも解決する探偵界のスティーブン・セガールは、細かなネタをいちいち吟味する時間をあたえない。思い切りすぎたストーリーといってもいい。
そのため、メイントリックをはじめ、個々のネタはたいしたことがない。コナン・ドイル当時のトリックそのままではネタにならないという判断、そして複数回見てほしいという判断でこうしたのだろう。
恐怖に怯える女性など、ホームズが守るべき対象が出てこないから対岸の火事みたいなところがあった。まあ、ある大物が殺されるあたりから、興味は出てきたけれど……。
ゴールデングローブの"ミュージカル・コメディ"主演男優賞をロバート・ダウニーJr.がとったことを考えると、笑いながら見るべき映画だったのかもしれないね。
「アイアンマン」のロバート・ダウニーJr.が演じたスターク社長に、ホームズのレイヤーをかぶせたようなキャラ作りもある。まあ、そういう色気の多い映画なのだろう。
探偵ホームズらしい格闘術として、敵への一瞥で、その弱点を事前に把握。格闘コンボを脳内シミュレーションで完成させ、そのとおり、敵を倒す技がある。
これはとてもバカバカしくて楽しい。ただ、2回そのまんま登場するのだが、そのアレンジが一切ないので、ちょっと物足りない。この手の仕掛けって、どうやっても負けるシミュレーションとか、想定外のイベントとかないとおもしろくないぞ。
それと気になったのが、上映プリントのモノトーン感だ。映画の内容とは関係なく技術的な部分で恐縮だけれど、銀落とし風に処理している度合いが強すぎて、色味が薄すぎる。事前に見た予告編はもっと色が乗っていいるんだけどな。
いずれにせよ、ドラマやストーリーではなく、キャラクター・アンサンブルを楽しみたければ、よい話ではないのかな。
※ちなみに映画のシャーロック・ホームズといえば、子どものころテレビで見た「シャーロック・ホームズの冒険(1970)」が圧倒的に好きだった。ネッシーの謎に挑んだり、クリストファー・リーがマイクロフト・ホームズをやったりするビリー・ワイルダー作品だ。おじさんはいまでもそちらが好きです。
キャスト ロバート・ダウニー・Jr ジュード・ロウ レイチェル・マクアダムス マーク・ストロング ケリー・ライリー 他
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