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【映画2010】シャッター アイランド

 ワーナーマイカルシネマズ板橋8番スクリーンにてSRD鑑賞。

 謎解きがメインの作品のようにいわれている。だが、「だまされた」とか「してやられた」というほどの謎はない。映画を見慣れた人なら、わりと早い時点で「謎」の正体がわかってしまうだろう。


 製作者との謎解きゲームに主眼がある作品ではなく、第二次世界大戦後、マッカーシズムの時代における狂気という時代の空気も読みながら堪能する作品だ。

 制作費や出演者など、マスが好む仕組みの映画を撮りながら、マスの期待を微妙に外すことが多いスコセッシ監督だが、この作品の完成度は高く、マスの期待に応えうる作品になっている。

 日本での宣伝につられ、謎解きの部分を凝視しなければ、スコセッシの作った精緻な箱庭を楽しめるだろう。

 twitterでは、清水節さんにニコラス・ローグの「赤い影」との相似をご教示いただいたが、さまざまな映画からの引用も散りばめ、エネルギッシュに撮られている。

 序盤、リゲティ・ジェルジュのロンターノを使いつつ、島にむかうシーンなど、肉親をナチ収容所で亡くしたリゲティ・ジェルジュの人生を重ねつつ、不穏なイメージを浮かび上がらせている。こういったケースはひとつだけではない。

   

 見る側にそれなりに考えさせたり、調べたりさせることで、深みを増す作品ではある。

 前述のように、謎そのものの比重はむしろ低い。謎めいたルックだが、スコセッシだけあって、理知的な狂気の映画である。じつは謎解き部分の直後がとても重要なのだ。

 この映画の構造がすべてわかったとき、主人公がとる「行為」の動機こそが、尺の多くを使って、観客に提示された伏線の存在理由であり、つねに宗教的構造を意識するスコセッシのもたらした感動なのだろう。

監督製作:マーティン・スコセッシ 製作:ブラッドリー・J・フィッシャー/マイク・メダヴォイ/アーノルド・W・メッサー 製作総指揮:クリス・ブリガム/ジャンニ・ヌナリ/ルイス・フィリップス 原作製作総指揮:デニス・ルヘイン 脚本製作総指揮:レータ・カログリディス 編集:セルマ・スクーンメイカー 
キャスト レオナルド・ディカプリオ マーク・ラファロ ベン・キングズレー ミシェル・ウィリアムズ パトリシア・クラークソン マックス・フォン・シドー エミリー・モーティマー ジャッキー・アール・ヘイリー イライアス・コティーズ テッド・レヴィン ジョン・キャロル・リンチ クリストファー・デナム 他
※こちらのエントリーもどうぞ。

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