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【映画2010】時をかける少女

 新宿ピカデリー6番スクリーンにてSRD鑑賞。

 筒井康隆が「時をかける少女」で見出した出した最大の功績は、少女とタイムトラベルの相性のよさだろう。その意味において、「時をかける少女」8度目の映像化作品は大成功といっていい。とにかく仲里依紗がすばらしいのだ。


 シナリオの構成は雑だ。工夫らしい工夫がない。数ある時間テーマ作品の中でももっとも単純なストーリーといってもいい。

 たまたま事故にあった母親の代わりに、たまたま完成した時間旅行薬剤を使って、たまたま間違えた時代に行き、たまたま出会った人と交流する。映画をひっぱるサスペンス要素もないし、過去の「時かけ」にあった時間トリックもない。

 また、1992年生まれの18歳が2010年からタイムトラベルした先が1974年という設定も強引すぎる。1974年に富士のシングル8カメラ、ZC1000が登場するのはおかしいとか、ちょっと気になるところはあった。

 しかし、普通の映画なら、気になるそのようなアンバランスさも、この映画ではまったく気にならない。

 髪型、髪色、制服、ことば、仕草、そのすべてが2010年を体現している仲里依紗が、1974年を歩いていることがこの映画の説得力のすべてなのだ。1974年といえば、おれは小学6年生だったけれど、明らかに仲里依紗みたいな子はいなかった。

 その一方で、1974年の大学映研で映画を撮る中尾明慶がつくづく1974年の大学生らしいのだ。下宿の小さなこたつでふたりが眠っているだけで、タイムトラベルものの醍醐味が心に響く。高校生のころの母親を演じる石橋杏奈とは、1974年と2010年の少女の見事なツーショットが視覚化されていて、ことばにならない感動を呼ぶ。

   

 自分は1974年も2010年も地続きであることを知っている。どちらも見てきたから、時の無情も知っている。その一方で、少女の輝きが、胸の中で色あせることがないことも知っている。だから、2010年を体現する仲里依紗が1974年に入るケミストリーの中で、少女の永遠を感じることができるのだ。

 構成だけ見れば、「時をかける少女」の正当な嫡子とは思えない作品だけれど、時間を越えた少女をきちんと描いたという一点で断じてこれは「時をかける少女」なのだろう。

 筒井康隆が「時をかける少女」でなしとげた最大の功績は、少女と時間テーマの絶妙なマリアージュの発見なのだから。

監督:谷口正晃 原作:筒井康隆 脚本:菅野友恵 エグゼクティブプロデューサー:夏目公一朗/一志順夫/安部次郎/甲斐直樹/武政克彦/阿部巌/大宮敏靖 企画プロデューサー:植田益朗/越智武/村山達哉 アソシエイトプロデューサー:鈴木信隆/石川恵子 プロデューサー:藤本昌隆/松岡周作 音楽監督:村山達哉 撮影:上野彰吾 照明:赤津淳一 VFXスーパーバイザー:小坂一順 ヘアメイク:横瀬由美 録音:小川武 編集:宮島竜治 助監督:久万真路 
キャスト 仲里依紗 中尾明慶 安田成美 青木崇高 石橋杏奈 千代将太 柄本時生 キタキマユ 田島ゆみか 松下優也 加藤康起 勝村政信 石丸幹二 他 
※こちらのエントリーもどうぞ。

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コメント

Prudenceです。

ご無沙汰しています。

1974年と2010年は確かに地続きですね。

今、19歳と17歳になった長男と次男がかつておぼつかない
手つきでプレイしていた『レガイア伝説』を再プレイして
います。

嬉しくなったので書き込みさせていただきます。

こっちも地続きですよ。

念じながら技、出しているのかな。

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