【映画2010】2010年7月後半鑑賞映画
ツイッターで、この時期鑑賞した映画へのつぶやきもまとめて追加しました。タイトルに星をつけたものはおすすめです。
07月16日
★「トイ・ストーリー3」
文句のつけようもない大傑作。なんだかものすごいものをみせてもらった。IMAX3D吹き替えでみたが、とんでもない没入感
作目で提示されていたいつかくる別れのときがこのような形で結実するなんて。そしてネタの多さも圧倒的だ。
しかもバズというキャラにあそこまで成長の余地があったとは。
主人公ウッディの持ち主、アンディの家が母子家庭というのもうまい。
「アバター」でも感じたけど、ロングショットの3Dっていいね。
ちなみに今回、一番好きなキャラはロッツォでした。彼は最高です。
07月17日
★「インセプション」
あっけにとられた。とんでもないものをみた。
よくまぁ、こんなプロットを映画にしたと思えるほどの多重構造力業サスペンスだった。映画においていからないようにするのが必死だったよ。
設定があまりにも濃すぎて、知らないひとにこの映画のことを話してもネタバレにならないんじゃないのか。
なくとも最初の30分はもう頭に疑問符が一杯だけれど、ルールがシンプルなものだと気づき、「作戦」が始まってからは興奮しっぱなしだ。
ういうのは日本のアニメが得意だったのに、やられたね。早くもう一回見たい。
マリオン・コティヤールが最高で、新しいタイプのファムファタールになっている。ただ、日本でこの映画が当たるかどうかは疑問。
合によっては新宿でもう1本みようかとか、飲んで帰ろうかとか思っていたけど、それどころじゃない。今日は帰ろう。
アニメとかSFでいえば「パプリカ」あたりの系譜になるのかな。ただもうすさまじい質感演出に、しびれまくり
夢の世界を描くのにアブストラクトなヴィジュアルを一切、排したのが、すごいし、だからこそ、予告編にも出ていた無重量シーンの重みが出てくる。
久々に菖蒲のIMAXまで遠征しようかな。
嬉しいのはちょっとしたロールプレイングゲームのようでもあり、ルパン三世のSF版のようでもあるところだ。
クリストファー・ノーランはすごいマクガフィンを発明したなぁ。
「インセプション」は複数の映画をまとめてみるくらい凝縮された内容だと思います。
さっき、予告編を見なおしてみたのだが、「やられた」と思ったよ。いろんな意味で。予告編からうっすら予想できた"お話"とはまるっきりちがうじゃないですか。
IMDbでは、現在9.3点だけれど、男性平均が9.4で、女性平均が9.3。30~44歳の女性が6.8。45歳以上だと男女とも評価が低く、6.3。アメリカ人平均、8.9。非アメリカ人9.4。
IMAXは絵も音もすばらしいと思うのだが、字幕は問題。とにかくでかすぎ。存在感ありすぎ。位置が高すぎ、役者をかくし過ぎだった。途中から気にならなくなるのだが、IMAX3Dでみるのと違って、中檀より後方で見たほうがいいかも。
2回目を見た。すごいなぁ。隅々までクリアで感心したよ。ジョーカーがいる分、「ダークナイト」の方がずっと好きだけど、それでもこの映画の見晴らしは格別だ。
あんまり書くとネタバレになるけど、後半の台詞の印象がかなり変わったよ。
07月18日
「プレデターズ」
よくできていると感心しまくりの映画だ。極道兵器すばらしい。たいへん楽しんだけれど、「インセプション」の翌日では物足りなく感じてしまう。
エイドリアン・ブロディをキャスティングしたのはすごいのだけれど、シュワなきいま、エイドリアン・ブロディが勝ったからといって感動は生まれない。むちゃくちゃ強そうな地球人をプレデター一郎、プレデター二郎、プレデター三郎が、虐殺していくような映画ならみたい。
ニコラス・ケイジをプレデターが倒し、ウェズリー・スナイプスをプレデターが倒し、デンゼル・ワシントンをプレデターが倒し、マイク・タイソンをプレデターが倒し、ジャッキー・チェンをプレデターが倒し、スティーヴ・ブシェミをプレデターが倒し、アンソニー・ホプキンスを(略)そんな映画が理想。
極道兵器は楽しかったのだけれど、所詮は付け焼刃という感じだ。日本からしっかりした殺陣師を送ってほしかった。シンケンジャーのほうがすごかったよ。
07月19日
「借りぐらしのアリエッティ」
つまらない。砂を噛むような思いがする映画。人間と近接して小人が住むその設定から期待するお楽しみの百分の一くらいしかあたえてくれない。アニメーションの喜びが希薄だ。退屈した子供たちがうるさかった。
最後に流れる(監督まで含めた)五十音順エンドロールをみて、原始共産制のごとき制作現場が見えて、ますますぞっとした。
もはやストーリーには期待しないジブリ作品なのだから、最後に取ってつけたような別れの言葉を理屈っぽく口で説明する必要はない。十分なレベルの交流をしていないのに、いきなりポエムを口にされても困る。
あたかも20倍の大きさのセットを作って、普通サイズの人間を配し、普通のライティング、普通のレンズ、普通のアングルで撮ったようなつまらなさ。
本来なら見せ場になるところをいくつもいくつもいくつもスルーして、もったいないったら、ありゃしない。小人のいる世界の魔法がひとつも感じられない。
宮崎駿、高畑勲以外のジブリ作品のつらさ……。監督が変わりながらさらなる高みに昇っていくピクサー作品。まいっちゃうなぁ。
作品の途中から、この映画がなんでつまらないのだろうという分析モードになってしまった。頭の中には付箋紙がいっぱい。
原作は知らないけど、日本的な仁義としては人間のものを借りたら、家にいいことが起きるとか、そういう座敷わらし的な恩を返せばいいのに、あれじゃ「寄生獣 アリエッティ」といってもいいよ。
だれに遠慮してるのかわからないが、この映画の監督は失敗しないように作っているだけなんだ。演出的に冒険するとか、主張するとか、そういうところがいっさい見受けられない。「よくやったなぁ」という部分を作れないなら、仕事変えたほうがいいよ。
「君たちは滅びゆく種族なんだよ」とか上から目線で唐突に言われたくないっ。あのへんは「ゲド」の残滓ですか。
一番よかったのは「ちょっとだけ見せてよ」……。なぜ、その路線を進めなかった。劇場の子供たちが笑っていたのは、ばあさんの行動。
「君は滅びゆく種族だ」とか最後で脚本的根拠もなく、「君は僕の心臓の一部だ」とかいってたのは、「ゲド戦記」の脚本家の仕業だったか。お前が滅びろ。
脚本の丹羽圭子って、たしか、徳間書店のアニメージュ編集部にいた人だよね。
07月21日
「恐怖」
いやはや、よくこういう映画をお作りに。
怖いシーンやきれいな女優が堪能できるけれど、途中から詰め将棋を見てる気分になった。
やっぱりこの手の映画でもなんらかのカタルシスがほしいんだよね。下手なことをいうとこわいひとがいろいろいいそうだけど、そういうサークル仲間の映画だった。
きわめてまじめな映画とは思いました。
ただ、片平なぎさはこわい。前半は彼女の存在だけで、マッドサイエンティストものの傑作になる予感はあった。
片平なぎさはスチュワーデス物語のころから怖かったわけだが、それを再確認させてくれた。
07月22日
「瞬 またたき」
切株映画と聞いて、地元シネコンの最終日に駆けつけたが、朝からすごいものを見ました。まさに衝撃の3分間。
よく知らないがきっと携帯小説とかが、原作なんだろう。つっこむことが徒労に思えるひどい話だけど、嫌いじゃない。切株シーンでは興奮して笑いたくなったけど、横でJCが嗚咽してたので、我慢した。
ネタバレになるが最後に出てくる菅井きんがすごい。出雲大社で唐突に登場。北川景子に死者と会える黄泉への坂道の存在を告げる。そのまま北川景子がいってみるとほんとに死んだ恋人と話ができちゃうのだ。
精神疾患への偏見を助長する台詞の数々、実際の患者を異常者としてあつかうシーン、弁護士報酬に関する誤解、そして切り株と、テレビでは放送できない内容がたっぷり。
大塚寧々やその妹の熊本弁がすごかった。左門豊作を越えたと思ったよ。大塚寧々の妹は訴えたいことがあると同じ台詞を4回ずつ繰り返す。
「姉ちゃんに会いたか。姉ちゃんに会いたか。姉ちゃんに会いたか。姉ちゃんに会いたか」と、小樽の街角で同じトーンで4回繰り返したり、「痛か、熱か、痛か、熱か(以下同)」4回繰り返したりしてました。
[ネタバレ] 岡田将生と北川景子はニケツでバイクに乗っているのだが、バイクがまっすぐダンプにぶつかる直前。運転していた岡田将生は上半身を百八十度回転させ、北川景子の体を守るように抱く。エクソシストは首だけ回ったけれど、「瞬」は腰から回る。
[ネタバレ] 切り株シーンはとにかくすごくて、バイクとダンプの衝突事故に遭ったあと、脊柱損傷し、倒れている岡田将生の上半身を北川景子が無理に起き上がらせつつ、指が三本失われていることを確認。急いであたりを見回したところで、落ちた指二本を発見。
[ネタバレ] 脊柱損傷した岡田将生を揺らしながら、這って三本目の指をひろってくる北川景子。彼女も負傷しているが、指を岡田将生の切株にくっつけようとする。これ実際に指も切株も見えるんだよ。たぶん、岡田将生を殺したのは、北川景子だろう。
07月25日
「SR サイタマノラッパー2」
川越スカラ座の音響がライブ過ぎて、結構な量の音声が聞き取り憎いのが致命的だった。
クライマックスのラップは感動的でここを聞くだけでももとはとった感じだが、設定を女性ラッパーたちにしたためか、前作にあった袋小路にいる自分の焦燥感がなく、トラブルは自分以外のところばかり。
考えてみれば故TKD先輩の存在は大きかった。それが影絵となった時点で、話が平板になってしまった。
ご当地ものでいくのなら、その香りがもうちょっとほしい。結局、群馬らしさって、こんにゃくとライムのなかのかかぁ天下だけ?
チャーミングな佳作だし、女優陣は素晴らしいんだけれど。
07月26日
「エアベンダー」
俺だけの意見だが、アリエッティよりおもしろかった。
冒頭でニッケルオデオンが共同製作とわかり、ものすごく嫌な予感がしたのだけれど、それほど悪くはなかった。SFXはILMだがまあ、それなりのもの。火の国の軍艦など、ものすごくおいしいデザインなのだが、あんまり活躍しなくてもったいない。
それにしてもシャマランは、こういうエピックのツボを外しまくっている。設定やシチュエーションで面白そうなところをきちんと演出せずに投げっぱなしで、もったいない。もっと「ためなさい」とか、「ふりなさい」とか、いいたくなる。東映特撮の監督にでもやらせたほうがいいよ。
いま調べてみたら、原作がそもそもニッケルオデオンのシリーズなのね。それじゃあ、しょうがない。
主人公の子役がブラックホールなのはたしか。ストーリーがたくさんあるのに、キャラクターの葛藤がきちんと描かれていないから、対岸の火事のように見える。
火の国の亡命王子が、シャマラン本人に見えてしょうがなかった。また、こんなに出ていやがる。まあ、「スラムドッグ・ミリオネア」の人なんだけどね。
王子役は当初、ジェシー・マッカートニーだったのか。それはやめて正解。
世界マーケット的にはぎりぎりリクープできるくらいなのかな。どっちにしても続編は難しそうだ。
07月28日(水)
★「ぼくのエリ 200歳の少女」
すばらしい作品だったけれど、ボカシ問題はたしかにひどい。映画の意味を変える暴挙だ。
作品を見たあとではタイトルも不満。興行的うまさはあるかもしれないけど、ミスリードがひどい。
時代設定とキャスティングは絶妙。少年にくっきりフォーカスした作りもよい。いくつか唐突にしか見えないところもあるが、好感が持てる。
たぶんフライトナイトあたりから始まったあの演出はそろそろ終わりにしてほしい。


