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【映画2011】2011年3月鑑賞映画

 ツイッターで、この時期鑑賞した映画へのつぶやきをまとめて追加しました。タイトルに星をつけたものはおすすめです。

 鑑賞映画:【悪魔を見た】、【イップ・マン 序章】、【イップ・マン 葉問】、【ナルニア国物語 アスラン王と魔法の島】、【ザ・タウン】、【しあわせの雨傘】、【シチリア! シチリア!】

2011年03月01日(火)

【悪魔を見た】
 力づくで暴力的に、復讐と暴力の虚無感を伝える作品。だれひとりとして感情移入できないし、現実にこんなことがありえるとも思えない。いやはや。

 ゴア対ゴアの闘いというか。怪獣映画のようでもあった。すばらしく楽しくないエンターテインメント。目で見る痛い合戦。

 いろんな意味で、この発想はなかったよ。クライマックスで殺人鬼、すがすがしくかっこいいと、うっかり思いそうになって、反省したよ。

退屈はしなかったのだが、無敵の国家情報院捜査官、イ・ビョンホンと、あらゆる復讐を受け止める殺人鬼、チェ・ミンシクとのルールや目的があまりに大雑把というのが、困ったところ。

 恋人を殺した殺人鬼を殺さない程度に苦しめたあと、解放していたぶるという繰り返しで復讐をするという流れ。作者が意図した「復讐の虚無感」を表現するために、映画そのものが振りまわされている気がした。

 

 「冷たい熱帯魚」をしのぐ描写というけっこう期待したのだが、映画としては「冷たい熱帯魚」のほうがずっとおもしろい。

 イ・ビョンホンの復讐にとらわれたあまりの狂気を描いているというけれど、捜査員としての特殊スキルや秘密道具はあるものの、無駄に行動力があるだけで、復讐の狂気があるとは思えなかったよ。

 復讐の泥沼とそれを受け止める敵という点では、「ミレニアム2」の無痛症の大男との対決のほうがずっと映画的でおもしろかった。

 好きなところは、殺されたりとか、やられたりとか、いたぶられたりする女性たちが、バリエーション豊かに美しかったこと。

 バランスの悪い怪獣映画か、うまく回ってないときのFMWのデスマッチみたいだったよ。


「イップ・マン」二部作連続鑑賞
 もう胸が熱くなってたまらない。すごい

 

 いいなぁ。1と比べたら2はロッキー4なんだけど、それでも満足。人として、男として問答無用。

 とにかく「序章」がすばらしい。いろいろと「伝説」は入っているのだけれど、キャラクターやプロットが時代背景の中でみごとに機能している。

 一作目の「序章」にくらべると二作目の「葉問」は、強引な部分が目立つ。しかし、サモハンの圧倒的な存在感のおかげで、愛すべきとしか言いようがない作品になっている。現実と気高さの板挟みで苦悩する姿は、たまらない。

 音楽がほんとうにいいのだ。日本人音楽家がこれだけの仕事をしてるのなら、「序章」での日本軍の設定にも文句は言わない。

★【イップ・マン 序章】
 家に帰って調べたら、かなりの創作が入っているようだけれど、それがすべて許せるのは、時代の中でゆるがぬ「理想」を描いているため。なにより、戦前から戦後へとつながる時代をも悠然と語るリズムもいい。

 イップ・マンの奥さん役の熊黛林(リン・ホン)のツンデレぶりもええですなぁ。 http://fotolog.cc/t454vn3

★【イップ・マン 葉問】
 映画作品としては1作目ほどではなくとも、この映画がチャーミングなのは、拳という言語でのコミュニケーションそ徹底させていること。それは中国拳法だけでなく、対ボクシングでも見せてくれた。その饒舌なやりとりはそれだけで陶酔を誘う。ずっと見ていたかったよ。

2011年03月03日(木)

★【ナルニア国物語 アスラン王と魔法の島】
 ディズニーからフォックスに移り、「朝びらき丸 東の海へ」から「アスラン王と魔法の島」に改題され、懸念されていたが、驚くべきことに三作でいちばんバランスがとれた完成度になっている。

  

 アルゴ探検隊以来、きわめてオーソドックスな、海洋冒険ファンタジーだが、やるべきことをきちんとやっているし、ユースチスのキャラクターを原作のエッセンス通り活かしているので、爽やかな成長譚となっている。

 3Dは2D撮影で後付けされたものだが(プロセスはView-D)、効果を抑えるシーンとダイナミックなシーンのメリハリをつけており、好印象。3D変換のノウハウがたまってきたことを実感できるクオリティ。

 原作から大きく変えているという話を聞いていたが、きちんと抑えるべきところを押さえている。個々のエピソードは駆け足気味だけれど、全体のバランスがよいので、楽しめる。もうちょっと尺がほしかったけれど、難しい注文だろう。

 うしろに座っていた親子連れ。その小学生くらいの女の子が、明るくなった劇場で満足そうに「3Dってすごいね」といっていたけれど、今回はよいお話のよい3Dだったから、よかったね。

 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズから、デヴィッド・アーノルドに交代した音楽もよかったなぁ。CGの多いファンタジーでマイケル・アプテッドって、どうなんだろうとも思っていたけど、よかったよ。

2011年03月04日(金)

★【ザ・タウン】
 よくできた映画だなぁ。ボストンを舞台にベン・アフレックが監督主演した作品。銀行強盗が家業の家族に生まれ、銀行強盗が有名産業の街でもがく男のドラマ。彼をとりまく縛りがシナリオの中にたくみに織り込まれ、きりきりともがく姿が狂おしく描かれる。

  

 娯楽作品としてもよくできている。3回登場する強盗シーンのディテールにこだわった説得力はエキサイティング。その場にいて強盗をしているかのような臨場感がある。

 ジェレミー・"ハート・ロッカー"・レナーの血の気の多いキャラクター演技も抜群だ。彼から生まれるひりひりした感覚が、映画全編を覆っている。故ピート・ポスルスウェイトの存在感もいい。

 ただし、ボストンを舞台に犯罪社会の桎梏から抜けだそうとする姿を描く作品としては、「ミスティック・リバー」が燦然と輝いているのだが、あの空気感にはまるで及ばなかったのが、気になるところ。よく作りこまれたシナリオが逆にきれいすぎ、ベン・アフレックが男前すぎる。

 なによりも主人公がきれいすぎるのが気になる。セッションに出かけるシーンもあるのだが、父親や社会など、自分の外的な汚れの描写は多いものの、地震の内的な汚れ、狂気が見えないので、ちょっとかっこつけすぎだろうとも思ってしまう。

 とはいえ、ほんとうによく作られた作品だ。28分長いという全長版も見てみたいし、ベン・アフレック監督の次作も楽しみ。

2011年03月08日(火)

【しあわせの雨傘】
 1977年のフランスの田舎の町を舞台に、ブルジョア女性が社会進出する様子を扱った軽やかなコメディと思っていたら、最後にえもいわれぬ感動がおしよせてきて、心豊かに劇場をあとにできた。すばらしい作品だ。

  

 オリジナルは舞台劇だったそうだが、構成や演出も舞台的だ。全編、セリフが途絶えることはない。67歳のカトリーヌ・ドヌーブが主演。もう圧倒的な女優力で目を逸らすことができない。

 良妻賢母として、家の飾り壺のようなブルジョア主婦が、労働運動がさかんな時代に、デモで突き上げられた工場主の夫のかわりに、工場を再生させるというのがストーリーだけれど、なんというか、そのブルジョア主婦がハンサムなのだ。かっこいいのだ。

 冒頭のジョギングシーンで森ガールか不思議ちゃんみたいに思わせておきながら、いざ、現場に出ると、バランスをとって切りまわす。母であり、妻であり、女性であることも現役で。シンプルなコメディのように見えて、周到な展開もあり、クライマックスにはものすごいカタルシス。

人間に対する洞察と希望から生まれる豊かさは、ほんとに胸をうつなぁ。

2011年03月09日(水)
★【シチリア! シチリア!】
 楽しかった! ジュゼッペ・トルナトーレ監督の十八番ともいえる舞台、登場人物、時代。そして、眩暈を加速させるようなエピソードの凝縮のおかげで、濃密な2時間半を堪能できた。すばらしいオープンセット、すばらしいカメラワーク、すばらしい編集。

  

 ファシスト党の台頭から現代までを通じたドラマだが、ノスタルジーはむしろ感じない。いまの延長線としての家族の姿をみっちりと、切ない距離感とともに描いている。

 ある小さな家族の叙事詩だが、過剰な感傷はなく、一生を年月を走馬灯のように見せる工夫の中で、美しく描かれている。見た人の多くと同じ感想になるだろうが、人生はまさに邯鄲の夢。

 まあ、この監督らしいというか、女優は今回も最高だった。マルガレット・マデ! モデル出身でこの一作しか映画出演はないのだが、すばらしく美しい。授乳おっぱいが見られて、眼福でした。

 オープンセットはチュニジアに建てられたそうだが、世が世なら、革命の影響もあったかもしれない。

※こちらのエントリーもどうぞ。

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