« ローマはひどい雨だった | メイン | 海の上の忙しい一日 »

【海外旅行】セレブリティ・イクノスに乗船!

 ローマ市内観光はさんざんな雨であったが、今回の旅のメインはクルーズ旅行である。バチカンでしっかり手を合わせたし、きっと、これからの旅は恵まれるだろう。信じるしかないのだ。

 バスはローマ市街地をあとに、チビタヴェッキアへ。

 チビタヴェッキアとは変わった名前だが、「古代の街」を意味するという。ローマの五賢帝時代に整備されて以来、ローマの外港として発展。

 日本とも縁がある。支倉常長の慶長遣欧使節団が上陸したのはここで、出港地、石巻とは姉妹都市になっている。町には日本通りがあり、支倉常長の銅像もあるというのだが、そういうところはいっさい見ずに、客船ターミナルへ。

rome
船が見えてきた

 客船ターミナルといっても純粋にでかいテントである。バスのトランクに預けた荷物はそのまま部屋まで運んでくれるというので、ここで乗船券、パスポート、クレジットカードを提出する。乗船券といっても、切符然としたものはない。

cruiseticket.jpg

「GUEST TICKET BOOKLET」というA4の紙の束の一部にサインや必要事項を記入し、それを2枚ほど剥ぎとられるだけだ。

rome

rome
客船ターミナルへの行列

 パスポートは引換証と交換に預けさせられる。預けるかどうかはクルーズの行程にもよるらしいが、S岡さんの話によると、今回はトルコ訪問があるので、一括して預けさせられたのではないかという。パスポートの返却は船がイタリアに戻るころだった。

 さらにクレジットカードの登録。これは海外でホテルに宿泊するのと同様のプロセスだ。

 チェックインが完了するとシーパスカードという磁気カードを渡される。これがクルーズ旅の万能カードになっている。

seapasscard.jpg

1)ルームキー。
 船室(stateroom)のキーになっている。

2)財布
 船内での飲食や買い物のすべてがこれで精算できる。カジノでは現金も引き出せる。決済はすべて米ドル。ドル安の恩恵をヨーロッパで受けられるなんて!

3)IDカード
 乗船・下船の際はこれで管理される。船のボーディングゲートにはカードリーダーが設置されており、このカードを通さなければならない。寄港地で何かあったときはパスポートがわりの身分証にもなる。

 現金いらずで最後に精算というのは、健康ランドの精算システムに近いのだが、IDがわりになるというのは、すごいと思う。

 JTBなどのツアー旅行に参加すると、特製パスホルダーをもらえる。このホルダーのおかげで、船内で日本人客がすぐわかったりするのだけれど、ホルダーがあると、ほんとうに便利なのだ。

 チベタヴェッキアで最初に乗船したとき、その場でデジカメで顔を撮影される。これがシーパスカードと関連づけられる。すべての寄港地でこの画像をつかい、セキュリティチェックするのだ。

 それにしてもでかい船だ。

rome
セレブリティ・イクノスの勇姿

 この手のクルーズ船は船の上にティッシュボックスが乗っているようだと表現されることが多いが、まさにそんな感じである。

 デッキ数(階数)は15。エレベータ表示などには16とあるが、13階がないので、実数は15階建てだ。(船内において階数表示は正確ではなく、デッキ名で表示するようだが、めんどうなので、このブログにおいてはすべて階数表示にする)

 船名はCerebrity Equinox。Cerebrityはセレブ(有名人)という意味だが、セレブリティ・クルーズという会社の船であることを示す。Equinoxとは、日本語では耳慣れないことばだが、春分や秋分など、「昼夜平分時」のことである。春分はspring equinox。秋分はautumn equinox。ちなみに小津安二郎の「彼岸花」は「Equinox Flower」と訳されている。

 つまり、Celebrity Equinoxって「セレブのお彼岸」って意味? それだとあまりにもしょっぱいね。

 equinoxの発音は"イークワナクス"くらいなんだが、日本語のパンフレット等では「セレブリティ・イクノス」と表示されていることも多いので、これからは「セレブリティ・イクノス」や「イクノス」と表記することにする。

シップデータ
総トン数 : 122,000トン
乗客定員 : 2850人
乗組員数 : 1246人
全長 : 314m
全幅 : 36m
喫水 : 8.2m
巡航速度 : 24.0ノット
就航年 : 2009年8月

 大きさの比較でいえば、東京駅丸の内駅舎(長さ335メートル)がそのまま、15階建てになったサイズを想像してくれるといいだろう。戦艦大和のほぼ2倍の大きさだ。排水量比較なら、原子力空母より大きい。

 今回の乗客は2847名。乗組員は1228人だという。

 ちなみに有名な「クイーン・エリザベス2(2008年退役)」は7万トン。ただ、客船の評価は大きさだけで決まるものではない。また、カリブ海には22万トンクラスのクルーズ船があるという。どれだけ大きいものやら。

 就航してわずか2年の新造船であり、セレブリティ・クルーズ社の持つソルスティス・クラスの船としては、2隻目である。ソルスティスクラスは2012年に5隻目が就航する。

 セレブリティ社はアメリカ・フロリダ州マイアミに本社を置くクルーズ会社だ。そのフリートには12隻のシップが名を連ねている。

 旅行ガイドなどではクルーズ会社は大きく分けて三つのグレードがあるといわれる。

 比較的短期間のクルーズが多く、フレンドリーなサービスを楽しむ"カジュアルクラス"。1週間から2週間のクルーズが多く、リッチで新しいサービスを楽しむ"プレミアムクラス"。そして、世界一周や数カ月におよぶロングクルーズが多く、最高級のサービスを楽しむ"ラグジュアリー・クラス"。ちなみにこのクラス分けはJTBのパンフレットのものだ。

 セレブリティ・クルーズ社のクラスはプレミアムの上なのだそうだが、新しさと贅沢さが同居している。ラスベガスやニューヨークの最新のホテルのような感じだ。ゴージャスではあるけれど、けして重すぎず堅苦しくもない。

rome
船内のいたるところで生演奏。

 海にいることを忘れてしまいそうというのは大げさだが、各所に吹き抜けの構造などをふんだんに使いながら、閉塞感を感じさせない作りになっているのは、すばらしい。

 われわれの船室は9階にある。入れるものなら、すぐに入ってみたいのだが、実際に9階フロアにいってみると、客室に通じる廊下のドアは閉ざされている。出航前の部屋の準備ができていないようだ。

 昼食も食べていない。14階船尾にある「オーシャンビュー・カフェ(Oceanview Cafe)」にいく。見晴らしもよいここは24時間営業だ。朝・昼・晩・夜食時はバフェスタイルで、食事を提供している。

rome
オーシャンビューカフェの座席の一部。中はかなり広い

 船内の食事は一部のスペシャルティ・レストランを除くとすべて無料だ。「オーシャンビューカフェ」だけではなく、オープンデッキにある「マストグリル (Mast Grill)」というハンバーガースタンドで、自分ごのみのハンバーガーをオーダーしても無料だ。

 このあたりのサービスはオールインクルーシブといわれるクラブメッドのサービスに近い。

 ただ、アルコール類すべてとミネラルウォーター、生搾りオレンジジュース、エスプレッソなどのスペシャルコーヒーなどは有料となる。

 ちなみにラスベガスなどのカジノでは、プレイ中の酒はカクテルガールへのチップを払うだけですむのだが、ここのカジノではシーパスカード(前述)の提示とサインが必要だ。カジノに通っているうちに、顔を覚えられ、シーパスカードを出さなくてもすぐに伝票を持ってくるようになったけどね。

 バフェの料理は当たり外れはあるものの、ラスベガスのバフェの中の上くらい。ただ、サービススタッフの数はすばらしく多く、料理がいつも清潔に美しく並んでいるのがすばらしい。清潔さへの配慮は特筆すべきものだ。

rome
オーシャンビューカフェでは、時間帯によって料理がちがう。夕方からは寿司もでる

 こういうシステムのせいか、少々の持ち込みをしてもとがめられない。紅茶などを淹れるためのお湯もあるので、日本から持ってきたカップ麺を食べている人もいたよ。また、スタバのような紙コップ、スリーブ、プラステックの蓋も用意されているので、食後、コーヒーを持って客室にもどってもいい。

 また、豚インフルエンザや病原性大腸菌予防のためにカジュアルレストランからスペシャルティレストラン、カクテルを提供するシアターにいたるまで、あらゆる飲食提供スペースの入り口にアルコール除菌剤のベンダーがあり、繁茂時には専用のスタッフまで立たせて、入場するゲストひとりひとりに声をかけながら噴射。こうして手指の衛生に気をつけさせているのは感心した。

rome
ジェル状のアルコールが噴出される

 たしかに閉鎖空間の船内で、食中毒などが発生したら大変なことになる。このあたりをきちんと正直にやるところは、アメリカのきちんとした会社らしいところだ。

 日本だと同様の騒動があったとき、スーパーや飲食施設でアルコール除菌液を店頭に置いただけだったからね。

 最終乗船時間は午後3時30分。その時間くらいまで、昼食をとったオーシャンビューカフェでのんびりしてから、自分の船室にむかう。船室は右舷前方。レストランの多くは後方にある。結構歩くんだよね。

rome
客室全景

rome
多機能な液晶テレビはアームでベッドの方に向けられる

 部屋はけして広くはないが、陸のホテルではない、船だからね。

rome
ベランダ。窓の外にはチベタヴェッキアでこの船に資材を運んできたコンテナが見える

 海側にきちんとバルコニーがあるのがすばらしい。バルコニーにはテーブルとデッキ・チェア。夜になって、寒いのもおかまいなしに、ここでキーボードを叩いたりしましたよ。広めのバスルームにはバスタブはなく、シャワールームのみ。ジムに行けばサウナもあるし、プールの横にはジャグジーもあるけど、やっぱりバスタブでのんびりしたいのが日本人だ。

 大きな浴槽につかりたくて帰国後すぐに「庭の湯」にいったりもした。

 トイレがちょっとおもしろくて水洗なんだけど、飛行機のトイレのようにものすごい勢いで、吸い込まれる。水を節約するためなのだろう。

rome
バスルーム

 船室にはスーツケースも届いていた。早速荷解きだ。ハンガーもたっぷりあるし、スーツケースの中身を空にできる。これってじつは船旅の最高のメリットだ。いくつもの町を回ってもいちいち荷造りや荷解きをする必要がない。

 一都市滞在型の旅のように、複数都市を回れる。

 また、客室係(キャビンスチュアード)も滞在中、ずっと同一スタッフなので、ルームサービスやクリーニングなど、意思の疎通もはかりやすい。

 クリーニングは朝出せば、翌朝仕上げ。午後以降は中一日で仕上げてくれる。それを考えて旅支度をすればいいだろう。

 船内でけたたましく警報とアナウンスが入る。午後4時15分から避難訓練があるのだ。これが乗客参加必須のイベントになっているあたりが船旅だね。

 船客全員が所定の一時集合場所に集まる。ぼくらは一時集合場所がどこかは、船室ドアなどに書いてある。ぼくらは「A2」ということで、「イクノス・シアター(Equinox Theater)」の2階バルコニー席上手側だ。

 リストで名前をチェックしてもらい、席について非常時の避難法の説明を受ける。といっても各国語での説明映像を見せられるだけなんだけどね。緊急時の移動。救命胴衣の付け方。ライフボートへの乗り方など。訓練(Emergnency Lifeboat Drill)と言うより講習という感じか。この避難訓練にもし参加しないと、翌日、呼び出されることもあるそうだ。

 ここの説明でもそうだが、船内の共通語は英語だ。自分がいままでヨーロッパを訪れなかったのは、知らない言語を話されるのに戸惑いそうだから……というのが理由のひとつ。しかし、寄港地のイタリア語でもギリシャ語でもトルコ語でもなく、英語中心の世界なら、アメリカとそんなに変わらないで楽しめる。

 その後、船内を歩きまわってみる。レストラン各種、クラブ、カジノ、免税店を含むショッピング街など、ラスベガスのホテルを凝縮したような感じだ。これはちょっとした町だね。

rome
なんと芝生のスペースも広がっている

 船が停泊中はショッピングもカジノもクローズされている。法律も税金も寄港地のルールに従うので、仕方ないね。

rome
プール。昼間になると人も増えます

 免税店にはちょっとおもしろい酒もあったのであとで聞いてみたら、購入したものをその場で手渡されるわけではなく、最後の下船前に客室に届けられるのだそうだ。なんだ、部屋で飲みたかったのに……。

rome
出港です。陸上に見える白いかたまりが、チェックインをしたターミナル。

 出港は午後5時。楽団が大騒ぎするわけでもなく、紙テープが風になびくわけでもなく、静かに船はチビタヴェッキアを出港した。日本丸や飛鳥などの世界周航クルーズでは横浜出港時、楽団、紙テープのフル見送りなのだけれど……。

 夕食は午後6時15分。ドレスコードはスマートカジュアル。場所はメインダイニングの「シルエット Silhouette」。


 この船でのディナーの選択肢は3つある。席固定のメインダイニング、要予約のスペシャルティレストラン、そして、オーシャンビュー・カフェなどバフェだ。どれを選んでもいい。

 メインダイニングは午後6時15分開始と午後8時45分開始の2回まわし。クルーズ中、客ごとに座席は決まっている。

 ドレスコードにしたがって身支度をととのえ、毎晩、いつもの席につき、いつものウェイター、いつものアシスタントウェイター、いつものソムリエの接客を受ける。

 ぼくらの席付近は、日本人ツアー客がまとまっており、ぼくらのグループ以外にもHISのクルーズアイランドなど、ふたつの日本人グループがいた。

 ちなみにぼくらのグループは、ほぼ毎回メインダイニングで食事をとっていたが、ほかのグループはバフェなどにいくことが多かったようだ。

rome
メインダイニングのメニュー。なんと添乗員さんの手で日本語が書きこまれている。左側にあるのは航海中かわらないアラカルト。右にあるのはその日のスペシャルプレート。

 メインダイニングでは、フレンチのフルコースディナー。驚いたのはサービスのよさだ。オーダーしたものの口に合わず食が進まない皿があるのにウェイターが気がつくと、皿ごと別の料理に変えてくれたりするのだ。

rome rome

 さすがに二週間であれば、ウェイターやソムリエなどとはすっかり仲良くなる。ウェイターが英語を理解してくれるのが、ぼくだと分かると、食べていない客に「どの料理なら食べられるのか。そっちに代えるので伝えてくれ」などと、通訳をさせられる。ソムリエはソムリエで「日本語でYou're welcomeをなんというのか」などと聞いてくる。

rome rome

 日本人からは「もう食べられない。ほかの料理なんていらない」と言われると、それをまた訳すことになる。日本人は「これ、美味しくないから、いらない」というのだが、それをそのまま訳すわけにもいかない。料理が進まないと、かれら、ほんとうに悲しそうなんだよな。なんだか忙しい。

rome

 一度、アシスタントウェイターに母が箸をお願いしたら、その後、母が席に付くたびに箸を持ってきてくれるようになった。

 いろんなところで仲よくなり、情がわくクルーが増えてくる。そういうのも船旅のよさだ。というか、クルーズの旅の良さは船というハード面よりもそれを支えるクルーの温度にあることが、今回わかった大きな収穫だ。

 ワインリストは充実している。値段もリーズナブルだ(円高のおかげ)。ボトルを飲みきれなくてもソムリエが翌日のディナーに持ってきてくれる。クルーズ中、ひとりでワインを4本開けたけれど、日本で飲むことを考えたらとても安い。

rome
最初に頼んだワイン。33ドルプラス15%のサービス料

 ディナーはオードブル、スープ、サラダ、メインディッシュを選べる。おもしろいのはなにを何皿食べてもいいってことだ。

 メインディッシュの二品をどっちにするか、選びきれなければ、スープとメイン2品という組み合わせにもできる。もちろん、値段はまったく変わらない。隣の席の料理が美味しそうなら、それを追加で頼んでもいい。船の中ではつねにこういった胃袋との格闘がある。

 ドレスコードも心配になるが、スマートカジュアルの日など、きちんと襟のついた服とサンダル以外の靴であればOKだ。また、フォーマルの日など、ダークスーツに、ちょっと明るめのタイなどを組み合わせればいい感じ。

 そのあたりもアメリカな感じだ。極度に不快な姿でなければ、自分が楽しむためにそれなりのおめかしをすればいいって感じ。○○でなければいけない。○○でなければ、拒絶されるって考えすぎる必要はない。

 食事のあと、カジノにいってみた。中央にクラップスがあるところは、アメリカンなカジノだなぁ。ルーレットが2台。ブラックジャックが3テーブル。ワンデッキブラックジャックが1テーブル。ミニバカラが1台。3カードポーカーが1台と、スロットマシン各種。

 ラスベガスの小さめのホテルのカジノくらい。レートも低めだ。シーズンにもよるのだろうが、ものすごく賑わっているという感じではなく、ゆるくまったりしている感じ。

 ミニマム10ドルのブラックジャック(ソフト17)に100ドルでインして、200ドルになったところでアウト。先述のようにカクテルにお金はかかるけど、まあ、そんなに高くない。

 カクテル類はだいたい7ドルから10ドル前後くらい。円高を考えると、新宿の安い店よりも安いくらいの値段だ。成田の免税店で焼酎を買う必要なんてなかったな。今回は母同行なので、飲んだくれることもなかったけど、場合によっては、そういうのも楽しかったかも。

 メインダイニングの2回まわしの食事に合わせて、メインのイクノスシアターでのショーも2回まわしだ。初日はウェルカムナイトということで、エンターテインメントを統括するクルーズディレクターのキュー(Que Hundermark)さん司会で、船のエンターテイナー4組を紹介するショーだった。

 そして、雨のローマの朝から長かった一日が終わる。

rome
目的地はミコノス島

※こちらのエントリーもどうぞ。

« ローマはひどい雨だった | メイン | 海の上の忙しい一日 »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

                

最近のエントリー

カウンターetc

人気ブログランキング - ゲームの王道 atom rss2.0
total カウンタ:today カウンタ:yesterday カウンタ

Pagerank/ページランク

人気記事ランキング

Google Adsense