「シェンムー」発表会は横浜で!
ほぼ一時間程度眠ったあと、
朦朧としながら、サンデー編集部I氏と桜木町へ。
クリスマス直前でにぎわう
ランドマークタワー、クイーンズスクウェアの喧騒の中をつっきり、
パシフィコ横浜へ。
あの「バーチャファイター」を生みだした
鈴木裕が率いる
セガ・エンタープライゼスのAM2研の最新作、
「シェンムー」の製作発表会だ。
あの「VF」がRPGになるという噂は
業界のいたるところで聞こえていたが、
その全貌が
一般の目に明らかになるはじめての機会だけに興味しんしん。
印象的なオープニングクリップが
舞台両脇の大型スクリーンに投影されたあと、
前方のオーケストラピットから、鳴りはじめるメロディ。
いやはや40人超のメンバーが生で、
演奏する製作発表会なんて前代未聞。
力が入っているなぁ。
さらにボーカルのお姉さんが、テーマソングを歌ったあとで、
ストーリー&テーマ紹介クリップが
第三の曲とともに流れ始める。
テキスト中心に構成されているクリップなのだが、
いただいたパンフレットにあるその全文があった。
人と人が織り成す物語は、一つではない。
突然訪れた深い絶望、湧き上がる悲しみ。
そして、決意。
西へ、まだ見ぬ国へ少年は旅立つ。
冒険が始まる、誇り、不安、期待、そして裏切り。
未知の世界が、少年を飲み込もうとする。
不思議な少女との出会い。
二人を包み込む悠久の大地、新たな勇気が芽生える。
愛すべき者、運命の時、命をかけた戦い、仲間、友、そして愛。
愛が瞬いたような気がした。
麻痺していた心に、何かが少しづつ(原文ママ)流れ込んでくる。
もう、ひとりではない、新たなる旅立ちが始まる。
愛すべき友をもて
正直にいって、内容、表記ともに、
いやぁな感じのする文章だった。
ふだん書きなれていない人が、書いてることが、わかる。
ちょっぴり悪い予感。
で、司会は(なぜか)千葉麗子さんと三枝成彰さん。
さらに鈴木裕さんが加わり、
何本かのビデオクリップとともにゲームの説明。
とにかく印象に残ったのは、鈴木裕さんの「超リアル志向」だ。
イベントやキャラ劇などの「見るだけ部分」と
操作可能な「ゲーム部分」が
すべて実機上でアクティブかつシームレスにつながっていることで、
フルインタラクティブ感を強調している。
たしかにプリレンダリングのマップや
JPEGムービーでは味わえないアクティブなパース感は特筆もの。
しかも肉屋の肉、ばくち屋のさいころ、丼、酒ビンなどなど、
種々のオブジェクトが緻密にモデル化され、
舞い散る落ち葉や、野良犬などにつけられた
モーションの豊富さによって、
ライブ感は圧倒的なものになっている。
さらにポイントは全編字幕なしのフルボイスだったこと。
場合により、YES/NOなどの選択肢こそ、
画面に表示されるものの、
あらゆる選択肢に応じて、
主人公と会話対象者とのメッセージが
フルボイスで、流れるのだ。本当に驚いた。
そんな気の遠くなるようなことをよくぞやり遂げた!
(ちなみに、せがた三四郎こと、藤岡弘さんも出演)
これなら、当初、ぼくが感じたテキストへの違和感も払拭される。
存在しないテキストに文句を言う筋合いはない。
特殊な場合を除き、カメラ位置や移動中の画角は
現実の人間のものと近い。
また、リアルタイムに朝・昼・晩・夜……と時間が経過し、
晴れ、小雨、雨、雪、豪雪と天候も可変。
雨が雪に変わっていくことも可能だし、
太陽の位置によって、影の長さも変化する。
おまえけにリアルさの追求のために、
劇中登場する九龍砦には、1200もの部屋があるという。
(ただし、ストーリークリアのために訪問すべき部屋は
そのうちの数%程度だそうだ)
その画像も一部公開されたが、
ゲーム中、実際に使用可能だという小道具、
電話やテレコのディテールまでたいしたもの。
登場するキャラのモーションは当然、
AM2研ならではのリアルさだし、
顔の表現に相当なポリゴン数をさいている。
さて、問題はイベントや戦闘に
QTE(QuickTimeEvent)とやらが、採用されていること。
敵を追いかけるなどのイベントが始まると、
上方向や、右方向、さらには、AやBなどのアイコンが
画面中央に表示される。
これをSEのタイミングに合わせて、押していくというシステムだ。
戦闘も同様。
マップ上で複数の敵を相手に、
表示されたボタンを連続入力していくことで、やっつけていく!
ただ、これって、「パラッパラッパー」システム……。
いや、「タイムギャル」などでおなじみの
LDゲームシステムじゃないか?
(これって禁句?)
なにをもってRPGというかはともかく、
これは、いわゆるRPGってやつじゃない。
セガさんはジャンル:
FREE(Full Reactive Eyes Entertainment)って
いってるけど……。
鈴木裕さんは6歳の自分の息子でも遊べるゲームにしたいと
おっしゃっていたが、
チューニングでもその志向性を出してくるつもりだろう。
(つまり、比較的、簡単な操作で楽しめるってこと)
それにしても、よくぞここまで、思い切ったといえる
インターフェイスだ。
しかし、3年におよぶ製作期間の中で、
考え抜かれた結論なのだろう。
単純なボタン押しゲームには、きっとしないんだと思う。
圧倒的な世界を簡単な操作で、
ゲームとして提供するというその大胆さには
頭が下がる。
あと、ひとつ気がかりだったのは
アジアを表現する上で欠かせない要素……。
群集の雑踏が感じられなかったこと。
これはポリゴン表示量の制約もあり、
簡単ではない問題だろう。
ただ、今後のライブラリィの充実にともなって、
改善が可能な問題かもしれない。
(すでに、できていたりして……)
とにかく、圧倒的な映像だ。ぼくの眠気も吹っ飛んだ。
「シェンムー」には、本当に期待しているのだ。
ポリゴンゲームの先駆者、AM2研が
一方の雄、スクウェアとは違った方法論をもとに、
大量の人的資源を投下して、見せてくれる
新世界を心の底から、楽しんでみたい。
なんか、まじめな日記になってしまった。
ううう……、柴尾なのに……。