女房がいない一日は……
外出せずに、家にいる一日。
仕事をしたり、本を読んだり、LDを見たり……。
ひとりで自分をとりもどす一日。
映画でいえば、こんな日は新作を観る気がしない。
カレーやラーメンなど、やたらと食いたくなる日があるけど、
映画にしても、やたらと観たくなる作品がある。
きのう、さくまさん、原口さんとお会いしたとき、
何度も繰り返してみる映画の話をしてたんだけど、
そのせいかもしれない。
「ライト・スタッフ」、「ゴッドファーザー完全版」、
コッポラの「ドラキュラ」、「地獄の黙示録」、
「帝国の逆襲」、「バーバレラ」、「バンデットQ」、
「ポランスキーの吸血鬼」、「大脱走」、
「バリー・リンドン」、「時計仕掛けのオレンジ」、
「殺しのドレス」……、
そのあたりは、どれだけ見たかわからないほど、
くりかえして観てる。
あえていえば、
史劇など、スケール感があるものが好きなのかな……。
じゃあ、「バーバレラ」はなに?
っていわれるかもしれないけど、
これは小学生のころ、テレビで観て、
なんともたまらんエロティシズムを感じて以来、
トラウマ的存在になったわけだから、
あまり、つっこまないように……。
たいした映画じゃないってのもわかるんだけど、
ロジェ・バディム監督の艶笑感覚ってやつが
おれのツボなのかもしれない。
まあ、これらの作品は観てるかぎり、
飽きることはない。
自分の座標をとりもどすために
基本の作品群だ。
さて、今日の気分はジョン・ブアマン監督の「エクスカリバー」。
これは予備校生のとき、劇場で見て以来、
ごひいきの作品なんだけど、
もはや、理屈ぬきで好き。
映像と音楽、リズム感覚がたまらない。
この映画以降、ワーグナーの曲を聴くと、
オペラよりもこっちを思いだすくらい……。
いやなところがひとつもない。
おれのために作られたとしか思えない映画。
人に紹介せず、おれだけの作品にしたいくらい好きな映画。
文句があれば、だまってろ。
おれに聞かすんじゃねぇって感じ。
そういえば、以前、
小学館の学年誌のうちあわせスペースで仕事をしていたときに、
隣りの席にいた編集者と絵描き(漫画家?)さん、
ふたりの会話を思いだす。
ちょうど、アーサー王物語をネタにした仕事の依頼をしていたようで、
おれ的には聴覚全開になっていたところ。
絵描きさん「そういえば、こないだ、深夜のテレビで、
そういう映画をやってましたよ。
なんといってたかな、「エクスカリバー」とかいうやつかな。
ふむふむ……。
編集者「どうでした……?
絵描きさん「いや、たいしたことがない映画でしたけど……。
えらいむかしのかったるい映画でしたね。
むっかー。
ばかやろう!
「エクスカリバー」は、ジョン・ブアマン監督の名作で、
「レイダース」の時代に英米で大ヒットしたんだぞ。
独自のバイオレンスとエロティシズムの表現が
当時、物議をかもしたけど、
かの国の研究家のあいだでも、
その考証と作劇ぶりは高く評価されてるんだぞ。
アーサー王の話をやるくらいなら、
あの映画を100回は観やがれ!!
なんていいたかったけど、
さすがにいえない……。
まぁ、大好きなものや、こだわってるものをけなされると、
熱くなってしまうのは、だれにもあるところ……。
なにかをつまらないというのは簡単だけど、
ときにより
それはうすっぺらな感受性の発露に過ぎない。
いたずらにけなすより、
なにかをおもしろいといえる人間に……、
おもしろいものを素直におもしろいと感じとれる力のある人間に
わたしはなりたいと、思ったわけ……かな?
あ、ブアマン監督は
「戦場の小さな天使たち」もおすすめ。
この映画に関して、不満なのは邦題くらい。
あとの作品もとりあえず、好きだけど、
「エクスソシスト2」とか、「未来惑星ザルドス」、
「エメラルド・フォレスト」なんて、
好事家のための作品としかいえないもんなぁ。