DIARY: 1999 May 11〜15

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1999年5月11日(火:その1/まだ日本)

成田エクスプレス
キャリー付きのハードスーツケースが15キロくらい。
これは楽勝の重さ。

テンバのB4サイズソフトショルダーバッグが
12キロくらいかな。
これが、なかなかしんどい重さ。

よせばいいのに、
途中で本などを買うものだから、さらに重くなっている。
どうやら、ばかです。

午後1時過ぎ、新宿から、
成田エクスプレスに乗りこむ。

ぼくの隣りに座った女性が、
検札の車掌さんともめている。

どうやら、
彼女は指定券だけしか持っていないようだ。
ほかに乗車券が必要だということを
車掌さんに指摘されたのだが、
よく理解できない様子……。

柔らかな声で、きれいな日本語を話している。
そのやりとりからだけでは、
日本人か、外国人かわからないくらい……。

結局、車掌さんから乗車券を買ったようだが、
なんとなく納得いかないような顔をしている。

なにげなく声をかけてみる。

指定券は電車の椅子代で
乗車券はレール使用料みたいなものですと説明する。
多少は納得したみたい。

彼女は日本人の夫を持つ韓国の女性だった。
フラワーアレンジメントの仕事をしており、
その関係で、これから韓国にいくとのこと。

なんとなく話があい、いろいろとおしゃべりする。

彼女は埼玉県の住宅地に土地付きの一戸建てを買ったが、
そこでの3年間の生活に疲れ果て、
最近、旦那さまを説得し、多摩プラーザのマンションに
引っ越したそうだ。

いくら歩いてもおなじ家が並ぶばかりで、
池もなければ、林も森もない埼玉の住宅地。
なかなか、話のできる友だちができなかったとのこと。

具体的な話こそ、なかったものの、
さまざまなカルチャーギャップに
悩んでいたようだ。

それが多摩プラーザに移って、
心が解放されたように感じられた……。

海と山のどちらにも近く、
「いつも人が歩いているから、マンションがいいです」
「窓から外を見ても、さびしくない」
「おなじ日本でも、場所によってちがうことがわかりました」

また、彼女は話の中で、よく
「そんな仲間や友だちは、どこでみつけるといいですか」
と聞いてくる。

インターネットのことを話したりもする。

しかし、
小学一年生の息子が学校から持ちかえってくるプリントや
回覧版の日本語を読むだけで、苦労するという彼女に、
文字情報のかたまりであるインターネットの敷居は高い。

エクスプレスは成田に近づく。
彼女は第一ターミナル。ぼくは第二ターミナル。
先におりるのは、ぼくのほうだ。

彼女はとても頭がいい人だったので、
ことばのあれこれがぼくの頭にクリアに残っている。

「だれかと友だちになりたいと思っても、
日本ではなかなかうまくいきませんでした」

「3年間悩んで、わかったことは、
日本では、だれかひとりと友だちになるというのは、
難しいということ」

「でも、大勢の「輪」の中に入れば、
みんながとても優しくしてくれるということです。
いろいろお話をしてくれるということです」

「ただ、「輪」から離れると、友だちがゼロになります」

彼女がすてきだったのは、だからといって、
日本や日本人を非難するわけではなかったことだ。

違うから理解しにくい。
違うことをやっと理解しても、同じにはならない。
違うことをことを違うままに受け入れるしかない。

そんな感じのことを
さらりというさりげなさが、すてきだった。

すでに旅のモードに入っているのかもしれない。

今回は、
ぼくもあまり「輪」を持ち歩かない旅だ。

これは、いろんな人と出会える
兆しなのかもしれないね。


1999年5月11日(火:その2/日本→ロス)

成田空港にて
なんだかんだで、成田空港には2時半に到着。
JAL62便は4時50分搭乗開始なので、ずいぶん時間がある。

チェックインをすませ、
アメリカで使える携帯電話を受け取り、
トラベラーズチェックを購入、
旅行保険に入り、
それでもまだまだ時間がある。

空港内でショッピング。
池袋や新宿では見つからなかった
IBMのかっこいいモデムセーバーが
楽勝で売っている。

ほかのモデムセーバーなら、
すでに持ってるけど、思わず買っちゃう。
ほかにも、3つまたコンセントとかいろいろ、購入。

軽く食事をして、免税の煙草を買い、搭乗。

成田のかたきをロスで……
成田からLAXまで、9時間。
日航のエコノミーは3・4・3の座席配置。
なので、とても狭い。

しかも、窓際の席を指定してしまったので、
トイレにいくためには、
横にいる中国人夫妻を起こさなければならない。

がまんしまくって、
ロスの通関後、トイレにダッシュ。
その後、外に出てタバコを3本、吸いまくる。


1999年5月11日(火:その3/太平洋上空)

機内で思わず、日記を書く。
話はやや前後するが、太平洋上、エコノミーのせまい席で、
このサイトの日記を書いたりする。

うまく寝つけず、はじめたことだが、
まるで、深夜に書くラブレター状態で、
興が乗り、すらすら書けるのがおもしろい。

5月10日と5月11日(その1)の日記は、
太平洋上で書いたものです。


1999年5月11日(火:その4/ロサンゼルス)

LAX→DOWN TOWN
ロサンゼルス国際空港から
ダウンタウンのホテルまで、タクシー。

途中、フリーウェイを疾走する
タクシーのスピードメータを見ると、
時速90マイルを軽く超えている。

時速140キロ以上ですか。
こんなぼろなタクシーがそんなにとばして、
大丈夫なんだろうか……。

ホテルはWILSHIRE ROYALE HOWARD JOHNSON
ガイドブックには
「ダウンタウン中心部より、徒歩10分。
アール・デコ調のチャーミングなホテル」
とある。

シングル7500円のホテルだから、
ドアマンやポーターなんて、
気のきいたものはいない。

1926年開業とのことだが、
9階建てのホテルは当時のアメリカでは
モダンなものだったことが、しのばれる。

バスタブはないが、
ウォークインクローゼットがあったり、
おかしな作り。

チェックインと同時に電話回線にノートPCをつなげてみる。
アメリカの電話のルールに多少、とまどいがあり、
フロントに直接、聞きにいったり、
設定のケアレスミスはあったものの、
意外にうまく接続できた。

早速、いろいろとやっていると、
ドアにノック。

どうやら、さっき、フロントに電話の件を話したあとで、
ずっと通話中になっていることで、
電話が故障していると思ったホテルの人が、
新しい電話機を持って来てくれたのだ。

丁重に感謝して、おひきとり願う。

暴利だぜ!
E3終了後のホテルを押さえるために、
住友VISAデスクに電話。

いろいろきいてもらうが、
通常、一泊二万円程度のホテルが、
コンベンションシーズンのこの時期、
三万円に値上がりしてやがるそうだ。

とりあえず、予約を入れてもらうが、
なんか、むかつく。


1999年5月11日(火:その5/ロサンゼルス)

リトル東京
タクシーで、リトル東京へ。

あれこれとみまわるが、時間帯のせいもあって、
ちょっぴりさびしい。

ただ、歩くには最高の天気。
ふきんをふらふらと散歩する。

午後5時ホテルニューオータニで、
漫画家の久米田康司先生、サンデーのIさん、Tさんと合流。
たらたらとお茶を飲んだあと、
ドジャースタジアムへ。

ドジャースタジアム外観(13985bytes)
ドジャースタジアム。
野茂がいるころ、来たかった……。

ラウル・モンデシー/サミー・ソーサ
球場の外から
わくわくしちゃうドジャースタジアム。

席も最高!
すぐそばには中継用のカメラ。
内野席一塁側からの景色はたいへんにすばらしい。
高所恐怖症の人なら、ぞっとしそうな位置だが、
真下の美しい天然芝のグラウンドに吸いこまれそうな感じで
とても観やすいのだ。

ドジャースはシカゴ・カブスとの対戦。

始球式は、ユーゴ内戦で捕虜になった例の米軍兵。
彼には生涯指定席があたえられるそうだ。
アメリカ人はスタンディング・オベーション。

国家斉唱も終わり、午後七時、プレイボール。
スタンドのふちに太陽が沈むにつれて、
一気に肌寒くなる。

太陽の位置と気温がリンクしているようだ。

ポロシャツ一枚では寒すぎるので、
真っ白なドジャースブルゾンを買っちゃう。

試合は乱打戦気味。
おかげでラウル・モンデシーや
サミー・ソーサのホームランがしっかり観られました!

壮絶! ソーサのスイング、このときは外野フェンス際HIT!(7674bytes)
ソーサが今日も絶好調。

野村監督なら
野球を楽しむアメリカ人をたっぷり観て、
横で、小学館のIさんとTさんのやる
「野村監督ならこういうね」を大爆笑して聞き、
「わたしを野球に連れてって」を歌い、
ホットドッグを食って、
大満足して、球場をあとにする。

その後、ホテルニューオータニのラウンジで
ちょっぴり飲み、帰る。


1999年5月12日(水)

ぎゃあああ!
はっと目を覚まし、時計を見る。
14時30分……。

驚愕する。

寝過ごした!

この時間なら、任天堂のプレスカンファレンスは
終わっているはず。
取材できたのに、それはやばすぎ……。

室内は暗い……。
カーテンを閉めっぱなしにするから、こんなことになるんだ。
GameWalker編集部の方には、なんといってわびよう。

アメリカで大失敗である。

あれ?
おれ、カーテン閉めたっけ?

もう一度、冷静になって、
ベッドサイドにある部屋の時計を見る。
2時30分……。

事情がすこしわかりかけた。

前日、時差にあわせて、デジタル時計の表示を変えたときに、
24時制でまる12時間ずらしてしまったようだ。
外も暗いし、いまはほんとに午前2時半。

ほっとしてまた寝る。
が、安眠は続かなかった。

RRRRRRRRRRRRRR!
激しく鳴る電話にたたき起こされる。
時計を見ると、午前5時。
なんだ?

電話をとると、Game Walkerの加藤編集長である。
日本で、
任天堂が新ハードの発表を行ったとのこと。

松下と組み、DVDを搭載。
IBMと組み、パワーPC系CPU(400MHz)を搭載。
米ArtX社と組み、グラフィックスチップスを搭載。

そんなハードのようだ。
これからFAXを送るとのこと……。

それにしても、朝の5時である。
加藤編集長は、時差の計算をまちがえ、
いま、こちらは朝8時だと思ったとのこと。
うーむ。

なんだかんだで、起きてしまったので、
サイトの更新作業。
ちょっとIRCのほうにも顔を出してみる。
あんまり、人がいなかった……。

STAR WARSの前売り券
おそめの朝食をとったあと、
正午ジャストに、WWWでスターウォーズの前売り券を
オンラインショッピングしているサイトにいこうとする。

しかし、なんどアクセスしても、
サーバーの反応がない。

心当たりのある3ヶ所をチェックするが、
まるで、だめ。

直接、電話をかけてみるが、
これも、だめ。

無理もない。
全米で一斉にアクセスしてるんだろうから。

30分が経過し、こちらもタイムリミット。
任天堂のプレスカンファレンスに
いかなければならない。

うーむ。これでSTAR WARSを観られないまま、
LAで無為な日々をおくるのは、いやじゃ。
ばかじゃ。物笑いの種じゃ。

けっこう不安ではある。

任天堂プレスカンファレンス
任天堂の発表会はダウンタウンの
Los Angels Theaterという劇場を借り切っている。

ロサンゼルス・シアター
ロサンゼルス・シアターの入口。
入場チェックが厳しかった。

任天堂トレーラー
入口には任天堂トレーラー。

ピカチュウカー
さらに、フォルクスワーゲンの
新ビートルを改造したピカチュウカーも展示されている。
いやはや、なんともかわいいではないか。

ピカチュウカーのしっぽ
ついでだから、これがお尻。
しっぽまできちんとしている。

ピカチュウカーのナンバーはワシントン州
で、これがナンバー。
Nintendo of Americaのある
ワシントン州のナンバーである。

そんなこんなで、会場内へ。
あらかじめ渡されていた資料では、
カンファレンス前の午後1時に豪華バッグ入りのプレスキットが
わたされるとのことだったが、
やはり新ハード発表のためか、
配布はカンファレンス終了後ということになっていた。

日本から取材者リストのチェックをされて、
プレスキットをもらえる証明として、
右手の甲にスタンプを押してもらう。

時間がくるまで、劇場内をみて歩く。

ロサンゼルスシアターの重厚なロビー
立食形式のウェイティングルームとなっているロビーなど、
なかなか豪華である。
古い時代に建てられただけあって、過剰な装飾がすごい。
そのなかに、マリオのロビーカードや
黄金のマリオ像などが並べられている。

カンファレンス開演は1時半。

メインで話すのは、NOAのマーケティング上級副社長の
ピーター・メイン氏。

初夏から、秋にかけてのソフト発売スケジュールと
販売戦略を語る。

会場内で流される各種ソフトの映像を観て、
喝采を送るアメリカ人プレスたち。

やはり、日本とは反応が違う。
さらに週末に発売される新作「STAR WARS」ゲームにあわせて、
あの主演の子役が登場! うーむ。

反応が最もよかったのが、RARE社の新作。

また、日本で発売されているポケモンの
新作群もつぎつぎと発売されるらしい。
こちらでも、ポケモンは大ブームである。

さて、いよいよの新ハードの発表。
プロジェクト名は「DOLPHIN」。
仕様は先述のとおりだが、強調していたのが、
IBMの生産技術。

「PS2」では、東芝製の0.18ミクロンチップを使うのだが、
現状、実用的な生産能力は東芝にはない。
一方、IBMなら、最先端銅配線技術によって可能であるとのこと。

このことをやたらに強調していた。
早ければ2000年秋に登場する予定らしい。

途中、NOA社長のハワード・リンカーンの
挨拶もはさみ、カンファレンスは終了。

ロビーでプレスキットをいただく。

任天堂プレスキット
資料はもちろん、バッグとTシャツがうれしい。

RARE社発表会。
地下に移動して、小ホールでRARE社の新作発表会。
中に入ろうとすると、止められて、
リストに名前があるかどうかのチェック。

今回、角川書店の取材できているので、
Kadokawa publishingの名前を出すが、
リストにないので、入場はできないといわれる。

そんなはずはない!
日本で取材の申し込みはしているはずだ。

そっけないおねぇさんにくいさがり、
いっしょにリストを見ると、
GameWalkerの名前で登録してあった。

ったく。

手のひらを返すように、どうぞどうぞといわれる。

うーむ。

会場に入り、デジタルビデオをまわそうとしたら、
撮影は禁止だといわれる。
あらら……。

発表会では
「Donkey Kong64」、「Perfect Dark」、
「Jet Force Gemini」を試作ROMプレイで紹介。

どれも、すっげぇいいっす。

「Donkey Kong64」は、
あの「スーパードンキーコング」のテイストが
そのまんま3D化されて好印象。

「Perfect Dark」は、
あの名作「007GoledenEye」を近未来SFにした感じ。
個人的にはとっても買いたいタイプのゲーム。
ゲームボーイカメラと連動で、
キャラに自分の顔をはりつける対戦プレイも可能だ。

任天堂のカンファレンスでも大受けだった
「Jet Force Gemini」は3人のキャラクターが
大活躍するアクションゲーム。
「ゼルダ」をしのぐボリューム感を強調していた。

ゲームのプロデューサーがプレイしながら
説明していたのだが、
盛り上げかたのうまさに舌を巻く。

そんな中、なにげない任天堂への敬愛が見えて、
微笑ましい。

SEGAプレスミーティング
いったん、ホテルにもどり、
STAR WARSのチケットをチェック。
やはりダメであった。

フロントにお願いして、タクシーを呼んでもらうが、
なかなか来ない。

いらいらしながら、20分近く待って、
フロントに「タクシー、来ないんだけど」というと、
「え? まだ、きてないの?」なんぞと、いわれる。

ミーティングは6時スタートなのに、
すでに6時をまわっている。

あらためて、電話をかけてもらうと、
2分でつくといわれる。

タクシーがきたぞといわれて、外に出てみると、
あいついで2台のタクシーが到着する。
あのなぁ……。

タクシーの運転手同志がいきなり口論。
客、つまり、おれのとりあいだ。

うーむ。
ぼく、あせってるんですけど……。

そんなこんなで、15分ほど遅れて、
会場のClub SOHOへ。

日米・業界人の群れ
人、人、人……で、ごったがえす会場内。
なんとなく、日本人が多い。
ファミ通の浜村編集長と柴田亜美さんなんぞもいる。
もちろん、入交社長や有名な元専務もいる。
テレ朝のトゥナイトのレポーターもいた。

ここで、遅れてきたサンデーのIさんと
久米田先生と合流。
かれらは昼間レンタカーを借りて、
サンタモニカにいってきたそうである。
いいなぁ。

そんなこんなで、階下に移動。下のホールで、プレス発表会!

SOAのパワフル親父
「SEGA is back!」をたからかに宣言するSOAの社長。

会場はセガマニアでも多いんでしょうか。
「セガドリームキャストは199ドルで発売します!」
うおおおおおお!

「55.6Kbpsのモデムを同梱します!」
うおおおおおおお!

「本体発売と同時に30タイトルを用意します!」
うおおおおおおお!

「ユーザーからメールが届きました。
セガはSONYみたいにならないでください!」
うおおおおおおお!

そんな感じである。

歓声が大きかったのは
「ソウルキャリバー」や「ソニック」。

さらに「シェンムー」のムービーも流していた。

ぼくは、持ってきたカメラが不調で、
うまくストロボの同調がとれないので、いらいらする。

最後に入交社長など、
日本からきたおじさんがいっぱい登場して、閉幕。

ちなみに任天堂の発表会で、
外人プレスとちょっと話したんだけど、
「任天堂の次世代機のおかげで、
セガはドリキャス発売前から死んじゃったようなもんだよね。
アーケードも不振だそうだし、
いったいどうするつもりなんだろうね」なんてことを
いっていた。

うーん。さすがに事情通だなぁ。

その後、久米田さん、Iさんと
ダウンタウンのマリオットホテルの
ムーディーズ・グリルでアメリカンな
ステーキをいただく。

ホテルに帰り、WEBに接続。
あっけないくらい簡単にノース・ハリウッドの劇場の
初日スターウォーズチケットをゲット!

やった! やった! やった!

あとは爆睡です!


1999年5月13日(木)

キャンセル
North Holywoodの映画館でスターウォーズを
観られることが決まったいま、
もはや、くそたかいCentry Plazaのホテルとは、おさらばである。

VISAデスクに連絡をとり、キャンセルしてもらう。
同時に、Holywood付近のホテルを調べてもらう。

E3
早朝、長い長いDIARYの更新をすませたあと、
タクシーに乗り、ロサンゼルス・コンベンション・センターへ。
ここがE3(Electronic Entertainment Expo)の会場だ。

会場付近は大渋滞。
あまりにもクルマが動かないので、
途中からあきらめて、タクシーを降りて歩くことにする。

参加登録センターのあるサウスロビー付近で、
少年サンデーご一行さまと待ち合わせをしていたのだが、
ロビーだけでもかなりの広さ。

とてもあえる雰囲気ではない。
あちこちを歩き回り、
待ち合わせ時間を30分ほど過ぎて、なんとか合流。

その後、Media Registration Centerへ。

ぼくと小学館の編集者ふたりは
肩書きや会社名が印刷された名刺を持っていたので、
かんたんに登録終了。

しかし、久米田さんは係員に、
おまえもEditorかとか、いわれている。

わって入り、
「He is a comic artist!」と、口をはさむと、OKがとれた。

ふっ。ちょろいもんだぜ。

そのあとで、久米田さんは
「ぼくって、アーティストなんですか?」などと、聞いてくる。

そうです。立派なアーティストです。
胸を張ってください。

まず、media roomへ。
コピー、ファックス、PCがならぶ、
ここには展示各社のプレスキットもずらりとならんでいる。

プレスルームのプレスキット置き場
プレスキット置き場。

ここでまとめて資料をとれば、取材はばっちりなのであるが、
すでにほとんどが持ち去られていた。

つづいて、West Hallへ。
ここはニンテンドウ、SCE、セガの
三大ハードメーカーがならんで、展示されているホールだ。

とにかく、どれも巨大!

各社のブース面積は
東京ゲームショーの数倍はある。

まず、ニンテンドウ。
なんといっても、ここはポケモンとスターウォーズ。

なんだか、いびつなピカチュウがいるんだけど、
ピカチュウって、設定ではもっと小さいんじゃなかったっけ。

セガはドリームキャストのタイトルをまとめて、展示。
もちろん、「D2」や「シェンムー」も……。
「シェンムー」はゲームショーとはまたすこしちがうバージョン。

9月の立ち上げと同時に豊富なタイトルを投入して、
ハード発売と同時に一気に攻勢をねらう構えだ。

SCEも盛りだくさん。日本でおなじみのタイトル群に
豊富なスポーツゲームまである。

あと、ちょっと気になる映像を観たんだけど、
詳細は明日の日記で……。

ここで、やっと到着した
Game Walkerの加藤編集長と合流。

その後、カプコン、コナミやマイクロソフトなどが入っている。
SOUTH HALLへ。

午後になると、かなりの人出。

ACLAIMやEAといったアメリカのメーカーは
日本で想像する以上の、大にぎわい。
会場のいたるところで、
ポラロイドによる記念撮影サービスがにぎわっていた。

肥大ピカチュウはデッサンが狂ってる
実寸4倍以上ある奇怪なピカチュウ。

でかいレイラ
トゥームレイダースのララ(レイラ)

カプコンは
ディノクラシスに64バイオハザード、バイオハザード3を展示。

しかし、アメリカ的に盛り上がっていたのは、
ストリートファイターの新作。

まぁ、いろいろあるんだけど、
今日は時間がないので、
詳報は後日……。

それにしても、すっげぇつかれました。
ちなみに腰の万歩計によると、この日一日で
15221歩をカウント。

その後、いったんホテルにもどる。

タクシークライシスふたたび
前日に続いて、今日もタクシーで困ったことに。

やはりフロントからタクシーを呼んでもらったのだが、
直後に来た、せっかちな東洋系ビジネスマンが
ぼくらのタクシーを横取りする。

フロントが勘違いして、
さきにその男をタクシーに案内したのだ。

こっちは10分以上待ってたのに……。

フロントは謝っていたが、
こっちも文句をぶーたれまくる。

なんか、今回はタクシー運がない。

その後、チャイナタウンで小学館ご一行さまと合流。

Ocean Seafood Restaurantで、
しこたま食って、ホテルに帰り、爆睡する。


1999年5月14日(金)

それでも高い……。
結局、後半のホテルはダウンタウン地区で
条件に合うものがなく。
ユニバーサルシティのヒルトンになった。

一泊177ドルだそうである。
なんか、高すぎるぞ……。

円高になることを強く望むしかないな。

ふたたび、E3
午前十時、ホテルで
肉だらけの朝食をとったあと、
加藤編集長とコンベンションセンターにむかう。

SCE、セガ、任天堂、ナムコ、カプコン、
スクウェアといった日系ゲーム会社のブースをまわる。

きのうの日記では書かなかったが、
SCEのブースでは、
銀色のピラミッドの四面にモニターを備え、
PS2のデモを行っていた。

PS2ありますか?
SCEの展示

PS2版のGTを、
ユーザーに操作させている。

まだ、ゲームにはなってない感じ。
聞けば、先日の発表会で
みせたものとほぼ同じ内容だそうだ。

やはり訪問者たちの関心は高いようで、
操作を待つ列はわりと長く、
みんな興味深く、映像を見まもっていた。

また、任天堂のブースでは
ならんでいる試遊台のなかに、なにげなく、
プレイ可能な状態の「マリオアーティスト」がある。

コントローラのケーブルの先は黒いアクリルの
ケースに包まれている。

あの中に64DDが入っているのだろうか。

セガのブースではかの「D2」をプレイしてみたが、
ちょっと、うーーんって感じ。
シューティング部分で、敵のリアクションが
いまひとつ物足りないのだ。

製品版では改善されることを祈るのみ。

カプコンは、「バイオハザード3」、
「64版バイオハザード」、
「ディノクライシス」といった新作ゲーム群が並んでいる。

ただ、会場のアメリカ人たちは、
格闘系ゲームイベントに燃えあがっている。

スクウェアのブースでは、
「FF8」をはじめ、日本でおなじみのタイトルのほかに、
「She is back」のことばとともに、
さるゲームの続編が発表されている。

このあたりは、いろいろと大人の事情があるので、
詳細は書けない。

テクモ・アメリカの社長と会い、
ヨーロッパのインタラクティブメディアのイベント、
Miliaの広報と会い、
急遽、訪米したセガのHIROくんと会った。

HIROくんはきのう、LAに到着後
リトル・トウキョウのスナックでへべれけになるまで飲み、
財布や名刺、カード、ホテルキー、パスポートの入ったバッグを
その店に忘れてきたそうである。

ったく。

さいわい、
お店の人がキープしといてくれたそうだ。

きっと、また今夜もいくことになるのだろう。
健闘を祈るのみだ。

カリフォルニアロール
その後、「サンデー」ご一行さまと合流。
アメリカの寿司を食べたいとの、
加藤編集長の強い希望により、
リトルトウキョウの寿司屋「大政」へ。

カリフォルニアロールなど、
巻物中心でオーダーしたのだが、
これが、なかなかうまい!

あなどれないうまさに、みんなが驚愕。

ここで、サンデーのTさんが
奥さんにどのように呼ばれているのかが、
話題になる。

恥ずかしい!
あまりにも恥ずかしい呼称であった!

本人の名誉のために、あえて書かない。
ほかにもナイスなネタがあるのだが、
やはり、書かない。

さて、大満足の食後、
タクシーを捕まえるために、
ホテル「MIYAKO INN」方面へ。

ですけど……
ホテルの向かいには、いかがわしげな
ビデオショップが並んでいる。
そのうちの一軒、
「ダウンタウンのビデオ屋ですけど」という店名に大うけ。

サンデーのIさんの強い希望により、
道路を渡り、その店に向かう。

しかし、店の中をのぞきこんだIさんが、
まっさきに入る気を失う。

なんとなく、
薄暗く陰気な感じがするのだ。

「入るの、やめません?」
意気地なし……(ぼそ)。

そのことばとともに、男5人がLターン。

と、店内から若い日本人が飛び出してくる。
店のチラシを手渡してくれる。

チラシには「またきてもいいんですけど」などと、
腰が砕けるようなことが書いてある。

さらに
「ほかにもバイアグラとかあるんで、また、ぜひよろしく」
とのこと。

バイアグラがいくらするのかと聞いてみたら、
30粒で、330ドルらしい……。

うーむ。
安いのか、高いのか、よくわからん……。

タクシークライシス、みたび
さて、MIYAKO INNからタクシーに乗りこみ、
そのまま
SCEアメリカのパーティがあるサンタモニカ方面へ。

運転手に地図を見せ、フリーウェイを疾駆して
タクシーは会場へ。

「ここだよ」という運転手。
しかし、見渡すかぎりの塀が続いているだけのところに
閉ざされたゲートがひとつ……。

とてもパーティ会場とは思えない。

????

「ここはソニーピクチャーズの撮影所だけど、
正門のほうにいくかい?」

そう聞かれたので、素直にYESといって、
連れていってもらう。

たしかに正門は開いていた。
タクシーを降りる。

しかし、正門の警備員はそのパーティなら、
この裏から入るのだという。

つまり……。

時計の文字盤に例えよう。
最初、ぼくらが到着したのは12時の方向。
そして、正門が時計回りに6時の方向。
さらに入口は11時の方向だったのだ。

結局、6時から、11時までの距離を
時計回りに、とぼとぼと、徒歩でいくことになる。

思いだしてほしいのだが、ここはアメリカである。
そのアメリカの撮影所である。
つまり、とんでもない距離なのだ……。

うーむ。

パーティ、すごすぎ
ソニーピクチャーズというか、
コロムビア映画の撮影所の広大さを
体感したぼくらは、美しく光り輝く、巨大なゲートへ。

まっすぐに伸びた
赤いじゅうたんを踏みしめながら、
奥に進んでいく。

真っ暗だけど、入口付近
かなり暗いが、ソニーピクチャーズのゲート。
立っているのはサンデーのIさん。

手首には招待客だけにあたえられる
Play Stationロゴ入りの黄色いリストバンド。
これがなければ、会場に入れないのだ。

パーティ会場は撮影所のサウンドステージ、
二棟を使った豪勢なもの。

さすがにハリウッドの撮影所!
まさか、こんな形で入れるとは思わなかった。
感動ものである。

フライング・バンディクー
スタジオ途中では、おなじみキャラが浮かんでいる。
下にいるのはIさんと久米田さん

撮影所の各所には
さまざまな映画のシチュエーションに
ちなんだものがならんでいる。

とにかく広い!

プレスパーティ会場内部
あとでここがコンサート会場になる!?

なんだか、いろいろ
すげぇ、金がかかってる。

これみよがしの物量投下で
「なんかSCEが嫌いになっちゃいそうですね(笑)」
とは、久米田さんのことば。

おしゃれなプールバー。
'20年代風、プールバー風の一角もある。

ぼくらはタバコ好きの日本人なので、
ほうほうと感心しながら、
屋外の通路にあるパーティエリアへ。

屋外にも巨大モニターがあり、
新作が垂れ流しになっている。

いったい、何人、いるんでしょうね?
サウンドステージを一歩出ると、
さまざまな食事がならんでいた。

なんか2Dアニメと緻密な戦闘画面のよく知らない
RPGの映像がFF8と交互に流れるんだけど、
これって、あれですか(私信)。

屋外に置かれた応接セットのソファを
勝手に日本人村にする。

ここは料理があり、
タバコが吸える屋外であり、ある種、交通の要所なので、
SCEの久夛良木社長はじめ、
いろんな人が通りすぎていく。

ぼーーっと、目を閉じているうちに
なんとなく幸せになる。
なんといっても、ここはハリウッドの撮影所なのだ。

夜、9時を回ると、
まず、SCEAの平井社長が登場。
壇上で、客をあおる。
なかなか気合の入った英語だ。

なんか映画「ライジング・サン」な感じもするけど、
まぁ、いいでしょう……。

つづいて、PSすべてを生み出した男として、
久夛良木社長が紹介され、こちらも英語でスピーチ。

さらに新作の映像が流される。
これは10分ほどのクリップ。

いずれにしても、PS2がどうとか、
なんらかの発表らしいものは、いっさいなかった。

最後に平井社長がふたたび登場。
「Are you ready to Rock'n Roll?」のかけ声とともに、
BECKが登場。

ベック
ベック。
コンサートを直接撮るのは禁じられていたので、
外のモニターで撮影。

ところが、そこにいた全員が、BECKを知らない。
加藤編集長はいきなりジェフ・ベックだよという説を展開するが、
いくらなんでも、若すぎるということで、すぐにとりさげる。

でも、どうやら、有名な人みたいだ。
黒人ウェイターが口をあんぐりあけて、モニターを眺めている。

ウェイターに聞いてみる。
「この人って、有名な人なの?」
「バカか、こいつは?」という目で見返されて、
「ベックだぜ!」
「わかんないなぁ。どんなスペルなの?」
「BEC……。えーーっと」
どうやら、スペルはよく知らないようだ。
「そうだ! ビールだよ。ベックビールとおんなじ感じだ」
ベックビールは知らないが、
なんだか、とても有名で、知っててあたりまえな人だということは
よくわかった。

ライブをやっているサウンドステージにいってみる。
みんな、のりまくっているかと思ったが、
前のほうの列でも、体を軽くゆすっているだけ。

なんだ、こんなものか。
やはり、コンサートに来るファンとはちがうんだろう。

あとで調べたら、
4月には日本でツアーもやっていたようだ。

いずれにしても、ぼくらには猫に小判である。
適当なところで、きりあげて帰ることにする。

帰る途中、記念写真などを撮っていたら、
気弱そうな白人が話しかけてきた。

「その……。なんというのかな。
きみたちの手首につけてる黄色いやつを
ゆずってくれないか」

パーティにもぐりこみたいらしい。
こいつもBECKのファンか。

しかし、
ストラップの止め具はいったん外すと壊れてしまい、
二度と装着ができないものだ。

彼は知らないのだろうか。

かわいそうだが、
「これ、壊れてるから」といって、ゆずってやらなかった。

と、こんどは久米田さんのほうにすりよる。
「こっちは記念にお土産として持ちかえりたいって
いってるから、だめだよ」と、
こっちもお断りする。

帰りのシャトルバス乗り場では、あちこちで似たような光景。
みんな見たいんだなぁ、BECK。

そんなこんなで、ホテルに帰る。
久米田さんたち、小学館組は明日の飛行機で帰国。
ここでわかれることに……。

また、日本で会いましょうね。


1999年5月15日(土)

E3最終日
今日はE3最終日。
加藤編集長とJack in the Boxで朝食をとったあと、
タクシーで、コンベンションセンターにむかう。

会場で加藤編集長と別れ、
サードパーティや
周辺機器や流通関係のブースをまわる。

とりあえず、でかいロボット
メインエントランスの
ロボット

なんか、アメリカンなFF8
アメリカ版FF8

バグズ・ライフのゲーム
ディズニーのブースにあった
「バグズ・ライフ」の大型モデル

今日は前の二日よりも
人出が少ない気がする。

プレスルームのランチサービスも終了していたし、
みんな、仕事をかたづけて、
ぼちぼち帰路についているのだろう……。

会場をあちこち見まわって、ぼくが勝手に決めた
ベストコスチュームはFOXの「猿の惑星」。

カメラを持った猿
カメラを構えるコーネリアス

猿の惑星
猿の惑星オールスター

趣味の人にはたまりません
首輪をつけられたおねぇちゃんが
いろっぽいす。

ほかにもあちこちでポラロイドの記念撮影ばかり。
なんか、アメリカの人って、
ほんとに写真が好きだねぇ。

ブースによっては
ポラロイドのサービスもやっている。

シャイな日本人としては、
たらたらと遠くから撮影するだけ。

また、どこかでTシャツを配りだすと、
あっという間に長蛇の列ができる。

とりあえず、
長い列にはならんでみることが
攻略法かもしれない。

ほかにもMIDWAYのムービングシートな乗りものに乗ったり、
バカみたいな周辺機器を見たり……。

それにしても、流通のブースでは
ポケモンばかり……。

こっちのポケモンブームは
日本をしのいでいるのかもしれない。

そういえば、朝7時には、ポケモンのアニメをやっていたが、
例の「ピカチュウ」ってな声も
日本そっくりであった。

「パワーレンジャー」のように
再編集したバージョンではなく、
かなり、オリジナルを活かしてある。

そんなに写真が好きか、みんな
どこでもここでも記念撮影

ここにも、でかいロボット
なんかロボットが多かった

なんか、中のは、意外とつまんなかった。
MIDWAYのムービングシートの中では
ゲームのデモ映像が流れる

あとは「STAR WARS」関連がすごい。

ゲームタイトルでいえば、
N64の「STAR WARS Episode1 Racer」と
PSの「STAR WARS Episode1 the Phantom Menace」が
公開されていた。

とくにニンテンドウは、かなり力を入れていた。
ゲームそのものも週末に発売されるようだ。

ヨーダのモデル
いわずとしれたヨーダ

ワトーのモデル
ワトー。
ニンテンドウのSTARWARSブース入口には
等身大フィギュアがズラリ

ダースモールのモデル
ダーク・ジェダイのダース・モール。

そんなこんなで、各種取材も無事に終了。
加藤編集長といったんホテルにもどる。

日本語、しゃべれるか?
夕食のため、タクシーを待っていると、
フロントに声をかけられる。

「Can you speak Japanese?」

英語を話せるかと聞かれたことはあるが、
日本語を話せるかと聞かれるのは初体験。

そちらにいってみると、
日本人カップルが難儀をしているようだ。

なんでも部屋のシャワーが故障していることで、
HISにクレームをつけたらしい。
夕方には部屋を替えてくれると、HISから連絡を受け、
安心して、サンタモニカにいき、帰ってきたところ、
いままでの部屋にさえ、入れないことに気づき、あせっている。

フロントがHISに連絡をしても、
すでにビジネスタイムは終わっている。

事情をよく聞いて、フロントに説明すると、
あっけなく解決。

シャワーが壊れたとか、いろいろ説明しようとするから、
ややこしくなったようだ。

なんか、フロントとカップル双方に
感謝されて、気持ちよくなる。

ま、たいしたこと、ないっすよ。

ニューヨークカットのステーキを食いたいという
加藤編集長のリクエストに応え、
Wilshire Grand HotelのCity Grillでディナー。

あちこちで、アメリカ人が大騒ぎしている。
どうやら、E3の打ち上げをやっているのだろう。

酒を飲んでいるアメリカ人のばか騒ぎは
なかなかパワフルである。

口から肉が飛び出しそうになるまで食い、
ホテルにもどって、爆睡!


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