中国な町
完全に仕事を終えて、完全にリラックス。
今日は日曜日、加藤編集長とふたりで、
ダウンタウンに遊びにいく。
まず、中華街。
11日にもいったOcean Seafood Restaurantにいき、
飲茶の朝食。
ここはとんでもなく大繁盛。
広東語がいたるところで飛び交い、
飲茶のワゴンサービスが、ごろごろと走り回る。
とってもおいしかったのだが、
香港マニア、加藤編集長の弁によると、
香港では、中の下クラスの味らしい。
なにやら、ぼくの知らない言語で、
ウェイターに命じる加藤編集長。
なんで、
あなたがゲーム雑誌の編集長を……?
そもそもここに到着したときから、
目の色が違う。
水をえた魚……、
中華街の加藤編集長である。
食後、町に出る。
「ちょっと、ここに寄っていいかな?」と声をかけるが早いか。
乾物屋や漢方薬屋に飛びこむ編集長。
あの、ぼく……、まだ……、
なにも答えてないんですけど……。
つぎつぎに、店に飛びこみ、
店内をビデオ撮影しては注意を受け、
また、つぎの店に。
ほんとうにパワフルだ。
しかし、そのおかげで表通りからは見えない
不思議なマーケットで、ばったもんのピカチュウの大群を見たり、
あやしげなカラオケ屋を発見できたりした。
本屋に入ったときなど、
「柴尾くん、ちょっと、15分ほど、ここをみていい?」と、
少年のような目で見つめられる。
そんな目で見つめられたら、NOとはいえない。
まさに15分以上店内を物色して、
一万円くらいする料理の本を購入。
「妻へのお土産です」とのこと。
メキシコな町
その後、たらたらと歩いて、エルプエブロ州立史跡公園へ。
ここはロサンゼルス発祥の地である。
1781年にメキシコからやってきた11組の家族が
ここに家を建てたのがすべてのはじまり。
ちょうど、浅草仲見世のようなならびのストリートの左右に
メキシカンなお土産物屋がならんでいる。
歴史的な建物を修復しているところなど、
明治村のようなものであろう。
公園の中心部では、歌う神父が
なにかにぎやかなことをやっている。
女性はベールをかぶり、男性は手を上げて、
聴衆が口々に神をたたえている。
うーん。なんか楽しそうだなぁ。
そのままユニオン・ステーションへ。
アーチ構造の高い天井、
リッチなソファのならぶ、
待合室でのんびりとダブルのエスプレッソなんぞを飲む。
すぐとなりでは、結婚式をあげている。
なんか、思ったよりも楽しいぞ。
ロサンゼルス。
ここからメトロに乗りこむ。
クルマ社会であるロサンゼルスに地下鉄があるなんて、
ちょっとびっくり。
Blue Lineが'90年に開業したそうだ。
あやうく回送電車にのりこみそうになったりしたが、
Red LineでWest Lake駅まで、あっという間。
車両も新しく快適だった。
降りたのはぼくらのホテルから
3ブロックほど離れたところ。
メキシコ系の住民でにぎわう商店街。
ここをたらたらと歩いていると、交差点のたびに、
人生をてんぱってそうな方々から、
「Licenseを持ってねぇか」と声をかけられる。
なんか不法移民の方たちなんでしょうか。
IDなしでは買えないものを
かわりに買って欲しいんでしょうか。
それにくわえタバコで歩いていると、
やたらとタバコをねだられる。
みんな断っちゃうけどね。
日本な町
いったん、ホテルにたどり着く。
E3期間中に入手した大量のプレスキット。
このまま、持ちかえるのはあまりにもたいへんなので、
リトル・トウキョウにある店から、
日本に送らなければならない。
オニズカ・ストリートまでタクシーでいき、
日系商店でペリカン便を依頼する。
荷物の説明をするうちに、
E3のことも話したりする。
「ゲームの世界なら、景気がいいでしょうね」
「いやぁ、なかなかたいへんですよ」
まぁそんなことを……。
20歳くらいの男の子がいたので、
STAR WARSの話などをする。
やはり、チケットを入手するのはたいへんそうだ。
彼も初日に観たいそうだが、
WWWでもチケットフォンでも、うまく通じず、あきらめていた。
「Mann系のシアターはきついけど、Century系のシアターなら、
まだ、大丈夫なはずだよ」と教えてあげる。
その後、リトル・トウキョウをすみずみまで歩き回る。
N64のSTAR WARSを買いたいという加藤編集長の提案で、
ヤオハンにむかうが、ここにはゲームショップはなかった。
やはり、「トイザらス」などの郊外店でなければ、
きついんだろうな。
ヤオハン内の旭屋書店のゲーム雑誌コーナーに
若い日系カップルがいたので、
「普段ゲームをどこで買ってるのか」と、きいてみる。
近所のショッピングモールのどこにあるかで、
喧嘩するカップル。
はらはらして見守るが、
女の子の方が、日本語がうまく、
喧嘩になると「ちがうよ。絶対にあそこにあるよ」と
日本語を使って、男の子をやりこめるのが、おもしろい。
結局、わけがわからなかった。
さらに歩く。
編集部へのお土産を買いたい加藤編集長が
つぎに目指したのは、DUTY FREE SHOPPERS。
ふたりして、DUTY FREEなんて、何年ぶりだろうね。
と、それっぽい会話をして、通ぶったりする。
店内は関西からの観光客でにぎわっている。
これだけ日本語が多いと、
ほっとするやら、居心地が悪いやら、変な気分。
加藤編集長は
HOLLYWOODと書かれたマカデミアナッツチョコを購入。
うーむ。ノーコメント。
WATER GRILL
その後、しみじみと
ホテルニューオータニでお茶をする。
なんか、このホテル、
うらぶれた感じなんですけど……。
これなら、MIYAKO INNの方が、いい感じっす。
今夜のディナーは白ワインで魚がテーマ。
加藤編集長持参のJCBガイドブックを参考に、
ダウンタウンの中心にあるWATER GRILLへ。
今回はぼくがおごらせていただくことになっていたので、
メニューはぼくが決めることになった。
まず、
ウェイトレスのおねぇさんがいいっす。
セルロイドの眼鏡に金髪のひっつめ髪!
完全にぼくのツボです。
さらに、オーダーを出すたびに、
「Excellent!」、「Very Good」と答えてくれる。
なんか、うれしくなっちゃう。
あんまり、うれしいので、
渡されたワインリストをそのまま返し、
「白でおすすめのを持ってきて」なんて、いっちゃう。
もって来てくれたワインもVery Nice!
内装もなかなかいい感じの店で、まずは牡蠣から。
Rのつかない季節の牡蠣はやばいという話も聞くが、
これが、ばかうま!
あっという間に3個ずつをたいらげる。
つづいて、はまちをたたき風にした料理にプラムソース。
うほほほほ……。
クリスピー・ソフトシェル・クラブ。
たまんねぇ。
ボトルが空いたので、
「ほかに、いいのを持ってきてよ」
まいあがっている。
最後にカリフォルニア風ブイヤベース。
最高!
やっぱり、料理がうまいと、酒が進む。
1時間ほどで、ふたりでワイン2本を飲み干す。
デザートメニューがでたので、
これもおすすめをいただく。
さらにブランデー。
ぼくはすっきりとクルバジェVSOPを1杯。
加藤編集長はカルバドスを2杯。
いやはや、満足。満足。
つぎにLAに来ることがあったら、また、ここだな!
すでにただの酔っ払いである。
最後にチェックを頼む。
なかなか、うあああな金額であった。
ちなみにワイン一本8000円くらい……。
まぁ、酔っ払いだから、気にしない。
加藤編集長との最後の夜だ。
チップもはずみまくって、店を出る。
ふたりして、ウェスティンボナベンチャーの
最上階にあるカクテルラウンジを目指す。
あたりは低層ビルや住宅の多いLAでも
高層ビルの立ち並ぶオフィス街。
深夜の丸ノ内といった風情。
ふたりの酔っ払いは、ふらふらとさまよいながら、
やっとボナベンチャーに。
なんかエレベーターの銘板には、
「このエレベーターは、
映画「TRUE LIES」の撮影に使われたものです」
とか、書いてある。
ふむふむ。あの馬が乗ったエレベータね。
けっこうじゃない。
なんせ、酔っ払いだから、
カクテルラウンジのウェイティングでも、
「Two Japanese!」なんて、ふざけたことをぬかす
自分がいる。
「ちょうどJapaneseに最高の席が空いたところです」
なんていう、クラーク。おまえ、いいやつだな。
ここでカクテル2杯ほど、飲むのだが、
ここは回転式の展望ラウンジになっている。
「なんか、景色が動いてるぞ」と、加藤編集長。
「フロアがまわってるんですね」と、ぼく。
「フロアの外側も二重に回ってるんだな」
「え? そんなことはないはずですよ」
「いや、回ってる」
「よく、みてくださいよ、窓の方が回るはず、ないじゃないですか」
「だって、あの景色が動いてるぞ」
「だからテーブルのあるフロアだけが回ってるんですってば」
まるで、酔っ払いのガリレオ・ガリレイである。
この天動説、地動説論議でだらだらとしゃべる。
その後、いい気分でホテルに帰る。
部屋でメールのチェックをしていると、
ドアがノックされ、加藤編集長がご入場。
「あのさぁ、柴尾くんの部屋、ばすたぶないじゃない?
だから、うちの部屋に来て、入らない?」
「いや、シャワーがあるから、いいですよ」
「………」
「………」
「柴尾くんさぁ、あそこにある店、気にならない?」
「え?」
窓の下には深夜までやっているベーカリーがある。
「なんか、おもしろそうなもの、売ってそうだよね」
「でも、いま、夜の11時ですよ」
「いってみない?」
「かんべんしてくださいよ。危険ですよ」
「気になるなぁ」
「ぼくはいきませんよ」
「じゃ、いってくるから……」
そのまま、部屋をでていく編集長。
危ないなぁとは思ったが、
ぼくも酔っ払いだから、深く気にしない。
20分ほどして、ふたたびノック。
加藤編集長だ。
「これさぁ、買ってきたんだけど、食べない?」
なんだか、チーズベーコン入りのブレッドなにやらを
袋から取りだす。
とりあえず、食べてみると、ほかほかにあったかい。
なんだか知らないが、ベーコンのパックや
チーズのかたまりまである。
お土産だそうである。
「いや、店の番をしているじいさんと話しこんじゃったよ」
きっと、よっぱらいな会話をしてきたのであろう。
しばらくすると、残ったパンをかたづけはじめる。
「柴尾くん、食べないのね。食べないなら、捨てるから」
バスルームのゴミ箱に、ぼこぼこ捨て始める。
なんだか、不思議な行動のような気がするが、
こっちも酔っ払いだから、あまり深く考えられない。
そんなこんなで、
にぎやかに加藤編集長は去っていった。
サイトの更新しなきゃ。
メールのレスを書かなきゃ。
あれやこれやを考えているうちに、
めんどくさくなり、爆睡。
















