DIARY:1999 AUG.1〜10

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1999年8月1日(日)

お寺めぐり
昼間、ホテルのランチバッフェで、
ドリンクの注文をとりに来たウェイトレスに、「コーヒー」という。
すかさず、ウェイトレスがフリーズする。

それを横で見て、
あわてて「かっふぇー」といいなおすIさん。
どうやら、こちらで日本語イントネーションの「コーヒー」は、
とんでもなく卑猥なことばらしい。

それにしても……。おいら、日本人だぞ。
このホテルは日本人が来て、コーヒーを注文しないのかよ。
ぷんすかである。
ちなみにカラムーチョのCFのように「ヒー」というのも、
かなりまずいらしい。

そんなこんなで、昨夜、欲望の王国にいったわれわれは
本日、心をいれかえて、
敬虔な人々の集まる聖地にいくことにする。

まずはワット・プラケオである。
タイ王宮に隣接するここは、
タイの仏教寺院の中でも最大の規模のものらしい。

タクシーで到着早々、雨が降りだしたので、ちと困る。
それにしても……、
なんだか知らないが、やたらと巨大である。

しかも、どれもこれも金ぴかなので、なんだかなぁって感じ。
大乗仏教の末端で、わびさびな仏教に親しむ
ぼくの理解を越えている。

とりあえず、理解しやすいところから、楽しむことにする。
アジア各地や欧米各地からきた観光客の
みなさまの記念写真でのポーズのとり方なんぞを観察。

巨大な柱に抱きついて、片足を跳ね上げている広東語な方々。
かいがいしくついているテイクアウトの
おねーちゃんにシャッターを押させる英語な方。
自分たちにカメラを向け、ツーショットでとる方々など。

最初はついていけないなと思っていた
この空間も、1時間ほどいるうちに、なれてきた。
いたるところで手を合わせ、拝んでいる現地の方々や
制服姿の女生徒たち、
出家したばかりの初々しい少年僧を見ているうちに、
多少は敬虔な気持ちになってくる。

やはり、信仰は建物ではなく、人の心に宿るもの。
そんな気持ちになると、
建てものの印象もちょっと変わってくる。

ワット・プラケオの石像
石像をフレームにいれると、ほっとするアングルの写真になる。

ワット・プラケオ僧侶の一団
オレンジ色の僧服を着た僧侶がぞろぞろと……。

ワット・プラケオきらきらの像
とにかくきらきら。

ワット・ポー
なにかの祭礼の日なのだろうか。
あるいは、いつものことなのだろうか。
花で飾られた祭壇には、線香をあげる方々が群れなしている。
とにかく熱心な表情。

その後、寺院に併設された博物館などをたらたらと回る。
古い時代のものは、派手なきらきらがなくなり、
日本人好みのわびさびな感じになっている。

ひととおり見終わって、
近くにあるワット・ポーにいくことにする。

Iさんの提案にしたがって、歩いていくが、
寺院の外壁に沿って、路上を歩いているのは、
バックパックを背負った欧米の観光客ばかり。

アジア系観光客や現地の方はほとんどいない。

Iさんの話によると、
タイの人は歩くのがあまり好きではないらしい。

ワット・ポーに到着。
まず、脇の入口そばにある大寝釈迦像を拝観。

大仏殿のようなものの中に、
横になったお釈迦さまがおられるのだが、
室内だから、当然、真横から全身を見ることはできない。

一目では見られないようにして、
お釈迦さまの巨大さを演出しているのかな?

ここ、ワット・ポーはタイ式マッサージの総本山。
境内には大きなテントが建ち、
そこでマッサージをやってくれるのだが、
待っている人の数が半端ではない。
これを待つほどの忍耐力はないので、パス。

ワットプラケオで祈る人たち
祈る人々の表情は真剣。

ワット・プラケオのたれ狛犬
たれパンダみたいな狛犬?

ワット・ポー
足元から、仏さまを拝観させていただきました。

水上をいく
つづいて、エクスプレス・ボートに乗りこむことにする。
ローカルな交通機関なので、
埠頭の待合所にいらっしゃる方もたいへんローカル。

欧米人観光客と上半身裸の濃い親父が渾然一体。
ちょっといい感じ。

ボートでは、エンジンのそばの席。とてもうるさいが、
川を吹く風が気持ちよく、旅の気分を存分に満喫。
雨季で黄濁したメナム川から、飛沫が飛んでくるので
口をしっかりと閉じる。

シェラトンの裏にある埠頭で降り、
とりあえず、ホテルでお茶をしてから、
すぐそばにある骨董品が目玉のショッピングセンター
「リバーシティ・ショッピング・コンプレックス」へ。

昨日いったナーラーイ・パンより、
こちらの方が品揃えもいい感じ。
ここでお土産をすこし買う。

ここは、吹き抜けのある4階建てのビルなのだが、
上の階にいくほど、古美術、骨董の度合いが濃くなっていく。
欧米風のギャラリーのような空間に、仏像がならんでいる。

まさかこれ盗掘品じゃねぇだろうな?
と、思えるほどの仏像も大量にある。
いいのかな、こんなものを売って……?

スパイス・マーケット
タクシーに乗り、リージェントホテルへ。
タイでも最高級といわれるホテルだけあって、
エントランスの感じは、とてもよい。

ここにはタイでは屈指の高級タイ料理を食わせてくれる
レストラン「スパイス・マーケット」があるのだ。
予約をしなければ、入ることも難しいレストランだ。

コースは2種類あったが、高いほうである。
960バーツのコースをとる(1バーツはほぼ3.1円)。

うまい!
タイ料理の常識を変えるうまさである。
辛さ、酸味、甘さの要素が複雑にからみあって、
味に奥行きを作っている。

とくにスープとカレーは絶品。
スープはトム・ヤン・クンとはちょっと違うのだが、
ココナッツミルクのスープに酸味と辛さが上品に合わさっている。
パイナップルをふんだんに使ったカレーは、
口に入れると滋味が広がる。

幸せ感じまくりである。

しかし、ふと対面を見れば、
Iさんの顔が真っ赤になっているではないか。
このIさん、タイ好きであるにもかかわらず、
辛いものが苦手という構造的弱点を抱えているのである。

タイのテーブルマナーは
右手にスプーン、左手にフォークという変わったものだが、
そのスプーンを動かす手が少しずつ止まっていく。

胃に辛いものがたまりすぎると食欲さえもなくなるらしい。
こんなに美味しいのに……。

米を使ったケーキと、パパイヤのデザートを
食べ終わるころには、かなり具合が悪そうになっている。

すこし食休みをしたあと、レストランを出る。

風にあたりたいというIさんのリクエストに応え、
ホテルまで、歩いて帰ることにする。

平気で眠る親父
寝てる親父。器用である。

エクスプレスボートからの眺め
船上のIさん。

トム・ヤンクン? 前菜のフライ メインディッシュ
「スパイス・マーケット」の料理。

へんな横断歩道
中央分離帯でさえぎられる横断歩道。

タイって、へん
道を歩きながら、変なものをいっぱい目にする。
まず、バス。

タイのバスは日本のものとほぼ同じ形なのだが、
前とうしろのドアを開けたまま走っている。
冷房がないバスでは、ああやって風を送れるし、
信号待ちの場所から
乗客が自由に降りられるようにするためだそうだが、
それにしても、乗客を過保護に守る日本の常識では考えられない。

そして、横断歩道。
道路上に電光標識で横断歩道の存在が表示されており、
その横断歩道があるにもかかわらず、
中央分離帯で、歩行者が渡れないようになっている。

おそらく中央分離帯の工事をする際、
横断歩道の存在を無視したせいなのだろう。

トマソン(古い?)な横断歩道だ。

さらにタイでは、歩行者用の信号をまるで見かけない。

6車線の交差点に横断歩道はあっても、信号がないのだ。
歩行者はクルマの流れをよく見て、渡るしかない。
現地の人の行動をよく見て、
そのあとをついて渡るのだが、まじで恐い。

さらに歩行者の便宜を考えない歩道。
人ひとりが通れない幅のものが合ったり、
50センチ以上の段差があったり……。

バリアフリーの思想から、いちばん遠い町並みだ。

勘違いしないでほしいのだが、
バンコクは大都会である。
地下鉄などの大量輸送交通機関こそないものの
道路のインフラも東京なみに整っている。

それでこのありさまなのだ。
東京と変わらないように見えるだけに、
油断していると、細部に落とし穴が待っている。

路上の工事現場では、資材を歩道に置いたまま、
囲いなんかしないから、つまずきそうになったりする。
歩道をさえぎるかたちで、車道に向けた巨大な標識が立っている。
どうやって、ここを歩けというんだ?

途中で、道の選択を間違ったりして、
40分ほど歩き、ホテルに帰着。

Iさんのタイに関する薀蓄をいろいろと聞く。
タイはそこに住む人間が、おもしろいし、
そんな人間の作ったものがおもしろい国なのかもしれない。


1999年8月2日(月)

カップヌードルプレゼント
午前11時に目覚めたぼくは、シャワーを浴びたり、
サイトの更新などなど……。

のんびりしているうちに午後2時、
寝ているIさんに声をかける。

あわただしく身支度をすませ、タクシーに乗る。
第一の目的地はJCBのツアーデスク。
今日観る予定のショーの予約をとるためだ。

予約後、JCBツアーデスク利用特典とのことで、
タイ限定版カップヌードル3点セットか
小物入れのどちらかをもらえるそうだ。

Iさんは、すかさず、カップヌードルを選ぶ。
「こういうのがお土産にいいんですよ!」
ちょっとにこにこしている。

つぎの目的地は、マーブンクロン・ショッピングセンター。
ここはバンコクの原宿といわれるサヤーム・スクウェアや
バンコクの東大といわれるチュラロンコーン大学のそばにあり、
制服姿やナウなファッションに身を包んだ
おしゃれなヤングでにぎわっている。

東京の香港人といわれるIさんに、
東京のポリネシアンといわれるぼくらは、
いかがわしいファッションに身を包んで、
タクシーから降り立った。

タイ建築の謎
バンコクのショッピングセンターは
やたらと吹きぬけ構造が好きだ。

ぼくらがいったショッピングセンターの
ほとんどすべてのビルが中央に吹き抜けを持つ構造だった。

ここも1階から5階に通じる吹き抜けがあり、
空中をゆきかうエスカレーターから身を乗りだすと、
吸いこまれそうなほど……。

タイの人々はこういった開放感をともなう空間演出が
好きにちがいない。

しかし、その一方で、
ごみごみした空間も好きなようである。

ここでも、吹きぬけ構造には、
あれだけの面積をさいているのに、
店内は夜店感覚というか、アメ横のビルというか、
ものすごい数のテナントが密集している。

あんたたち、そのむだな吹き抜けをやめたら、
もっとゆったりした店構えができるのに……
と、つっこみたくなるけど、つっこむ相手がいない。

ふつう紳士服のフロアは何階、
女性服は何階と決まっているものだが、
ここにはそんなルールはない。

ラジオ製品の隣に革ベルトの店があり、その横に下着の店、
そのまたとなりには、お菓子屋があるといったわけのわからなさ。
さらに最上階には最新のシネマコンプレックスまである。

Iさんの話によると、むかしにくらべると、
だいぶん、整然としてきたそうではあるが……。

その後、クーポン制の食堂でメシを食う。
ここはあらかじめ、100バーツほどをクーポンに替え、
そのクーポンで、日本のデパートの屋上にあるような出店で
メシを買うといったシステム。

クーポンには、割引もなく、単なる金券である。
なぜクーポンに替えなければならないかは、大きな謎である。

Iさんは中華風のチャーハンを
 ぼくは、にせスカイラークでテリヤキポークライスと餃子を買う。
食後、煙草を吸うため、横にある屋上に出てみる。

かんたんに落っこちそうな屋上では工事をやっていた。
工事資材をまたぎながら進むが、作業員に文句もいわれない。
眼下には、新しい交通システムである高架電車が……。

JCBデスクで聞いた話によると、
本来12月の国王誕生日にあわせて建設していたのだが、
うっかり早くできてしまい、しょうがないから、
11月に開業してしまうとのこと。

心温まる話だ。えらいぞ、タイの建築作業員。

さらばカップヌードル
バンコクしばし感慨に耽っていると、Iさんが突然叫ぶ。

どうやら、食堂にさっきもらったばかりの
カップヌードルと「地球の歩き方バンコク編」を
忘れてきてしまったそうだ。

あわてていってみるが、座っていたテーブルに、もはや、
そのふたつを入れていたポリ袋はなかった……。

心のどこかでIさんをせせら笑いながら、なぐさめる。
「またどこかの日系書店で買えばいいじゃないですか」

クーポンレストラン
このあたりのテーブルにあったポリ袋が消えていた……。

タイの新交通システム
おおかたの建設が終わってしまった高架鉄道。

吹き抜けの恐怖
吹きぬけには魚をかたどったデコレーションがつるされているが、
固定しているのは、ただのガムテープ、
それも手すりに貼りつけているだけ……。

タイの交通渋滞
日系書店がある「そごう」を目指そうということになり、
ラーマ1世通りを東へ進む。

途中、ノボテルホテルのティールームによる。
お茶を飲んでいるうちに、弦楽五重奏による
ミュージカルメドレーがはじまるが、
驚くほどの下手さに辟易し、早々に退散。

どうにか「そごう」に、たどりつく。店内はやはり吹きぬけ構造。
東京堂書店でIさんは
東京の値段の倍以上する「地球の歩き方」を購入。

「バンコクライフを四倍楽しむ法」と「空劫の大河」という、
「トンデモ」な香りがする本を発見! ただちに購入!

これは、おもしろいっす。

店を出たのが午後7時ごろ、目の前の通りはとてつもない渋滞。
タクシーをつかまえようにも、
クルマが流れてないから、タクシーが来ない。
観にいくショーは午後8時スタート。
このままでは、間に合わない……。

あれこれ思案したあげく、
近くにあるワールドトレードセンターで
タクシーをつかまえることにする。

だが、タクシー乗り場で待っていても、
なかなか来ない……。
そこにある木の柵に腰を乗せ、動かないクルマの流れを
ぼう然と見守るのみ。

15分ほどで、やっとタクシーに乗れた……。
20分で、ショーシアターに到着。なんだか楽勝である。

タイのマンボ・ショー
マンボのショー。全員が男性!

マンボ!
到着した「マンボ」は、映画館を改造したショースペース。
究極の美を追求するためにみずからの肉体を改造したサイボーグたちが
華麗なる衣装に身を包み、えもいわれぬダンスを踊る。
一般的にいえば、ニューハーフショーである。

情報というものはつくづくたいせつだと思う。
あらかじめ、ニューハーフのショーだという情報がなければ、
もっとちがう感じ方をしていたかもしれない。

みんなきれいだし……。

まぁ、ショーとしてのレベルはそんなに高くはない。
しかし、バンコクを訪れたなら、
一度くらいは来てもいいかも……。

ただ、中にぼくのストライクゾーンをつく
かわいい子がひとりいて、
終演後、ロビーでの記念写真サービスでは、
その子のそばにとんでいき、記念写真を撮ってしまった。

撮影中、左手におっぱいをおしつけられて、
どう反応していいのか、情報と感情と肉体が
複雑怪奇な化学反応を起こす。

タイ女性には巨乳タイプというのはいないが、
彼はお手ごろサイズのきれいな胸。
あのやわらかさは、女性に遜色がない……と思う。

バンコクの町を歩く男性ポリスを見ても、
ウェストなどはきゅっとしまって、妙にセクシーだし、
足もすらりと長くのびている。
たしかに肉体改造に適した体型をしているといえよう。

なんとなく、ややこしい感情を抱えながら、
近所にあるドイツレストランに入る。
なぜ、タイまで来てドイツレストランかという謎はあるが、
まぁ、いいじゃないですか。

ここで、うまいステーキを食い、店をでる。
いい気分である。

店を出てクレジットカードホルダーをしまうとき、
はっと気づく。

財布がない!

あわてて、店にもどるが、ここにはない。

つづいて、マンボシアターにもどる。
すでに終演後である。管理事務所の人といっしょに、
真っ暗な客席を探すが、ない……。

こうなるとお手上げ。
とりあえず、ホテルの連絡先を教え、
明日以降の清掃などで、出てきたら、電話をもらうことにする。

財布の中には国際キャッシュカードも入っている。
もはや、一刻も早くホテルに帰り、
銀行に電話をするしかない。

ホテル帰着後、パソコンを起動。
インターネットで銀行のサイトから、連絡先を調べ、
国際電話で、カードを止めてもらう。

うううう……。

なんということだ。
女房を忘れて、浮かれたバチなのか……。
カップラーメンをなくしたIさんをせせら笑ったバチなのか……。

人を呪わば、穴ふたつ……。


1999年8月3日(火)

中華フカヒレ三昧
以前の日記でIさんは、タイという国が好きなのに、
辛いものが苦手という構造的弱点を抱えていると、書いた。
そのIさんがタイに来るたびに口にする食べもの!
それがフカヒレなのだ。

タイの中華街では、フカヒレスープが安くて、うまい!
香港、台北はもちろん、
横浜、ニューヨーク、ホノルル、ロサンゼルスと
世界の中華街を食い歩いた、おれである。
そこまでいわれたならば、食わねばならん。

タクシーで中華街にむかい、Iさんおすすめのフカヒレ専門店へ。
黒いフカヒレスープがちんちんに熱した土鍋に入ってくる。
熱い! そして! んまい! フカヒレの量もたっぷり!
これで一人前がたったの300バーツ(950円程度)!

いっしょに頼んだチャーハンもむちゃくちゃうまい!
一時期、日本の米不足のおり、
タイ米に文句をいってた消費者を呪いたくなる。

フルーツ、米、肉……。
とにかく食べものに関して、豊かな国である。
夜になれば、歩道は屋台で埋め尽くされる。

日本やアメリカなんかとは違う豊かさを感じまくりである。

タイのフカヒレスープ
いきなりぐつぐつのフカヒレスープ!

GPSと黄金仏
会計をすませ、店を出ようとしたぼくの時計を指差し、
若いウェイターが、「GPS?」と聞いてくる。

旅行中、ぼくは
GPS(カーナビなんかについている衛星を使った位置計測)
機能付きの巨大な腕時計をはめているのだが、
ウェイターさんはその時計が興味しんしん。

どうやら雑誌で読んで、この時計の存在を知ったのだが、
まだタイにはないと英語でいっている。

「日本でも一月前に発売されたばかりのブランニューだぜ」
「ほれ、こうやって衛星からの電波を受けるんだぜ」と、
すこし、見せびらかす。

その後、中華街のあちこちを歩きまくる。
昭和初期の日本って感じでなかなかおもしろい町。
工具などを売ってる問屋街もあり、
職人さんが軒先でやすりを使って仕事している。
いい感じだなぁ。

ワット・トライミットにいき、黄金の仏像を拝観する。
この仏像は朽ち果てていく廃寺の中に、
汚い漆喰に包まれて安置されていたのだが、
1953年の移転工事の折、あまりの重さにクレーンが壊れ、
野ざらしにされていたところ、
雨にうたれて、漆喰の下にある金の姿が見えてきたという。

時価120億円だそうだが、
表情がとても素敵な仏さまだった。

ワット・トライミットの黄金仏
ワット・トライミットの黄金の仏像。

バンコクのファランポーン駅
ファランポーン駅。

チェンマイへの駅
そのまま近くにあるファランポーン駅へ。
3バーツの入場券を買い、構内をうろつく。
タイの鉄道はかなりの狭軌。ホームもかなり低く作られている。

そのおかげか、長いホームを渡るのも、とてもらくちん。
線路の上をそのまま歩いていけばいいだけだ。

この手のルーズさがこの国の魅力なんでしょうね。
その一方で、外国人観光客に対して、
かなり手厚いサービスを心がけている。
ぼくらが案内板を見ながら、たたずんでいると、
制服姿の係員が「Can I help you?」と声をかけてくる。

止まっている列車の中に入ったりして、遊んだあと、
タクシーに乗って、ホテルにもどる。

ファランポーン駅構内 ファランポーン駅の列車
駅構内。

平気で線路を歩く人たち
平気で線路を歩く人々。

ふたたびマッサージ
このあとミャンマーにむかうIさんは、ミャンマー大使館へ向かう。
ぼくは、ホテル内にある「バンヤン・ツリー・スパ」へ
タイ式マッサージを受けにいく。

地上54階にあるこのスパには、マッサージやエステが充実。
バンコク市街を一望にできる環境で、
充実のトリートメントを受けられるとのこと。

前にいった下町のマッサージ屋より、
ちょっとぬるめのマッサージではあったが、それでも満足。
まぁ、高級な店だけあって、
マッサージ前に好きな薫りのお香を選べたりする。
やっぱりマッサージはタイ式に限る!

最後に逆ロメロスペシャルを決めてくれるマッサージなんて、
ほかにないですぜ!

ちなみにホテルゲストのディスカウント付き料金は1800バーツほど。
80分のマッサージ料金として、
日本で考えれば、リーズナブルだが、
タイではこれで売春婦が買える料金だと思うと、
ちょっと複雑な気分。
まぁ奥さんを連れて、タイにくるなら、
このホテルはおすすめでしょう。

そしてムエ・タイへ
その後、すこし部屋でのんびりして、ムエ・タイ観戦にむかう。
渋滞を横目に徒歩で15分でルンピニー・スタジアムへ。

事前に、単調で意外とつまらないという情報も聞いていたのだが、
どうしてどうして、おもしろいではないか。

選手もすごいがレフェリーの動きもすごい。
試合中、ずっとタイ音楽が流れている。
BGM付きの格闘技なんて見るのは、はじめてだ。
選手もそのリズムに合わせて、からだを揺らしている。

さらにうまい選手のスウェイがすごい。
近寄って蹴りの勢いを殺すか、のけぞって逃げるか、
パンチやキックのかわし方にある種の切れ味がある。

さらにすごかったのは、超満員の観客の乗り。
なんせ、いちばん盛り上がったセミファイナルでは
選手の名前をコールしはじめるほど……。

タイで何度もムエ・タイを見たIさんも
選手名コールを聞いたのは、はじめてだそうだ。
ちなみに場合によっては、客の数も少なく、
しらけていることもあるという。

蹴りが入るたび、観客が声をあげる。
かれらは、目の前の選手にお金を賭けているのだから、
熱も入るのだが、なにかそれ以上の熱狂がある。

結果的に5試合見て、すべて判定で勝負が決まった。
KOは、なかった。判定にしても
どちらがどの程度のポイントをとっているか、わかりにくい。

かろうじて最終5ラウンドあたりで、
適当にかわす選手が勝ってる側、
必死にパンチを繰り出し、一発逆転をねらってるのが負けてる側だと
わかる程度である。

KOを好む日本人は、物語の決着を見たがる民族。
一方、タイの人は
歴然たる実力の差がわかれば、
命のやりとりをする必要がないと思う感覚なのだろうか。

ちなみにリングサイド席は選手関係者か、外国人関係者で
埋まっているのだが、Iさんの話によれば、
横にいた白人が、試合中、
ぼくのGPS時計をずっと見つめていたそうだ。

あらら、いってくれれば、
見せびらかしてあげたのに……。

それに試合後、
スタジアムの外観をデジカメで撮影していたのだが、
それを見て、現地の親父が口をあんぐり開けながら、
横にいたIさんにあれはなんだと聞いていたそうだ。

どうだ!? すごいだろう、カシオにソニー!
おれはニッポン人だぜー。

ムエ・タイの試合
熱戦のムエ・タイ。あまりいい写真が撮れなかった。
やはり、単焦点のデジカメはつらいっす。

ムエ・タイの熱い観客席
会場を埋め尽くす観客。
遠景にいるおじさんたちは試合中、出場選手に金を賭けている。

居酒屋ハナコ
その後、スクンビット通りにある居酒屋ハナコへ。
ここは日本駐在員の住むマンションに近いエリアだ。

中に入って「いらっしゃい!」と、
声をかけてくれる板前さんやウェイトレスのおねぇちゃんは
すべて、タイ人である。
それでいて歌舞伎町あたりのチェーン居酒屋より、
よほどおいしい日本のおつまみを食べさせてくれるのだ。

ここがすごいのは、テーブルにひとり、
ジーパンに赤いエプロン姿のおねぇちゃんが、
ホステスさんのようにつきっきりになること。

おしゃべりをして、灰皿をかえたり、煙草の火を点けてくれたり、
ビールを注いだり、一緒にビールを飲んだりしてくれるのだ。

日本人駐在員の方のオアシスみたいな店なんだろうけど……。
日本というソフトウェアがタイというハードウェアに
オーバーライドしてるあたり、
強烈な日本人租界を感じさせるなぁ。

こういう文化の段差を感じさせる空間が
結局、いちばん、おれは好きなのかもしれない。
でも、テーブルについてくれた19歳のおねぇちゃんは
日本語も英語もあんまりできなかったので、
ちょっとつらかったけど……。

あれ?
タクシーでホテルに帰る途中のこと。
タイのハイウェイ下には、勝手に窓をふいてはチップをせがむ
ホームレスなヤングが、たまにいるんだけど、
タクシーが信号待ちをしている最中、
後部座席で右のIさんと話をしているあいだ、
Iさんのうしろの窓の向こうに、わりときれいな女の人がいた。

手をすりあわせて、物乞いをしている。

Iさんに目をやり、
「あんな人が物乞いをするんですね」といったあと、
ふりむいたIさんのうしろに、その女の人はいなかった。

おかしいなぁ?
首を回して、クルマのまわりを
あちこち見ても、もう女の人はいない。

タクシーはその後、走り出したんだけど、
あそこって、片側5車線の道路の真ん中の車線だったし、
そんなところに、人がこれるんだろうか……。
おかしいなぁ……。

あれって、怖いことか……。


1999年8月4日(水)

ゴージャス!
ノースウェストの成田への便は早朝6時発という
言語道断の早起き便なので、
ほとんど寝ないまま、朝4時ホテルを出る。

エントランスの従業員に、
空港までのタクシーを頼むのだが、
チェックアウトはすんだかと聞き返される。

「部屋にはまだルームメイトがいて、
彼がチェックアウトする予定だ」といっても、
「ちょっと待て」といわれ、フロントまでひきもどされる。

フロントでは簡単に確認がとれ、放免となったのだが、
むかついたので、タクシーのドアを開けた従業員には
チップはやらなかった。

べつに100バーツを取っておいたんだが……。

タクシーは恐くなるほどのスピードで、空港にすべりこむ。
しかし、出発ゲートの表示に「ノースウェスト」は、出ていない。

「ノースウェストは、ほんとに、ここでいいのか」と
日本語と英語で何度も聞くが、
運転手は、にこにこ笑い、
「ここだ! ここだ!」といってる様子。

しょうがなく、さっきの分のチップもよけいにあげて、
降りたんだけど、やっぱり、この第一ターミナルではなく、
歩いて300メートルくらい先の第二ターミナルだった。

お・の・れ……。

そんなこんなでチェックインして、
ノースウェストのエグゼクティブラウンジにあった
サンドイッチをぱくついていたのだが、
ぱさぱさしていて、くそまずい。

搭乗開始時間になって、機内に入る。
こんなときビジネスクラスだと、
エコノミーのみなさんの脇をすり抜けられて、気持ちいい。
成金気分である。

ビジネスクラスの1A席に座る。
ジャンボのいちばん前に位置する席である。

なんか変な感じだ。

ぼーーっとしていると、
キャビンアテンダントがやってくる。

「ミスター・シバオですか。席を替わってくれますか」
てなことをいってくる。

なんだろう?
せっかく話の種になりそうな席に座れたのに……。
そんなことを思いながらも、日本人だから、はいと答えて、
そのまま案内される。

おや? 2階席に連れられてくぞ。
ここは……。

ファースト・クラスである!
国際線のファースト・クラスである!
なんとアップグレードしてくれたのだ。

なんか、ラッキーだぜ!
財布をなくしたバーターに神さまは、
とってもいい席をくれたのだ。

ビジネス以上に広々とした空間。
ビジネス以上に平らになるシート。
ビジネス以上にリッチな機内食。
ビジネス以上の老人の多さ。
でも、お酒の種類と機内エンターテインメントの種類は
ビジネスといっしょだったけど……。

のんびり寝て、のんびりパソコンで仕事して、
すっごく楽に日本に帰ってこれた。
だれより早く機外に出られるし、
預けていた荷物もいちばん早く出てくるし、ほんとに楽だなぁ。

それにしても、東京はバンコク以上に暑い。

その後、仕事がまだ残っていたので、
成田エクスプレスのグリーン車をとる。
このグリーン車はひとりがけ席なので、
ゆっくり仕事できるのだ。

エクセルと格闘してたら、電車のゆれで気分が悪くなったけど、
とりあえず、仕事はひと段落。

新宿到着後、都内某所に移動して会議に出席。
本人はそのつもりはなかったのだが、
日に焼けて、かなり黒くなっていたようだ。

夜11時ごろ精魂尽き果てて、帰宅する。

なんか、落合信彦な一日だったなぁ。
国際派ゲームデザイナーってか。
たんなる観光旅行だけど……。


1999年8月5日(木)

寝た寝た寝た
13時間、ぼーーーーーっと寝た。

役所にいった。

サイトを更新した。


1999年8月6日(金)

じゅげむオールスター
新創刊の「じゅげむオールスター」が届く。
うわさの表紙を見て納得。
「ゲームの本作って14年」の成沢大輔さんの
スタート地点を考えて、自然にニヤリ。
鮭は自分の生まれた川にもどるってか。

それにしても……。

ぼくの記事の背景って、
タイのワット・プラケオの写真じゃないですか!
驚きである。

入稿前に写真とかも見せてもらってたのは、たしかだけど、
まるで忘れてました……。

入稿時点では、タイ旅行にいくことは決めてなかったし、
タイでワット・プラケオにいったときは、
この雑誌のことは忘れていた。

うーん。
これも不思議な運命のめぐりあわせってわけか。

RPGシナリオ作法?
夜、恵比寿の居酒屋「一の倉」にて、
アミューズメントメディア総合学院の津村和宏さんと、酒を飲む。
今回、津村さんは学院の生徒さんを連れてくる。

ゲームシナリオの書き方について
いくつか教えてもらいたいとのこと……。
その生徒さんが持ってきたストーリープロットと
見せ場シーンのシナリオテキストをざっと見せてもらう。

プロットに見出しがほとんどないから、
第三者に読みにくい構成になっている。

ゲームのシステム部分や世界観を念頭におかず、、
たんなるお話を作っている。
(話を聞いてみたら、どんな戦闘システムかを考えずに、
シナリオを書いているとのこと……)

シナリオテキストでは、
画面内に表示可能な文字数を考えずに、
だらだらと冗漫に書きすぎている。
シナリオテキストは画面のデザインまで考えて、
書くべきである。

また、一度に表示するパラグラフを有効に使いこなして、
1パラグラフにつき、ひとつの情報を
切れ味のある文で書くこと。

シナリオってのは、単なるセリフの羅列ではない。
コメント行(ト書き部分)で、
ほかのスタッフにわかりやすいように
背景、モデル、モーションを指示する描写をすること。

ゲームメーカーに自身のゲームシナリオの技術を
プレゼンするためのものなら、
自分がゲームのロジックを把握していることを
アピールできるように、
「はい・いいえ」などの選択肢を使った
メッセージを書いたりするべきである。
その方が、こいつ、フローをわかってるなと思わせられる。

そんな、あたりまえのことをえらそうに話す。
まだ、なんかいろいろ話していたような気もしたけど、忘れた。
いずれにせよ。
あいての頭にゼロから始まる概念をきっちり埋めこむためには、
いくら工夫しても、しすぎることはない。

その一方で、仕様書や企画書を紙の段階で理解できる
プロデューサーとか、ディレクターって
残念ながら、少数派なんだよねとかいってしまう。

あとは個人的な興味をみたすため、
生徒さんをいろいろ質問ぜめ。

「どんなゲームが好きなの」とか
「いま、どんな本を読んでるの?」から始まって、
東洋大学を卒業したあと、ゲームが好きだから、
この専門学校に再入学した経緯を聞きだし、
「彼女いるの?」とか「どんなつきあい方してるの?」とか、
愛と性に関する質問にうつっていたころ、
「ばかやろー! 若いときは、毎日、やらなきゃだめだよ!」と、
津村さんが乱入。

そのうえ、
「だめですよ! 柴尾さん、生徒に優しすぎますよ!」と
叱られてしまう。
うーん。教育道は難しいのぉ。

その後、ゲーム業界に関する
いささか、きな臭い話になったりするけど、
どうやら津村さんはお疲れの様子である。
説教無限ループがフェードアウト。
おもむろに船をこぎはじめる。

終電を逃し、帰れなくなった生徒さんと
ちょっと心配になった津村さんをタクシーに乗せ、
いっしょに帰る。
津村さんの家はわりとご近所なのだ。

津村さんは、まじめで優しい男であった。


1999年8月7日(土)

長電話
なんだかんだで、二件ほど長電話を……。

そういえば、コンピュータを買って以来、
本格的な長電話をあまりやらなくなった。
今回の相手は家にコンピュータのない方である。


1999年8月8日(日)

いっこく堂
ぼく、高瀬美恵さん、T山統括課長(新婚)夫婦、K村くん、
そして女房の6人で、博品館劇場へ。
スーパー腹話術師、いっこく堂
「一人で多声(おおぜい)ライブ」鑑賞。

いっこく堂といえば、
衛星遅延放送や、人形二体との掛け合い&声のすりかわりなど、
従来の腹話術の常識を破った芸で有名だが、
ピンで1時間30分のライブは、これがはじめてとのこと。

途中、トチリ(致命的ではない)も多々あったものの、
かなりきちんとしたスタンダップコメディへの志向が見られ、
本人の緊張を優しく包む観客とのコラボレーションもあり、
1時間半があっという間。いやはや、堪能いたしました。

単に奇異な芸として、
スーパー腹話術の飛び道具的なネタを披露するわけではなく、
明確なオトシのあるコントの一部として
超絶的な技巧をさりげなく織りこむというのが、
今回のこだわりのポイントなのだろう。

さまざまなコントが、
スタイルを変え7〜8本入るという構成だったが、
時差つき腹話術や、声の入れ替わり、
いっさい口を動かさないパ行、マ行など、
そのすごさはそんなコントの随所でさりげなく披露されていた。

ただ、これだけの大舞台である。
ぼくらを含め、生のいっこく堂は初見という観客も多い。
やはり、ただの「さりげなさ」ではなく、
「どうだ! すごいだろ?」的な大ネタ連発披露なんてのも、
観たかったのもたしかでは、ある。

コントに作家を起用しているのか、
本人がすべて作ったものであるのかは、定かではないが、
非常にまじめで上品な作りだったのには、
好感を持ったんだけどね。

いずれにせよ、
これで4500円というのは、安いなぁ。

仮性デブ
終演後、銀河高原ビアハウスにいき、しみじみとバカ話。
それから新橋方面に流れ、もひとつおまけにバカ話。
人間のクズと人間のカスに関する高瀬さんの考察などを拝聴。

K村くんからは、
一昨夜の「新耳袋ライブ」のさわりなんぞも、聞く。
ちっ、いきたかったなぁ。

帰りの電車で、
高瀬さんにもらった「SFバカ本ペンギン編」を読む。
これは、ぼくが雑に考案した「エステバカ一代」というフレーズを
高瀬さんが短編のタイトルとして使い、そのお礼にくれたもの。

さっそく当該作品を読んじゃう。
うへー。こういう話になったのね。
それにしても、仮性デブって、ナイスなフレーズだねぇ。


1999年8月9日(月)

ゲームもやりたいけど
必然的状況と偶発的事態により、
大幅な軌道修正を必要とする某作品について、
あれこれと考えこみながら、パソコンをたたく一日。
昨夜から着想と実現可能性とのせめぎあい。
おかげで、ほとんど寝られない。

でも、朝9時に寝ると、
そのままきっちり、7時間寝ちゃうところが、
おれっぽいなぁ。

守りにならざるをえない状況だが、
こういうときこそ、攻めたいところ。
それにしても、もうすこし時間がほしい。


1999年8月10日(火)

買ってはいけない
以前、読んだ「買ってはいけない」は、
自分の周囲にある
コンビニフードや、シャンプー、ハミガキなどに含まれる
環境ホルモンや、遺伝子組換え食品、合成保存料の危険について
警鐘を鳴らすような本である。

事実、ぼくは石鹸シャンプーに石鹸ハミガキなんぞを
この本がでる前から愛用しているんだけど、
この本のやや神経質な描写や、
針小棒大な例証には、いささか閉口してもいた。

だって、現代において、
この本のネガティブ記述に完全にしたがうことは、不可能ですよ。

なにより、煙草を吸うぼくのような人間が
食品に含まれる微量な合成保存料について、
あれこれいったところで、どうしようもないし、
ゲームやパソコンで目を酷使しているのに、
いまさら……という諦念もあるんだけどね……。

ちょっと書き方、脅し方が五島勉めいてるのも
気になったんだけど……。

そんなことを考えていたら、
今日発売された「文藝春秋9月号」に
「『買ってはいけない』はインチキ本だ」との記事が……。

タイトルはきついけど、
抑制のきいた日垣隆氏の文章には、
なかなか首肯することも多い。

ちょっと引用するね。

大変失礼ながら、このように至極素直な人たちが、
『買ってはいけない』リストを友人に配ったりしているんだろう。
付和雷同しやすいその性向と(中略)
「薬用ハイドロキシアパタイト」など初耳なのに
「芸能人は歯が命」との惹句を鵜呑みにしてしまった人と、
いったいどこが異なると言えるだろう。

たしかにねぇ。その性向なら、
ぼくも自分の中でいろいろと心当たりはあります。
それがわかるだけに、
もはや業として付き合っていくしかないんだなとは、思う。

結局、この手の問題に興味がある場合、
「買ってはいけない」と「文藝春秋」と、
両方、買って読まなきゃならないんだろうね。

現代において
消費生活を意識的に実践するってことは、
さらなる情報と
さらなる資源の浪費の悪循環を誘うってことなんだろう。

そんなこんなで、大量の煙草を吸い、
近所に新しくできた松屋でカレギューを食い、
目を酷使しながら、寿命を縮める日々です。


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