DIARY:2000 Jan.1〜10


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2000年1月1日(土・元旦)

今年の正月は
服喪期間中なので、初詣にもいかず、しみじみと過ごす。
年賀状をくださった方、どうもありがとうございました。
そのうち、寒中見舞いを送らせていただきます。

2000年問題もとりあえず、公私ともに影響なさそうだし、
正月は本を読んで、映画を見て過ごすことにしましょう。


2000年1月2日(日)

2000年問題発見!
やったー! 身近なY2Kを発見したぞ!
ふと、思いたって、GUEST BOOKをチェックしてみたら、
ゲストが新たに書きこむ際に表示される「年」表示が
「00」ではなく、「100」になるのだ。なんか、2100年みたい。

CGIプログラムのおかげだけど、
「仕様です」と開き直り、このまま修正せずに
残すのも、一興かもしれない。
だって、すごく得した気分なんだもの。

2000年の実感
2000年、2000年と連呼されても実感がない。
なにか、物語の冒頭で「西暦199X年」なんて、記述されたら、
まだまだ、近未来もののように、感じられてしまう。
だっせー条件反射である。

2000年の正月
いつもなら、信州方面にスキーに行くのだが、
今年は、ずっと東京にいる。
作業して、ビデオを見て、本を読んで、近所の松屋で「牛定」を食う。
ここ3日ほど、買いもの以外で人と話していない気がする。
むちゃくちゃ、さびしい。

スキーから帰ってきた、けーむらくんに電話をして、
スキーでのできごとをあれこれ、聞きだす。
ああ、なんて楽しそうなんだ!


2000年1月3日(月)

「ファンタジア2000」と漫画喫茶
午後2時、新宿駅南口で
高瀬美恵さん、けーむらくんと落ちあい、
高島屋タイムズ・スクウェアにある東京アイマックスシアターへ。
1月1日から先行公開になった「ファンタジア2000」のためである。

店内はすごい人出である。エレベータに乗り込むのも、ひと苦労。
12階にあるチケット売り場の表示では、
2時20分の回、4時5分の回とも「売り切れ」!
5時50分の回が「残少」とある。

急いで列に並び、3人分のチケットを買ったところで、
「ただいま5時50分の回が売り切れました!」と、アナウンス。
うへぇ! 危ないところである。

そのつぎは7時35分の回になる。
2時に集まって、7時半まで待たなきゃならないなんてことになったら、
おれは荒野に旅立っちゃうね。
それにしても、上映開始まで、4時間近く……。こまったものだ。

とりあえず、サザンテラスにある「新宿みやざき館KONNE」で、
地ビールと地鶏のセットを食い、
新宿西口の漫画喫茶で、暇をつぶすことになる。

漫画喫茶未体験の高瀬美恵さんの希望だが、
正月早々、平均年齢35歳(推定)の男女3人が、
「漫画喫茶」で2時間を過ごすというのも、いかがなものか。

高瀬さんは
「ネットの古本屋でもめったにない
少女漫画がいっぱいだよ〜」と、ご満悦。

けーむらくんは、ある漫画の未読の初期のあたりで、
泣きそうになっているし、
おれはマシンのように小池一夫原作漫画を読んでいた。

午後5時、ふたたびアイマックスシアターへ。
しかし、高島屋店内で、「あーーー!」と叫ぶ、けーむらくん。
どうやら、漫画で感動したあまり、
荷物を漫画喫茶に忘れてきたようだ。
ダッシュで引き返す。

さて、「ファンタジア2000」である。
なつかしの「ファンタジア」では、ウォルト・ディズニーがMCとして登場。
さまざまな解説をしていたものだが、
今回はスティーブ・マーティンやベット・ミドラーといった
(ディズニー系列の)タッチストーン映画常連メンツが、
順番にMC役として登場。なるほどと思った次第。

抽象図形が善と悪との戦いを描く「ベートーベンの交響曲第5番」、
CGIの空飛ぶ鯨が雄大な姿を見せる「ローマの松」、
'30年代NYの風景をコミカルに描く「ラプソディー・イン・ブルー」、
アンデルセンの錫の兵隊の物語は「ショスターコヴィチのピアノ協奏曲第2番」、
フラミンゴとヨーヨーのリズミカルなステップが楽しい「動物の謝肉祭」
旧「ファンタジア」から、「魔法使いの弟子」、
ドナルド・ダック主演でノアの箱舟を描いた「威風堂々」、
大鹿と妖精、火の鳥により死と再生の叙事詩「火の鳥」

「火の鳥」は、世評どおり、「もののけ姫」と、そっくりなんだけど、
よけいなセリフがないだけ、こっちのほうがすっきり楽しめる。

個人的には、
「威風堂々」→「火の鳥」→「ラプソディー・イン・ブルー」の順に好き。

ちょっと気になったのは、ところどころ、音飛びしたところ。
上映システム的に、映像と音源の同期が狂ったせいなのだろうか。
アナログ盤の針飛びとは違い、まんま、音符を2、3個すっ飛ばして、
なにごともなく、続くといった感じ。総じてクオリティは高いのだが、
音響そのものにもノイズ感がちょっとあったのが、残念。

けーむらくんは、隣席の女性に切れそうになっていたそうだ。
バリバリとポテトチップを食いながら、曲が変わると
「ああ! なつかしい!」と、奇怪なコメントをいれ、
後席で、子どもが泣き出すと、「うるさいわね」と怒っていたらしい。

クラシックがなつかしいなんて、あんた、何歳だ!
うるさいのは、子どもじゃなくて、おまえのほうだ!!

その後、食事のために、NSビルにいってみたところ、
午後8時で閉店とのこと。そうか、まだ正月なのだな。
結局、京王プラザホテルまで歩き、「樹林」で食事、
西新宿のショットバー「Argyll」で、カクテルを飲んで帰る。


2000年1月4日(火)

物欲
ビックカメラで、D‐VHS機が欲しいと、かなり悩む。
とりあえず、自分を抑える。

ああ、でも、24時間録画ができるから、欲しいなぁ。
VHSと互換があるから、欲しいなぁ。
将来的にデジタルCSとつなげられるから、欲しいなぁ。

業界プロレス新年会
原口一也さん主催の「業界人プロレス同好会2000」の新年会。
飯田橋の「くいものや じゃぽん」へ30分遅れの8時半に到着。
エレベータに乗り合わせた三人が、
妙に濃いゲーム関係の話をしていると思ったら、
新年会の参加者であった。
案内された席は、なんだか知らないが、すごい人数である。
最終的には15、6人になったのだろうか。

タカラの五十嵐さん、フリーのプランナー武井謙治さん、
スクウェア大阪開発部第2スタジオの天河信彦さん、
ライターの二宮成富さん、ビクターインタラクティブの後藤琢宏さん、
ミュージシャンの宮路一昭さん、悪人の成沢大輔さんらと、
あれこれ、お話する。

初対面の方も多く、純粋なプロレスの話もしたんだけど、
気がついてみたら、巷で話題のあのソフトの話とか、
巷で話題のあの人の話とか、巷で話題のあのハードの話とか、
巷で話題のあの事件の話とか……。

ああ、天河さんはおもしろい人だなぁ。
二宮さんはいい味を出しているなぁ。
宮路さんはかくし玉ネタが多いなぁ。
後藤さんはうるうるしているなぁ。成沢さんは悪い人だなぁ。
おや?
 武井さんと後藤さんはコントレイルの二位くんをよく知っているぞ。
初対面の三人が、二位くんの話題で盛り上がったりもする。
唐突に二位という名前が出たが、
業界はとてもせまいという例で、他意はない……きっと。

経験則でいえば、この業界、
あいだにひとりをはさめば、みんな知り合いのはずだ。
悪いことは、できないのである。

夜11時まで飲んで、「魚民」の二次会に参加したのは、8名。
明日は、仕事がある天河さんと武井さんが帰ったあと、
宮路一昭さん、成沢大輔さん、タカラの高田さん、
原口一也さん、後藤琢宏さんといったメンツと
朝3時まで、がつがつと邪悪な話をする。

成沢さん、あんた邪悪だよ!
ちなみに、これは、ほめてるわけだからな。


2000年1月5日(水)

ドリキャスの話題作
クレアテックで「メタルマックス」の会議のあと、
社内に置いてあった「シェンムー」と「D2」をプレイ。

ゲームであることを忘れさせようとして、
ゲームの枠をひしひしと感じさせるのが「シェンムー」で、
数々の矛盾があるからこそ
ゲームへの偏愛を、明らかにした「D2」。

結局、はまったのは「D2」だったりするんだな。
深夜1時までプレイした挙げ句に、
「これ、ビジュアルメモリにセーブしていい?」と、K見くんにお願いする。

いま、スノーモービルを手に入れたところだから、
やめられないのだ。

ただね……。
どちらのゲームでもいえるけど、
ドリキャスの標準操作方法には、困りもの。
ふたつならんだボタンのうち、
決定が左(A)で、キャンセルが右(B)とは……。
PSは決定が右(○)で、キャンセルが左(×)。
任天堂系ハードは決定が右(A)で、キャンセルが左(B)。
ドリキャスだけ、配置が逆である。
ドリキャスやそのソフトを買ってないから、これは知らなかった。
ゲームライター失格といってくださって、かまわない。

なんで、こんな仕様にするかなぁ。
独自性の、はきちがえである。
この仕様だけで、ドリキャスが嫌いになっちゃうよ。


2000年1月6日(木)

六本木へ
あれこれあって、むしゃくしゃ。
「酒でも飲んでこい」と、女房にいわれたので、
午後8時、マリアを呼んで、池袋の東天紅で、中華を食い、
六本木の「フラミンゴバー」へ。
いわゆるひとつの「同伴」ってやつである。

最近、迷走気味で、とほほ……。


2000年1月7日(金)

見つからない本!!
水曜日の会議の際に、スタッフに
「資料としていい本がうちにあるから、持ってくるよ」といっておきながら、
そのいい本が見つからない。

確実にあの本の山の中にあるのはわかっているが、
かなり掘りすすんでも見つからない。

木の葉を隠すなら、森に。本を隠すなら……って。
いや、隠してるつもりはないんだけど……。

いらいらして、思いたつ。
当該の本は一冊1500円くらいだ。
この本を探すのに2時間以上かかるなら、費用対効果を考えて、
あらたに買ったほうがいいぞ。

いつもの池袋西武百貨店LIBROへ。
目指す本は見つからなかったが、
かわりに4冊ほど、資料として使える本を購入。

おや? ふと、気がつくと、本屋にいるじゃないか。
おや? この手に持っている本はなんなのだろう?
おや? 両手がずっしりと重たいなぁ。

きょう買った本
資料として買った本は「なまぐさい」ので、省いてます。

「カメラコラム300」 田中長徳著 アルファベータ
田中長徳の本は、すべて買いである。

「ゲームシナリオ作法」 川邊一外著 新紀元社
こんな本が出ていたのを知らなかった。
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のシナリオ解析など、
ぼくもきちんとやりたかったことだけに
素直に「やられた」って感じである。

「映画作家が自身を語るテリー・ギリアム」
イアン・クリスティ編 フィルムアート社
「テリー・ギリアムのすべて」
ボブ・マッケイブ著 河出書房新社

フィルムアート社の本は「バートン」のやつが劣悪な翻訳で
閉口していたんだけど、こっちは、ましみたい。
河出書房新社の本は、いきおいで買っちゃった。

「男が知りたい女のからだ」
河野美香著 講談社ブルーバックス

女のからだは、知りたいよね。

「放談の王道」 呉智英・宮崎哲弥著 時事通信社
呉智英の本は、すべて買いである。

「劇場都市ニューヨーク読本」 トミー富田著 七賢出版
以前、ニューヨークのハーレムツアーに参加したとき、
アポロ劇場のアマチュアナイトなどに案内してくれたのが、
この本の著者である。

「地球の歩き方 アメリカ鉄道とバスの旅」 ダイヤモンド社
「アメリカ鉄道 夢紀行」 櫻井寛著・撮影 東京書籍

アメリカ鉄道ものである。

「終わりなき平和」 ジョー・ホールドマン著 創元SF文庫
なんちゃってSFファンだからな。

「飛行の秘術の話」 加藤寛一郎著 講談社+α文庫
飛行感覚をきちんと書いている本みたいなので、購入。

「日本の<地霊>」 鈴木博之著 講談社現代新書
伊藤博文の神戸、丹下健三の広島、渋沢栄一の王子と深谷、
土地と建築の因果とは、もうツボだね。
講談社現代新書の企画力はすごい。

「「超」旅行法」 野口悠紀雄著 新潮社
「SINRA」連載時に、ぱらぱら読んでたので……。

「ザウルス海外インターネット接続バイブル」
旅先通信研究所著 ソフトバンク編

旅先通信ものは、すべて買いである。

「VAIO超蘇生術」 JCN著 翔泳社
縁起ものですから。

「自分でオリジナル掲示板を作ろう!」
増田若奈著 ディー・アート
「正しいHTML4.0 リファレンス&作法」
ビレッジセンター出版局
「CGI&Pearl ポケットリファレンス」
藤田郁・三島俊司著 技術評論社
「CGIレスキュー 実践Pearlプログラミング」
谷中一朝著 秀和システム

ぼちぼち、このサイトで新企画をやろうと、
たくらんでいるのだな、きっと。 


2000年1月8日(土)

はじめての本とレコード
ホラーや幻想な方の集う牛込櫻会館一般的掲示板では、
人生で初めて買った文庫本とレコードの話。
零細ゲームデザイナーには、
ちょっと敷居の高い掲示板なので、こっちで書いちゃおう。

記憶がさだかではないのだけど、
最初の文庫本(というか挿絵のない本)は、
小松左京の短編集「闇の中の子供」。
最初のシングル盤は「サンダーマスク」の主題歌。
最初のアルバムは井上陽水の「断絶」か「センチメンタル」だったはずだ。

小松左京はその後、単行本未収録作品を除いて、
ほぼぜんぶ、読んだはず。
サンダーマスクは、おいといて、
井上陽水に関しては、いっしょにカラオケにいった人なら、
ご存知のとおりである。
なんか単純な読書歴、音楽遍歴だなぁ。
インプリンティングって、やつか。

ちなみにいちばん最初に読んだエロ小説は、
山田風太郎の「妖異金瓶梅」だった。父の蔵書である。
そのつぎが、司馬遼太郎の「梟の城」といったら、
全国の司馬遼ファンの怒りをかうだろうか。

エロ小説の定義については、諸説あり、さだまっていないという。

また、本を買う
パソコンにずっとむかっているせいか、背中ぜんたいがこっている。
いらいらするほど気持ちが悪い。池袋にでて、マッサージ。

おや? ふと、気がつくと、本屋にいるじゃないか。
おや? この手に持っている本はなんなのだろう?
おや? 両手がずっしりと重たいなぁ。

2日連続で、LIBROで散財。今日は漫画を中心に購入。
いちいちリストを書くのは億劫なので、やめとくけど、
御厨さと美の「裂けたパスポート」が
文庫化されていたのは、知らなかった。(メディアファクトリー)
店頭にある4・5巻を購入。

ああ、マレッタ……。


2000年1月9日(日)

中年力
子どものころ、「背中を踏んで」といわれ、
うつぶせになった母の背中の上を、
ゆっくりと歩きながら、踏んでいったことがある。
気持ちよさそうな母の顔は、子供のおれには理解不能だった。

そんな自分が
人に踏みつけにされることを望む日がこようとは……。

女房と今日は、映画でも観にいこうと話していたのだが、
ふたりとも体調がよくない。
女房は頭痛と胃痛。ぼくは背中全体が張った感じ。

そこで、予定を変え、だらだらコース。

まずは恵比寿atreの「かもがわSARYO」で、
刺身や豆腐を中心に食べる。
軽くお茶をしたあと、タクシーで六本木へ。

インターネットで調べたタイ古式マッサージの店
ヌワボーランchai」へ。
タイ式マッサージは去年バンコクで堪能したものだが、
あの感動をもう一度というわけだ。

カルテに自分であれこれ書き込み、
落ち着いた室内で真新しいパジャマに着替え、Oさんに揉んでもらう。
ああ、気持ちがいい。

タイ式マッサージは四肢から丹念に揉むのだが、
Oさんが背中に乗るころになると、
「ああ、もっと踏んで、そこ、そこです!」てな感じ。

踏まれることに快感を覚える。
この気持ちよさは、子供にはわかるまい。
しかし、わかりたくなかったのも事実ではある。

「肩が張ってますね」といわれる。やはり。
「つらいでしょう。頭とか痛くなりませんか」
「いやぁ、背後霊が張りついてる感じですよ」
と、答えたおれもおれだが……。
「10人くらい張りついてますね」という、Oさんもなかなかやる。

タイ式マッサージはふたりで行うヨガともいわれるそうだが、
ストレッチされると、全身がバキバキと鳴る。

心と気持ちが軽くなり、帰宅。


2000年1月10日(月・成人の日)

「ゲームシナリオ作法」
あらま、3日前にぼくが買った本「ゲームシナリオ作法」について、
野安ゆきおさんが自分のサイトの日記で、ばっさり、切りすててるぞ。
ということで、あわてて読み始める。

実際に読んでみて「あ、野安さんのいうとおりだ!」といったところ。
たしかに「ゲームライター」の立場から見たら、
期待される「もの」がなんにもない本である。

ドラクエやFFに対する分析も、クリティクスといったレベルではなく、
提言もほとんどない。
ただ、RPGのシナリオを書く「ゲームデザイナー」としては、
興味深い本だった。

まず、昭和6年生まれで映画の脚本を書いてきた筆者が、
ゲーム(といっても「ストーリーRPGのみ」)を
どのように見ているのかが、おもしろい。

ああ、年配の方には、
ゲームのシナリオのこのあたりが物足りないんだなぁといった感覚は、
サンプル数が少ないだけに、貴重な意見といったところ。

つぎに、妄想レベルの発想を、ドラマという形で定着させる
手法の部分が、おもしろい。
個人的には、この手の本を読むのが好きなのだ。

ちなみにシナリオ教本という点では、
名著「The Screenwriter's Workbook」を邦訳した
「別冊宝島 シナリオ入門」という、ベストチョイスがあるし、
アイディアを形にするという点では野田昌宏の
「スペースオペラの書き方」もある。

箱書きの概念さえないゲームの製作現場で、
この手の本がもっとあっても、いいんじゃないかって気はする。

まぁ、ゲームを作るたびに違う現場で、
若いスタッフを相手にシナリオをブレーンストーミングする作業を
何度もくりかえしてごらんなさいよ。

RPGのシナリオの検討で
「***みたいなキャラが好き」とか、なんとか、
議論にもならない、あほな会議をくりかえすのは、
徒労としかいえないんだから……。

だから、この手の本に示された形での
「発想を構造として現実にするプロセス」ってぇのが
いかに重要かは、身にしみちゃうんですよ。

ゲームデザイナー入門系の数ある「とんでも本」とくらべたら、
この本は、まっとうなほうではある。

ただ、「ドラクエV」のストーリー構成を
「二重世界というアイディアを別とすれば、冗漫で分かりにくく、
劇的な迫力(ゲーマーのノリ)も薄味」と、
書いちゃうことに代表される見識には、首をかしげる。

なにより、数十時間をかけて、堪能するストーリー全体を
あらすじの形で一気にまとめて、
2時間で観る映画シナリオの視点で語ることに問題がある。

RPGシナリオの醍醐味のひとつは、
2時間程度でオチをつけるエピソード構成の妙にある。
そのあたりの発想が、皆無なのだ。

また、ゲームのシナリオには
「テーマの打ち出し方」に問題があると、書いているけど……。
これも「うーむ」だなぁ。

RPGのドラマが生み出す感動の質が浅薄だという部分には、
自戒の意味もこめて、首肯するところもあるんだけど、
ゲームシナリオの作法においては、主張すべき「テーマ」よりも
行動原理たる「モティーフ」への裏づけが重要である。
その部分に、いつも腐心するのである。

もちろん、ぼくの作品全体には、ある「テーマ」があるけど、
それをいまさら書くのは、野暮なリップサービスでしょう。

ほかにも、映像に対する意識の低さや、
エーリッヒ・フロムとならべて、ロン・ハバートの説をならべるなど、
???な部分も多いんだけど……。
(ちなみにロン・ハバートは、SF作家というより、
サイエントロジーの創始者として有名)

いずれにせよ、ゲームシナリオの実作者のきちんとした
手法解説書を読みたいなぁ。
だれか、書いてくださいよ。と、人まかせにしてみたりして……。

そういや、
おれも子ども向けにそんな本を書いた気がするけど……。


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