ゆうばりファンタ4日目
旅先では、早起きになるものだが、
今日はわりと早い時間から、映画を観る予定なので、
気合も入る。
朝7時に目を覚まし、朝食をたっぷり食い、大浴場に入る。
ノートPCであれこれ作業をし、朝8時半、ホテルの玄関へ。
夕張スポーツセンターに行くため、
フロントでタクシーを呼んでもらったのだが、なかなか来ない。
8時40分、来ない。10分で来るといっていたのに……。
8時45分、来ない。映画は9時から始まるのに……。
8時53分、やっと来た! しかし……、
「柴尾ですけど」と、運転手に声をかけるも、
「クリタさんじゃないの?」と、返事。ザケンナヨ。
そんな栗田なんてやつは、どこにも見当たらんぞ。
なおもしつこく、食いさがると、無線で確認をとった上で、
「どうぞ」だって……。
バカヤロ! エイガニ オクレチマウノニ!
乗車中、あれこれ無線で話す様子から判断すると、
迎車の指示が入れ違っていたようだ。
スポーツセンターに到着したのは、午前9時ジャスト。
ったく……。
料金1480円のところ、つりを受けとる時間も惜しいので、
1500円を渡し、「おつりはいりません!」
そりゃ、20円ぽっちで「※※に追い銭」とは、いわんが、
いやまぁ、ほんと、むかついた。
ちなみにホテルから、スポーツセンターまでの料金は、1480円。
むかしなら、映画一本分である。
往復すれば、約3000円。
よいこのみんなはシャトルバスを使うように。
ともかく夕張市は広い。香川県の半分の面積だって……。
映画「アイアンジャイアント」
アニー賞9部門受賞の話題作「アイアン・ジャイアント」である。
舞台挨拶は(なぜか)吉野紗香さん。
今回は市内の小中学生鑑賞会ということで、
彼女を指名したのだろう。
なんでも、昨日は4時間もスキーをすべり、
夢にまで滑っている自分の姿が出てきたそうである。
さらに、キタキツネにも遭遇。それも群れで……。
ああ、夕張には都会の猫のように、キタキツネがいるんだと
感動したそうだが、地元の人に「そんなことはない」と
否定されたんですって、お客さん!!
噂にたがわぬ、よい作品っすよ、万乗大智さん!
もちろん、最近のハリウッドアニメだから、
冒頭からさりげなくコンピュータを駆使して、映像作りをしているものの、
普通に映画を観ているぶんには、意識する必要はまったくない。
漫画家さんが、「Macなら使ってますけど、
使っていると、わかるような絵を描くのは、野暮ですよ」
という、そんな感じかな……。
50年代、冷戦危機時代のアメリカの田舎町で、
少年が宇宙から飛来した巨大ロボットとの友情を育む物語。
むかしから手塚治虫作品に親しんできた人なら、
「あ!」と膝を打つ部分も多々ある。
やはり、宇宙から来た金属製の巨大ロボットという発想は
冷戦時代ならではのもの。
あの時代の映画へのオマージュという点をさしひいても、
冷戦の時代が「おとぎばなし」の舞台になるのは、感慨深い。
タクシーでホテルに帰り、また、ノートPCで作業。
やること多いなぁ。
映画「MONDAY」
ホテルから歩いていける市民会館で観たのは、
SABU監督の新作「MONDAY」。
以前、マイケル・ダグラス主演の逆ギレ・ホワイトカラー映画
「フォーリング・ダウン(1993)」ってぇのがあったが、
それを思い出させるような作品。
今年のベルリン映画祭の批評家賞をとったとのこと。
舞台挨拶で監督が、
「日本の批評家には、かなりたたかれた作品なので、
ザマァミロという感じですね」とか……。
内容について、くわしく書くと、すぐにネタバレになっちゃうが、
物語の結末をのぞく90パーセントは、圧倒的におもしろい。
気持ちよく笑えるコメディとなっている。
これで「あとあじ」が、もうすこしよければなぁ……。
映画「どら平太」
映画祭のクロージング作品。
黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹の共同脚本を
最後に残った市川崑が監督。主演は役所広司。
市川崑の絢爛豪華な映像美作品は苦手だけど、
こういう動きのあるスタイリッシュな作品は、
やっぱり、たまらん! すばらしい!
つまり日本マンガの源泉である、
キャラクター、映像の構図、ネームの技術が甦った観すらある。
「これぞ時代劇!これぞ映画!映画のおもしろさここにあり!」
なんてのが映画のキャッチだけど、
市川崑というスタイリストに対して、「これぞ時代劇!」ってのは、
ちょっと、疑問符がつくなぁ。
なにより、映画「東京オリンピック」公開時の騒ぎを考えると、
そうやって、「これぞ時代劇!」と、くくることに、
意味があるのかどうかが、わからない。
とにかく、10フレームのピン送りや、
アクロバティックなイマジナリー・ラインの創出など、
もし、これを撮ったのが30歳の監督なら、
GROOVE感あふれるスタイリッシュ時代劇(わけわからん)とかなんとか、
まぁ、オシャレでぽっぷな映像として、
キャッチがつくんだろうけど……。
もちろん、ひとりのヒーローを描いた
よい脚本とは、こういうものだという一点でも、
この映画を観る価値がある。
ああ、鮮やかな短編小説の切れ味だなぁ。
いまふたたび、こういう映画を新作で観られることは、
ほんとうに素晴らしい。
おなじ日に観た「MONDAY」のほうが、
いわゆる「日本映画」していたことに、
ちょっと、感じるものはある。
いや、日本映画もいろいろと遠回りをしてきたねって、感じである。
授賞式・閉会式
さて、そのまま閉会式へ。まずは各賞の発表である。
結果については、映画祭公式サイトを見ていただくとして、
審査員の講評のなかで、
立川志らく@ファンタスティックビデオフェスティバル部門が
「ファンタスティック映画祭に、アートなんか、いらないっすよ。
いっそのこと、エンターテインメント作品に限定するべき。
エンターテインメント万歳!」といえば、
若松孝二@ファンタスティックオフシアターコンペティション部門は、
「やはり、アートこそ、たいせつにしたい」と、ひとくさり、
犬童一心監督@グランプリ受賞は、
「自分としては、アートとエンターテインメントの中間を……」と、
まぁ、なかなか、熱いやりとりが……。
いまさら、
アートとエンターテインメントの二元論じゃあないでしょう。
きっかけを作った志らく師匠の無邪気さも、いかがなものか。
ともかく、
そういう話になるあたりに審査の「熱気」がでていた模様。
そんなことは、まぁ、どうでもいいんだが、
オフシアター部門ディレクターの塩田時敏さんの
木村奈保子さんイジリには、大爆笑。
木村奈保子さんって、おいしいキャラだなぁ。



