胃袋はまだ夢を見る
夢のような一泊二日が終わり、
勤勉仕事人間になろうとした柴尾であったが、
日本列島は日曜日だった。
ただの日曜日ではない。
銀盤教師、キャンギャル、ソープ嬢、看護婦、
そして、サラリーマンが、まとめて休みになるという
惑星直列のような日曜日だったのだ!
こんな日は滅多にあるものではない。
滅多にない日は、ゲームデザイナーも休みになるのだ!!
さぁ、きみも叫ぼう!
「いい人ぉ!! ゴチしてちょーだい!」
銀盤教師の権俵樽造にキメゼリフを叫ばれて、
雨の新宿紀伊国屋前の午後五時。
おれを「いい人」と慕う7人が集まっているじゃねぇか。
よっしゃあ。
みんな大船に乗ったつもりで、ついてきやがれ!!
一行を引き連れて、歌舞伎町さくら通りの「三什二菜」へ。
シチューに明石焼き、豚の角煮にムサカをつつく。
ぱくぱく食べるみなさんに、おごるこちらも大満足。
なんでも、なおさんと「必殺管理人」さんは、
ネットに出没するニセなおの正体をつきとめんと、
八重洲のマンガ喫茶で調査活動をしてきたそうだ。
このメンツとの付き合いは、
ぼくのWWWデビューと同時期から。
長いような短いような2年間の中で、
気のおけない仲間になっているという感じだ。
ちなみにここでのぼくのハンドルネームは、
とよである。銃夢ではない。
権俵樽造が21時のバスで新潟に帰るというので、
いい人としては、意地悪をしたくなる。
「樽造が帰ったら、みんなで石焼きビビンパを食いにいこう!」
樽造がにやりと笑う。
「石焼きビビンパを食えるのなら、バスをやめて、
夜行快速電車で帰りますよ!」
樽造、見上げた根性だ!
ならば、焼肉の眞一館にむかうとするか!
眞一館は歌舞伎町の奥地にある。
途中、誘蛾灯のようなキャバクラの灯に
うっかり道を間違えてしまったのは、おれです。
かの有名なホストクラブ「愛」で、
カリスマホストの品定めをしていたのは、
看護婦とキャンギャルです。
みんな、あれだけ明石焼きを食べているにもかかわらず、
タン塩にハツ、ハラミにキムチ……
そして石焼きビビンパをパクパク。
みなさん、焼肉は、べつ腹ですか。
感心するほどの食いッぷり。
すっかり満腹になり、
「とよさんは、いい人だ!」連呼に送られて、現地解散。
トイレを借用した新宿のゲームセンターで、
「タイピング・オブ・デッド」のひとりプレイ。
200円で3面までクリア……。
明日こそ、節制しよう。




