DIARY:2000 MAY.21〜31


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2000年5月21日(日)

胃袋はまだ夢を見る
夢のような一泊二日が終わり、
勤勉仕事人間になろうとした柴尾であったが、
日本列島は日曜日だった。

ただの日曜日ではない。
銀盤教師キャンギャルソープ嬢看護婦
そして、サラリーマンが、まとめて休みになるという
惑星直列のような日曜日だったのだ!

こんな日は滅多にあるものではない。
滅多にない日は、ゲームデザイナーも休みになるのだ!!

さぁ、きみも叫ぼう!
「いい人ぉ!! ゴチしてちょーだい!」

銀盤教師の権俵樽造にキメゼリフを叫ばれて、
雨の新宿紀伊国屋前の午後五時。
おれを「いい人」と慕う7人が集まっているじゃねぇか。

よっしゃあ。
みんな大船に乗ったつもりで、ついてきやがれ!!

一行を引き連れて、歌舞伎町さくら通りの「三什二菜」へ。
シチューに明石焼き、豚の角煮にムサカをつつく。
ぱくぱく食べるみなさんに、おごるこちらも大満足。

なんでも、なおさんと「必殺管理人」さんは、
ネットに出没するニセなおの正体をつきとめんと、
八重洲のマンガ喫茶で調査活動をしてきたそうだ。

このメンツとの付き合いは、
ぼくのWWWデビューと同時期から。
長いような短いような2年間の中で、
気のおけない仲間になっているという感じだ。

ちなみにここでのぼくのハンドルネームは、
とよである。銃夢ではない。

権俵樽造が21時のバスで新潟に帰るというので、
いい人としては、意地悪をしたくなる。

「樽造が帰ったら、みんなで石焼きビビンパを食いにいこう!」

樽造がにやりと笑う。
「石焼きビビンパを食えるのなら、バスをやめて、
夜行快速電車で帰りますよ!」

樽造、見上げた根性だ!
ならば、焼肉の眞一館にむかうとするか!

眞一館は歌舞伎町の奥地にある。
途中、誘蛾灯のようなキャバクラの灯に
うっかり道を間違えてしまったのは、おれです。

かの有名なホストクラブ「愛」で、
カリスマホストの品定めをしていたのは、
看護婦とキャンギャルです。

みんな、あれだけ明石焼きを食べているにもかかわらず、
タン塩にハツ、ハラミにキムチ……
そして石焼きビビンパをパクパク。

みなさん、焼肉は、べつ腹ですか。
感心するほどの食いッぷり。

すっかり満腹になり、
「とよさんは、いい人だ!」連呼に送られて、現地解散。

トイレを借用した新宿のゲームセンターで、
「タイピング・オブ・デッド」のひとりプレイ。
200円で3面までクリア……。

明日こそ、節制しよう。


2000年5月22日(月)

そば旅行記でアクセス急増
さくまあきらさんのサイトで、
日記をほめていただいたこともあり、
この日、アクセスが2倍近くの211に伸びる。

日記を読んだ方からの
感想メールもあれこれといただき、素直にうれしい。

旅行記を書くのって、なんでこんなに楽しいんだろう。
しかも、さくまさんと競作……というより、共作する感覚が、
文章をドライブさせてくれるので、ありがたい。


2000年5月23日(火)

さらにさらにアクセス増加中
いったい、なんだなのだろう……?

昨日のさくまあきらさんに続いて、松村靖さん。
樽造さん、なおさん、すみれさんがあいついで、
日記の中で紹介してくださったおかげで、
いつもの2倍近いアクセスが続く。

松村さん、お近くにお寄りの際はぜひ、ご連絡ください。
樽造さん、なおさん、すみれさん、
また、いい人になりまっせ。

さてさて、ぼくはといえば、
赤坂で打ち合わせをしたあと、家でずっと作業。
「もうちょっと待ってくださいね」と
あちこちに謝ってばかり……。

5月22日付のさくまさんの日記や、
ここしばらくの高瀬美恵さんの日記などを読んで、
あれこれと共感することも多い。

ちなみにおふたりとも獅子座である。
そういう周期って、ほんとうにあるのだなぁ。

顔のない、なにものかとの戦いは
ほんとに疲弊に徒労に消尽のかぎり……。
少なくとも自分は自分の顔を維持していきたい。


2000年5月24日(水)

東京三角移動
東武練馬から、
千歳烏山にいって、戸越(銀座)経由で帰る。
移動時間がたっぷりあるのに、
本屋に寄る時間がなかったので、車内で手持ちぶさたなり。

カバンの中には、
ノートPCや仕様書などもあるのだが、
さすがに広げるわけにもいかず……。

終電間際の三田線は、疲れきった人々満載。
三田駅から乗ったので、自分はしっかり座れたのだが、
両隣のサラリーマンの「うとうと」もたれかかり攻撃に遭遇。

すこし戦ってみるのだが、
寝る子とサラリーマンには勝てず……。


2000年5月25日(木)

板橋SATY本日開業
13年住んでいる東武練馬に、待望の板橋SATYが開業!
今日は朝9時OPENなのだが、
その時間にかけつけるのは、ちょっと無理。

ああ、いきたいったら、いきたいったら、いきたいのになぁ。
やらなきゃならないことが、あまりにも多すぎるぜ。
このときめきは高校時代、
北九州の黒崎駅に「そごう」ができたとき以来だ。

「S! O! G! O! そごうにいこう!!
 S! O! G! O! そごうにいこう!!
みんな、そごうでお買いもの!
そろって、そごうにいこう!!」

これは、黒崎そごう開店時のCMソングだが、
20年たったいまでも歌えたりするから、おそろしい!
おれの頭脳には無駄なものが満載なり!

大規模小売店が自分の町にできる!
そのイベントは、この歳になっても、胸騒ぎがするものだが、
今回は12スクリーンの映画館つき!

いきたいったら、いきたいったら、いきたいなぁ。

午後3時まで家で仕事。

赤坂に向かうため、東武練馬駅いくと、
駅周辺はたいへんなことになっていた。

もともと東武練馬の駅周辺は、
歩行者と自転車とクルマが
渾然一体な生物都市でカオスになっていることで有名だが、
今日はとりわけ、すごい。

拡声器をもったSATY印のガードマンが、
「道をあけてください! クルマがとおります!
道をあけてください! 右によってください!
クルマがとおります! 道を開けてください!」と、叫ぶ!

SATYの袋を抱えた老若男女学生個人事業者の
大河をモーゼよろしくクルマが進む。

整然たる阿鼻叫喚。

車内読みものを購入するため、
駅前の書店「BOOKS SHIONO」へ。

「すごいことになってますね」
「朝からずっと、こうですよ」
店内は表のにぎわいが嘘のよう。

ここで、SATYを予習してきたおれのひとこと。
「でも、SATYには本屋さん、入ってないんでしょ?」
なにが「でも」だかわからないが、
SATY開業がこの店の商売には影響しないはず。
そんな思いをことばに託したってわけさ!
ご近所づきあいは人間の基本である。

「それがあるんですよ!」
「………」

予習がたりなかった……。
ああ、おれは、いつもそうだよ。
知ったかぶりでミスをするやつだよ。

SATY側の改札には、3台の券売機しかない。
この大群に3台の券売機とは、言語道断!
切符を買うだけで、ひどい目にあう。

ああ、ひどい目にあうだけあって、
仕事に行かねばならぬとは、因果な人生、往生しまくり!

赤坂で打ち合わせが、思ったより早く終わったのは、
日ごろのおこないのよさですか!?

いそいで東武練馬に帰る。

町に出ちゃうと、帰宅拒否症気味になるのは、
おれの持ち味ってやつだが、
これほど、東武練馬に帰りたいと思ったことはない。

板橋SATYに到着したのは、午後6時半。
駅前はあいかわらずの人・人・人……。
店内は12倍濃縮の人・人・人……。
あえて、形容すれば、午後7時の池袋地下通路。
理解できない地方の方、すまん!
おれってば、シティボーイだから……。

板橋SATY
開店日の早朝。わが家から望む板橋SATY。
右に見えるのは朝日。
広角気味のレンズを使っているため、
肉眼より小さく見える。

ワーナーマイカル板橋
ああ、店内のあちこちを探索するのは、
またつぎの機会にしよう。
開業に胸は躍るが、ここまでの人ごみは耐えられない。

とりあえず、話題の本屋とCD売り場などをチェック。
本屋はまぁ郊外型な品ぞろえである。
雑誌とマンガ中心、ぜんたいに浅く平積み主体って感じ。
とりあえず、便利かな?

さてさて、お目当てのワーナーマイカル板橋である。
12スクリーンのシネマコンプレックスである。
総客席数は2326である。THXシアターである。
ワーナー系の劇場では、
世界で1000番目のスクリーンが、ここにある。

ふふふ。すべては何週間も前に
近所のコンビニでもらったパンフに書いてあったぜ。

しかも、そのパンフをここに持ってきたぜ。
このパンフを持っていれば、
レギュラーサイズのポップコーンと代えてくれるんだぜ。

わが家にはあと5枚のパンフレットがあるぜ。

ポップコーンには、
バターをかけてもらうのがポイントさ。

最大客席数である549席の第8スクリーンは、
なぜかリバイバル上映の「マトリックス」。

いまさら、「マトリックス」でもあるまい。
おれはとっくに卒業してる。

てなわけで、アカデミー賞を総なめにした
「アメリカン・ビューティー」を観ることにする。

シネマコンプレックスというシステムは、
東京ではあまり見かけないものだ。

ワーナーマイカル板橋の場合、
1〜10スクリーン用の入口と、11、12スクリーン用の入口。
ふたつの入口があるわけだが、
基本的には単一の入口から、複数の劇場に入る。

まぁ、シネコンの発達した地方では、
なにをいまさらな説明だけど、
東京ではほんとうにこのシステムの劇場は少ないのだ。

シティボーイのおれとしては、
やはり説明するのがつとめでしょう。

だから、お客さんたちはみんな戸惑い気味。
案内放送がないのに、無理して入ろうとしては、
係員に止められたり……。

その係員も不慣れな放送を繰り返すのがほほえましい。

劇場は最高だけど……
「アメリカン・ビューティ」の案内放送を聞き、
第9スクリーンに向かう。

目の前を小さな子ども二人を連れた夫婦が、
小走りに進んでいく。そんな走らなくても、いいのに……。

シアターの中に入ると、
中央通路直後の席に、その家族が座っている。
子どもは4歳くらいの男の子と、6歳くらいの女の子である。

なるほどね。そこは特等席だもんなぁ。
劇場全体のど真ん中である。
でも、「アメリカン・ビューティ」の内容を知ってるのかな?
子ども連れの家族が見るような映画じゃないんだけど……。

家族の直後の席へ。
スクリーンサイズからいって、ちょうどいい感じの位置である。

開巻直後、ケビン・スペイシーの
シャワー中マスターベーションが印象的なり。
ああ、4歳の男の子や6歳の女の子に、
こんな素敵な映画を見せるとは、開明的な親だなぁ。

されど、親の心、子知らず。
べちゃべちゃ、おしゃべりはするし、
折りたたみの椅子をばたばたと上げたりおろしたりする。
そんな子をあやすために、親は缶ジュースをピシッと開ける。

ちなみにワーナーマイカル系では、
飲食物の持ち込み禁止だよ。

ああ、さすがにこれはたまらんなぁ。

「すみません。
お子さんをすこし静かにさせていただけませんか」

このさき、ずっと我慢するのは、やだからね。

ぼくのことばに、はげかけた頭のお父さんが、ふりむいて、
「そっちは、ここに子どもがいるのを知ってて、
そこに座ったんだろ。
文句をいうなら、そっちが席を移れ」だってさ……。

意表をつかれました。

東武練馬には、
ぼくの知らないルールで映画を観る人がいるんですね。
それで走って席を確保していたんですね。
うーむ。すごいなぁ。

ルールの違う人とは、係わり合いになると、損をします。
なにより、ヌードあり、かなり衝撃的なシーンありの
映画をそもそも見せる父親だしね。

かといって、シアターのど真ん中に座っているご家族から、
遠く離れた席では、映画鑑賞も興ざめです。
極力、シカトするしかないでしょう。
そのままの席でずっと映画を観ることにしました。

その後も泣くわ。走るわ。
子どもがおしっこにいきたがるのを
抱っこしてごまかしながら、父親はヌードを見入るわ。
いろいろありましたけど……。

映画が終わって、ご家族の帰りぎわ、
クレジットロールに浮かび上がった
お母さんの顔が、どことなく、
業田良家のマンガのあの人に似ていたのには、
なにか納得する思いが……。

最高の音響の劇場というハードウェアに、
すばらしい作品というソフトウェアがあっても、
モラルという精神のインフラなき環境では、
映画がかわいそうです。

日本でもきっちりしたR指定やNC指定を導入することを
強くつよく希望!

あ、「アメリカン・ビューティー」は、最高!!
ただ、序盤は映画以外のところで、
精神的硬直があったので、もう一度、観てみるしかないなぁ。


2000年5月26日(金)

湯島のジンギスカン
仕事先の赤坂から千代田線で、湯島へ。
東京に住んで20年近いが、この駅で降りたのは、初めて。
地下鉄には、降りたことのない駅が、
まだまだ、たくさんある。

約束の時間まで、2時間以上ある。
駅周辺をすこし歩き、
なにげなく見つけたマッサージ屋さんで、揉んでもらう。
気持ちよし!

湯島の東京ジンギスカン
高瀬美恵
さん、MANTRAくん、I田くん、けーむらくんと、
ジンギスカンを食う。うまいなぁ、羊の焼肉!

じつをいえば、羊の焼肉はお袋の味だったりするのだ。
実家の酒屋は、八幡製鐵所の三交代制に合わせて、
朝6時から夜11時まで、開いていた。

そんな忙しい中、鍋物や焼肉など、手間のかからないものが
夕餉の食卓に乗ることが多かったのだが、
焼肉といえば、もっぱら、羊の焼肉だった。
ちなみにラムじゃなくて味付けマトンだし、
ジンギスカン鍋じゃなくて、ホットプレートだったけど……。

この店はMANTRAくんが、ネットで見つけてくれたそうだ。
ふんわりと柔らかく、香ばしく焼けたラムと、
ふんだんに盛ったもやしをばくばく食べまくる。

韓国風の焼肉もうまいんだけど、
大量に食べて、食べ疲れしないという点で、
ジンギスカンもいいなぁ。
ビールがうまい季節になったら、ぜひもう一度、いきましょう!

大満足のご一行はタクシーで、新宿へ。
今夜は深夜から、ロフトプラスワンで、おなじみ、
「菊地秀行presents
ホラー映画史VOL2・ドイツ怪奇映画特集
ドイツもこいつも幻想怪奇」が、あるのだ。

早めに着いたので、喫茶ルノワール区役所通り店で、
バカ話をあれこれと……。
おや? あそこにいる黒づくめの服装の方は、
本邦随一の怪奇小説家にして、
黒猫のぬいぐるみ、ミーコちゃんとの同棲でも有名な
倉阪鬼一郎さんではないか。

倉阪さんもまじえて、さらにバカ話。
おお、気がついたら23時30分である。
そろそろ、いかねばならないのである。

ここで帰ったMANTRAくんにかわって、
ロフトプラスワンでは、シエラさん、角銅博之さんと、
「コロシアム2000」で船木の敗北を見てきた
WMC・OB会格闘技班の鹿(殺)ちゃんとK松くんが合流。
すごい人数で奥座敷を占拠する。
さてさて、今回はちょっとしたイベントがあった。

菊地秀行先生と飯野文彦先生外谷さんからの花束贈呈
(左)菊地秀行さんとミスターX。(右)外谷さんから花束を受けとる飯野さん。

菊地秀行ナイト@ロフトプラスワン
まずは、菊地さんのご挨拶。
「今回は飯野文彦さんがお休みです」
会場から「ええええええ!?」の大合唱。
「そのかわり、スペシャルゲストとして、
ミスターXをお呼びしています」

そこに現われたのは、白覆面の怪人!
見慣れた輪郭、見慣れた体型、聞きなれた声……。
つまりは、ただの飯野さんであった。

覆面をとった飯野さんに対して、
会場から「おめでとうございます」の声。
6月16日の誕生日を前にして、
ちょっと早めのバースデイパーティということになったのだ。

会場には「おめでとう」の横断幕。
菊地さんの作品で強烈なキャラクターとして君臨する
外谷さんからの花束贈呈。特製の手作りケーキ。
いやはや、すごいなぁ。

会場いっぱいに広がる横断幕倉阪さん、神月さん、けーむらくんが横断幕を張る
(左右)会場の横断幕。

ドイツ表現主義
今回は第一次世界大戦後、ウーファ映画社の台頭から、
フリッツ・ラングの登場までを回顧。

この時代に登場したさまざまな怪物の造型と演出が
のちのホラー映画にどれほど、
大きな影響をあたえたかというもの。

まずは、「プラーグの大学生('13)」。
「ドッペルゲンガー」テーマ(?)の
ホラー映画の嚆矢ともいわれる作品。
伯爵令嬢にたいして、身分違いの恋をした若者が、
自分の思いをとげるために、悪魔と契約。
大金と引き換えに鏡の中の自分を担保にしてしまう。

おもしろい……というより、興味深い映像。

つづいて「カリガリ博士('19)」。
ドイツ表現主義的映画の代表作である。
動いている映像でこの作品を見るのは、
じつにひさしぶり。

画面と関係なく飯野さんが、
あれこれと下品なことをいうのは、いつものことだ。

最近の会場の傾向として、
飯野さんが下品なことをいうたびに、
会場の女性がラッパや太鼓をたたくという
リアクションが定着している。
鳴りものの数は、回をおうごとに増えてきている。

前半最後は「吸血鬼ノスフェラトゥ('22)」。
まぁ、解説不要のホラー映画の古典ですね。
ブレーメンを舞台とした創作の中で、
「ブレーメンの音楽隊」とならび称される作品……か?

いったん休憩をはさんで、
菊地秀行先生の創作ワンポイントレッスン。
今回は「菊地流主役キャラクターの作り方」編である。

これは会場に来た人だけの特典ということで、
内容は書かないけど、
ひとつの真理はシンプルでいちばん力強いもの……。

このあたりで、舞台は、あれこれと話をする菊地さんと、
外谷さんにちょっかいをかけまくる飯野さんの
同時進行二部構成。
あとで話をきくと、飯野さんは外谷さんに
あんなことや……こんなこと……をしていたそうだ。

菊地さんが話をむけると、
「うん×、ち×こ、×んこ」と、意味不明に返したり、
菊地さんが「フリッツ・ラングが……」といえば、
「じゃあ、菊地さんはその人に会ったんですか」などと、
怪異な突込みをする。

おれはといえば、
飯野さんの「うん×、ち×こ、×んこ」を聞きつづけて、18年。
なにごとにも「変わらぬことこそ、たいせつ」という
美点はあるはずだが、人生において
「うん×、ち×こ、×んこ」ばかりは、美点ではない。
不要品である。

さて、後半は2本の作品を紹介。
まずは、「巨人ゴーレム('20)」だ。
これは有名な作品であるにもかかわらず、初見。
実際のユダヤ人ゲットーを使ったロケーションなど、
セットでは表現しきれない見どころ満載。

つづいてフリッツ・ラングの「ニーベルンゲン」より、
「ジークフリード('24)」。
日本版ビデオのため、弁士の講釈が入っているが、
これもなかなか楽しい感じ。

1913年の「プラーグの大学生」から、
1924年の「ジークフリード」まで、
映画が映画になっていく過程をこうやって見るのは、
なかなか楽しく興味深い体験であった。

さて、飯野さんはといえば、なんだか、
酔っぱらって、舞台の上で幸せそうに眠っている。

その後、出演者のみなさんと、軽くお茶を飲んで、帰る。


2000年5月27日(土)

映画「ミッション・トゥ・マーズ」
午後9時半、東武練馬に帰り着き、板橋SATYへ。

ワーナーマイカル板橋の第8スクリーンで、
ブライアン・デ・パルマ監督の新作「ミッション・トゥ・マーズ」鑑賞。
じつは、12スクリーンあるワーナー・マイカル板橋の中で、
きちんとしたTHXシアターの認定を受けているのは、
この第8スクリーンだけである。

だからといって、
ほかのスクリーンの音や絵のクオリティが落ちるかといえば、
そんなことはないらしい。

まぁ、THXの認定料はとても高いとか、
あれこれ大人の理由があるらしいのだけど、
ふふふ、教えてあげないよ。

まず、今回は馬鹿な観客には遭遇しなかった。
それだけでも、うれしい。
ただ、レイトショー料金は1200円なんだけど、
土曜日の夜だけは、通常料金の1800円になるそうだ。
ちょっと損した気分なり。

デ・パルマ作品を好きな順番でいえば、
1)「ファントム・オブ・パラダイス」、2)「殺しのドレス」
3)「スカーフェイス」、4)「アンタッチャブル」、5)「キャリー」。

そんなデ・パルマのSF映画ってんだから、
期待しないほうが……自然でしょう(誤字にあらず)。

いろんなところが、デ・パルマな映画であったけど、
SFかといえば、首を傾げたくなる作品だった。

「おれってばもう巨匠だから、
「2001年」みたいなすげぇ作品を作りたいよなぁ。
映画史に残るようなそんな作品ね。
でも、予算って、それだけなの!?
ああ、大丈夫!!
こう見えても低予算映画作るのとくいなんだよ。
むかし、あれこれやってたからね。
「キャリー」知ってる?
スティーブン・キングがベストセラー作家になれたのも
おれが映画化してやったおかげなんだよ。
そのころにくらべたら、けた違いの予算だよな。
ま、あたりまえか、おれ、巨匠だから。
え、そっちのシーンは、もう撮る予算がないの?
まずいなぁ。でも、しょうがないか。
じゃ、カットしよう!
こう、カメラを長回しして、ハイスピード撮影もいれて、
手前のシーンで、くらくらさせちゃえば、
観客だって、脚本にそんなシーンがあったことなんて、
気づかないよ。
映像の勢いってやつでさ。
コンピュータグラフィックスとかで、こういうのできるんでしょ?
わからない? 「殺しのドレス」って、
おれの作った映画のビデオを貸してあげるから、
ちょっと見てみてよ。ほら、その美術館のシーン。
サスペンスが盛り上がるでしょ。
それ、CGでやっちゃって!
ああ、楽しみだなぁ。
おれもキューブリックみたいな巨匠になりたいんだよな。
いや、前はヒチコックがどうとか、あったけど、
まぁ、もう卒業したというか。
21世紀のいまさら、ヒチコックじゃないよね。
やっぱり映画史に残る作品をこれから作らなきゃね。
それにはリアルで哲学的なサイエンスフィクションだよ。
ちなみに娯楽映画だったら、
おれのほうが、キューブリックなんかより、うまいから、
リアルで、哲学的なエンターテインメントSFになるって!
すごいだろ?」

と、そんな映画。
映画史に残るか……。
「コンタクト」が残れば、これも残るだろう。

でもまぁ、シアターを出た観客のみなさんは、
口々に「おもしろかったぁ」といってたから、
それだけ、映画「館」がすごかったということでしょう。

たしかに、すごいシーンもいくつかあります。
すごくなりそうだった展開もいくつかあります。
でも、結局、あっけにとられるだけの映画です。

それにしても、外人俳優って、
エイリアンに遭遇するときなど、なんで、みんな、
カール・セイガン@「コスモス」な顔つきをしやがるんだろう。
口を半開きにして、嬉々とした目つきをする。
ゲイリー・シニーズのそんな顔を見たくはなかったなぁ。

でもまぁ、好きだよ。ブライアン・デ・パルマ。
きみが撮った20以上の作品のうち、
15番目くらいにいい映画だ。


2000年5月28日(日)

板橋SATYでショッピング
大混雑の板橋SATYも、日曜の夕方ともなれば、
多少はすいてくる。

4階のインテリア売り場でクッションやテーブルクロスを購入。
このフロアの混雑は、休日の池袋西武なみ……。
本屋とワーナー・マイカル板橋のショップ以外で
買いものをするのは、これがはじめて。

買いものが終わり、ちょっと休もうと1階に降りたのだが、
スターバックスコーヒーは、人間だらけで、げんなり……。
だが、そこから目を右に向けると、
がらがらのイタリアン・トマトが……。

なんか、開店早々、穴場な店だなぁ。

いったん家に帰り、「浅ヤン」などを見ていたのだが、
映画を観たい熱が、どうにもこうにも止まらない。

観たいよー。なんでもいいから、映画を観たいよー。
大きなスクリーンで映画を観たいよー。
いや、ここまでの映画熱は予備校時代以来だ。

家を出たのが午後9時40分。
で、午後9時55分上映の映画に
余裕で間にあっちゃうのが、すばらしい。

ワーナー・マイカルはオールナイト上映を
あまりやらないようだが、オールナイトなんてやられたら、
身の破滅だな……。

いずれにせよ、とりあえずの目標は、
ワーナーマイカル板橋にある12のスクリーン完全制覇である。

ちっぽけな目標のようだが、
自分のルールで、なにかをすることこそ、
こだわりの基本なのだ。

きょうのワーナーマイカル板橋は、全スクリーン全席指定。
なるほど、混雑する日曜日は、そういうルールなのね。

こんな日こそ、25日の日記に登場した人外親子に
会いたいものだが、そうは問屋がおろさない。
観客がらがらのレイトショーで、快適に映画鑑賞できました。

映画「ファントム」
ワーナーマイカル板橋、第4スクリーンで
映画「ファントム」を鑑賞。

原作は娯楽系ホラー作家、ディーン・R・クーンツである。

同じホラーの作家でも
スティーブン・キングの新刊ならば、
寝食を忘れて読みふけり、読後は本棚の特等席に置くのだが、
クーンツは成田の本屋で買って、太平洋便の飛行機で読み、
旅先で捨てて帰るような作家である。

最近のクーンツは、「超訳」されるようになったので、
ますます読む機会が減ってしまった。

クーンツ自身が脚本を書いた映画「ファントム」だが、
これがよかった。
期待値が50とすれば、58くらい楽しめる映画だ。
ほんとうにいい仕事をしている。

映画の完成度という点で、
キング原作作品の8割より、楽しめる。

主演女優のふたり、
とくに妹役のローズ・マッゴーワンがナイス。
ちょっとビッチな女優が、
前向きな演技をしているだけで好印象。

量産ホラーの定石をていねいにたどり、
観客を心地よいサプライズに導いてくれる。

定石に忠実なあまり、
ホラーに本来不可欠な不条理が生み出す滋味は、
かけらもないけど、
それをいうのは、ないものねだりでしょう。
だって、クーンツの原作脚本だよ。

恐がりだけど、ホラー好きの女の子と
楽しく見られる映画なり……。

ピーター・オトゥールのマッドサイエンティストぶりも楽しめて、
レイトショー料金の1200円は、
とってもリーズナブルよ!


2000年5月29日(月)

映画「アンドリューNDR114」
一日、家で作業をしていると、
お尻がむずむずしてきませんか。
外に出て、映画を観たいと思いませんか。
歩いて5、6分の距離に映画館があるとしたら……。
夜10時ちかくても、映画をやっているとしたら……。
そりゃ、いくでしょう、普通……。

言いわけをするのも、どうかと思うが、
今夜もワーナーマイカル板橋のレイトショー。
いやとんでもなく忙しいんですけどね。

今夜はロビン・ウィリアムス主演の
アンドリューNDR114」を第3スクリーンで鑑賞。

「SFマガジン」に掲載された
アイザック・アシモフの原作短編を読んだのは、
ぼくが高校生のころ。

そのときは「200周年を迎えた男」というタイトルだった。
それが創元推理文庫版では
「バイセンテニアル・マン」というタイトルになった。
映画版と、ロバート・シルバーバーグのノヴェライズでは、
「アンドリューNDR114」だから、ややこしい。

ちなみにアメリカではずっと「Bicentennial Man」である。
(ノヴェライズ作品は「The Positronic Man」)
当然か……。

原作はアシモフの諸作の中でいちばん泣ける作品。
映画への関心も当然、
どのくらい泣けるかがポイントである。

泣きました。
人間が矜持を持って迎える、生と死のドラマには弱いのです。

それはたしかだけど、
生と死から生まれる感動という点で、
「シックス・センス」や「ジョー・ブラックをよろしく」、
「ライフ・イズ・ビューティフル」を
10とすれば、7くらいの泣け方。

「ホーム・アローン」のクリス・コロンバスが監督を務め、
抑制と豊かさの混じった演出をしているものの
200年という「とき」の重さが薄くて、もうひと味、足りないのだ。

アシモフのロボットものの醍醐味である
「ロボット工学三原則」も登場することは、するのだが、
紹介程度にとどまり、
作中、何度も「おいおい、それじゃ」と、つっこみたくなる。

原作のエピソードこそ、丹念におってはいるものの、
「三原則」のロジックを映像で見せる部分で、
どこか手を抜いていり、構成が平板になっている。

とくに第一原則と第二原則が、
まるで効いていないアンドリューは、ただの不良品でしょう。
ドラマの核となる部分を放棄しているとしか、思えない。

まぁ、最近のロビン・ウィリアムス主演ものでは、
いちばん抑制された演技で、好感が持てたのは事実。
うるさいアクターには、ロボットスーツを着せるべし。


2000年5月30日(火)

映画はお休み……
映画強化週間のはずが、
さすがにそれどころではなくなり、今日はお休み。
映画観たいよー。観たいよー。観たいよー。

明日は仕事にめどをつけ、ぜったい一本、観てやる。

しかし、それでもSATYにいき、
5階の回転寿司「魚屋一代」で、昼食をとる。

そのまま帰るつもりが、4階で安売りしていた
ウェッジウッドのティーカップとソーサーを買わされる。


2000年5月30日(火)

最近の女子高生
板橋SATYの回転寿司屋「魚屋一代」で、昼食後、
レジ前で会計待ちをしていると、
ぼくの胸の前、身体をかすめるように手が突きでてきた。
制服姿の女子高生。

そのまま、レジの横に大量に置いてあるマッチ箱を
10個ほど、つかみとり、カバンの中に流しこむ。
「あたし、マッチ好きなんだ」

おまえは、八百屋お七か!

そういったあと、ふたたび手が伸びて、
つかめるだけのマッチを握ると、ふたたびカバンに流しこむ。
いや、たしかに無料で配っているものだけど……。

「サチは、とらないの?」友だちにきくが……。
「いらない……」顔をしかめたサチは答える。
三たび、手がマッチに伸びようとする。
さすがにサチが「もう、やめなよ!」
「え? どうして?」
「怒るよ……」
そこまでいわれて、
しぶしぶと、マッチをふたつとるにとどまった。

むかしはオバサンくさい行動といわれたものが、
最近の女子高生の普通の行動。
ほんとは、どこまでとっていくのか、見たかったんだけどね。

メタルマックス定例企画会議
毎週水曜日に定例でやっていた
「メタルマックス ワイルドアイズ」企画会議の最終回。

会議終了後、千歳烏山の七輪焼肉屋で、
企画スタッフ打ち上げ。

最近、ネット活動に燃えているとみさわさんと
インターネットについてあれこれ話したり、
宮岡社長の「すごさ」に触れたり……。


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