田中公平作曲家生活20周年記念
炎のオーケストラコンサート
はじめて田中公平さんとお会いしてから、
すでに9年ちかくたつ。
最初の仕事は「レナス 古代機械の記憶」である。
新しいRPGの作曲をお願いできる方を探しているとき、
アスミックで「超攻合神サーディオン」の作曲を
終えたばかりの田中公平さんが素晴らしいから……と、
推薦してくれたのが、岡本、小川の両プロデューサーだった。
正直にいえば、音楽の世界に疎いぼくは、
このときまで、田中公平という存在を知らなかった。
むしろ、「-笑ゥせぇるすまん-の人だよ」と聞いて、
「ゲームのめざす雰囲気と全然ちがうんだけど、平気かな」と、
おびえて(?)しまったというのが、正直なところだ。
どーーーん。
いくつかの曲を聞かせていただいて、
「生理的に小気味いい!」
ご本人にお会いして、
「ゲームのことをよくご存知だなぁ!」
フィールドや戦闘の曲をいただいて、
「これだよ! これがレナスの空気なんだよ!」
調子に乗って、50曲ちかくお願いしてしまった。
なにより、こんなにすごい曲を作る人が、
ぼくの作ったレナスの世界をほんとうに好きでいてくれて、
それをことばで、態度で、曲で表現してくれることの幸せ。
そんな幸せを味わえただけでも、
ゲームを作れてよかったと心から感じられる。
その後、「レナス2」では、色彩感ゆたかな数多の曲を
提供していただいたにもかかわらず、
制作の遅れと、発売本数の少なさで、
アルバムという形にさせていただくことができず、
ほんとうに頭が下がるばかりで、
おれも悔しかったぞ、こんちくしょー!
ひさしぶりにお会いしたのが、
「レナス」、「レナス2」でサウンドデータを打ち込んでもらい、
ご自身も「ミスティックアーク」の作曲など、
意欲的に仕事をされていた
森彰彦さんのお通夜だったというのが、
あまりにもせつなくて……。
森さんというすてきな人(温泉好きな飲み仲間)については、
いつかきちんと書かなきゃね。
その後、「げーむじん」という雑誌のインタビューで
音楽事務所イマジンにおじゃました際、
あれこれうかがったあと、
「柴尾さんもさぁ、こういう仕事じゃなくて、
もっとゲームを作っていかないと……」と、いってくださったのが、
あまりにも痛くて、つらくて……。
「いや、ゲームは、いまも作っているんですけど、
自分の足場を確かめるためにも、この仕事は有益なんです」と
いえたか、どうかは、記憶にない。
その半年後に「レガイア伝説」をだして、
そこそこに売れ、気分としては、
「ALIVE AND WELL」報告な感じ……。
初めてのキスは忘れられないものだけど、
自作への初めてのゲーム音楽も忘れられないもの。
ともかく柴尾英令がゲームを創るという、
その過程において、いつも意識する人の筆頭が、
田中公平という人なのだ。
そんな田中さんが20周年記念コンサートに
招待してくださったとあれば、かけつけるのは、あたりまえ!
イエネコ、アンジーとともに
「東京オペラシティ コンサートホール」へ。
わずか十数分で1632の席が、SOLD OUTになったという
プラチナチケットの2階バルコニー席正面最前列!
座っただけで至福なり。
開巻いきなり、
宮松重紀指揮の東京フィルハーモニー交響楽団をバックに
朗々たるテノールを披露する田中公平さん!
(「ハーメルンのバイオリン弾き」主題歌「未完成協奏曲」)
いやはや、まったく、田中さんらしい……。
第一部は「〜20周年な夜〜
田中公平自身が選んだ劇伴代表作 TOP10」と称して、
「勇者エクスカイザー」、「絶対無敵ライジンオー」、
「ゲートキーパーズ」、「ワンピース」、「笑ゥせぇるすまん」、
「機動戦士ガンダム第08MS小隊」、「機動武闘伝Gガンダム」、
「銀河鉄道999エターナルファンタジー」、
「バスタード 暗黒の破壊神」、「トップをねらえ!」、
「勇者王ガオガイガー」の順で、披露される。
折笠愛さんとのMCの中での話によれば、
過去100を越える作品の中で、
5500もの楽曲を作られたとのこと。
その中でのTOP10という無謀な企画……ではあるが、
そこは健やかな自信とサービス精神の田中さんのこと。
打者の手元でのびる直球勝負!
曲が進むにつれ、オケを小気味よく鳴らしていき、
意欲あふれる「バスタード」から、
さりげなくパイプオルガンを織り込んだ「トップをねらえ!」を経て
田中メロディ炸裂の「勇者王ガオガイガー」へと、
なだれこむあたりで、オケも聴衆も全開状態。
気持ちよく興奮させていただきました。
このライブを収録したCDは、来年1月24日、
ビクターエンターテインメントより発売予定とのこと。
きみは買うか。おれは買うぞ!
「第一部でここまでやっていいのかしら」と、思う間もなく、
第二部は、「〜サクラな夜〜」である。
帝国華撃団のみなさまが歌う「ドリーム夢の1ポンド」から、
「春風の恋歌」、「つばさ」、「シンデレラ」、「愛は永久に」と、
聞き進むにつれ……、
いやもう、
おれ、サクラな世界ってば、なんとなく、てれくさいんだよな。
やっぱり、正面きって、ああいうこと歌われちゃうと、
うひゃああ、まいっちゃったなぁって、気分で……。
あれ!? でも……、いいじゃん……、
シャイなおいらの自意識を
スパっとひっくりかえすこの心地よさって、
なによ、これ、これ、いいわぁ。
そして、「サクラ対戦BGMメドレー」
うわぁ、なんて饒舌で豊饒で華やかな……。
手拍子ですか。手拍子ですね。パンパンパン。
ぷはぁ、ずずずずずっと、溶けますね。
鳴りやまぬ拍手とスタンディング・オベーション。
そして、アンコール。
田中さん、最高の夜をありがとうございます。
20周年、おめでとうございます。
帰宅後、会場で無料配布されたパンフレットを読んで、感涙。
田中さんの音楽担当作品一覧に、
JASRAC登録作品全リストと詳細データつきで、すごすぎる。
「レナス」や「レナス2」、
(そして、さる理由で)「レガイア伝説」の曲名がそこにある。
いろんな思いもそこにある。










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