石ノ森章太郎ふるさと記念館
午前8時半、メトロポリタンホテルで朝食をとったあと、
10時6分発の「やまびこ101号」で、仙台駅からくりこま高原駅へ。
わが人生において、
くりこま高原なんて駅に降りることがあるなんて、
想像もしなかったぞ。
駅構内は、展示会とかで、
大輪の菊の花で埋めつくされている。
新幹線駅が地域コミュニケーションの核になっているんだね。
あてにしていたシャトルバスは、現在運休とのことで、
タクシー2台に分乗して、
中田町(町・商工会)の「石ノ森章太郎ふるさと記念館」へ。
←地図。
運転手さんによれば、「近いよ」とのことだが、
地図で調べたところ、直線距離で14キロ以上ある。
東京でいえば、東京駅から下高井戸くらいなり。
秋晴れの空の下、
「石ノ森章太郎ふるさと記念館」に到着。
2000年7月20日に開館したばかりのこの建物は
石ノ森先生の生家のすぐそば、
蔵作りの家をもとに作られている。
現在特別企画展として公開中の
「畑中純彫る、宮沢賢治・石ノ森章太郎の世界展」で、
畑中純先生の
大らかなマンガと版画を堪能したあと、常設展へ。
「トキワ荘室内再現」
小さなアパートの一室が、世界の扉となるそのさまと、
なつかしい「あの時代」の空気が詰まっている。
「お祝い扇子の展示」
石ノ森先生の漫画家生活45周年と
1997年、全国で展開された"石ノ森萬画館"のお祝いのために、
45人の漫画家さんから送られた扇子の公開。
原哲夫版や大友克洋「009」なんてのもあるぞ。
「ボクの宝物」
世界のお土産や、
いろいろな方からプレゼントされたものが満載。
その脇に置かれていた8ミリカメラは、
とてもたいせつに使われていた様子で、
ヴィヴィッドななにかを語りかけてくる。
「生家ジオラマ」
機械仕掛けのジオラマは、起動すると、
仮面ライダー、ロボコン、ゴレンジャーと
さまざまな夢の果実があふれ出てくるからくり。
床には、立体プロフィールがあるし、
奥のビデオシアターでは村野守美監督の
ビデオアニメ「小川のメダカ」が上映されている。
「おや? 梶野さんが出てこないぞ」と、思ったら、
ビデオシアターで、「人造人間キカイダー」に、へばりついている。
「チェンジの音がいいんですよ」
つきあって、しっかり堪能する。
ぼくにとって、石ノ森章太郎という人は
漫画家というよりも、「仮面ライダー」をはじめとする
映像作品の原作者の印象が強い。
漫画家、石ノ森章太郎が、
自分の中のどこに位置するのかと自問してみる。
映画監督にたとえれば、
リュック・ベッソンに相当するのではないか。
卓越した映像センス、時代の空気に対する読解力、
ドラマよりもキャラクターへの志向、
作品の中に見え隠れする疎外感の図式、
テーマに対する飽きっぽさ……。
なんか、ベッソン作品を彷彿としないか?
だから、どうだってわけじゃないんだけど、
館内であれこれ見ながら、そんなことを考えていた次第。
とにかく、
ていねいで、明るく、優しいミュージアムだった。
ミュージアムショップ「墨汁一滴」に寄ったあと、
生家の中にあげてもらって、中を見学。
築120年近くのものだそうだが、
奥にひろい、明治の商家の作りは不思議となつかしい。
ジャンボタクシーの手配をするために、
ふたたび館内に入った真理子さんと一緒に出てきた男性から、
名刺をいただく。「館長 小野寺弘幸」とある。
小野寺といえば石ノ森先生の本名である。
もしやと思い、たずねてみれば、
「ええ。石ノ森の弟です」
うひゃああ。なぜだか、恐縮しまくる。
やってきたのは、
ジャンボタクシーではなく、小型バス。
そのまま、石巻市内まで移動。
来年夏のオープンに向け、
市内で建設途中の「石ノ森漫画館」を見る。
完成予想後のCGはこちら。
こちらは、市内にある「墨汁一滴」のサイト。
石巻市内は平日の午後とあって、
商店街も閑散とした雰囲気だったが、
市内のいたるところに、マンガのモニュメントがあって、
なにか不思議な空間。
さくまさんたちは、町で買った焼きそばパンなどを
しっかりと食べていたが、柴尾は我慢がまん。
しかし、駅前のVIVREで、お茶をしたときに、
ハンバーグセットを食べてしまったりするから、
笑うっきゃないよ。
仙石線で、仙台にもどり、駅ビル地下の「喜助」で、
牛タン定食をぱくつく。
やはり、仙台で牛タンを食わないわけにはいかない。
香ばしくておいしい牛タンだったなり。
午後6時47分発の「やまびこ24号」で、帰京。