DIARY:2000 NOV.11〜20


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2000年11月11日(土)

「ローマ人の物語IX」と「暗黙のルール」
塩野七生の「ローマ人の物語IX 賢帝の世紀」と、
海老沢泰久の「暗黙のルール」。
新潮社から出た2冊の本を読了。

「ローマ人の物語」は、あいかわらず、おもしろいのだが、
なにせ五賢帝時代である。

人間として魅力ある皇帝や、
不平不満を口にする文人などが、ほとんど登場せず、
ちょっとものたりない。

「暗黙のルール」は、著者2冊目のエッセイ集。
海老沢泰久の作品だから、つまらないわけがないんだけれど、
さらりとして、滋味ある「ことば」が、うれしい。

さまざまな掲載誌の文章を集め、まとめたものだが、
構成も巧みで、
気がついたら、読み終えていた次第。

「あんたたち、文明のなかに住んでいるんだから、
もっと文明人になっておくれよ」

そういいたい事件は
毎日を生きている上で、多々遭遇する。
そんなときに喉の奥からあふれてくる、えぐ味の正体を
うまく納得させてくれる本……。


2000年11月12日(日)

アクセスバブルについて……
ここ10日ほどのあいだに、とてつもない数の方々が、
当サイトを訪れてくださった。
そのことにまず、感謝。

あらためて、はじめまして。そして、今後ともよろしく。

プロジェクトが「無期延期」になったというのに、
六本木で朝まで飲んだり、松茸を食いまくったり……。
「はじめまして」の方は、
「いかがなものか」と、思ってるんだろうなぁ。

ただ、自分のやり方で生きているだけなんです。


2000年11月13日(月)

秋の暴飲暴食ツアー2 in 仙台
先週は、「松茸」だった!今週は、「牛」なのだ!
実りの秋! 移動力が倍増するさくまあきらさんが主催する
「暴飲暴食ツアー」その第二弾は杜の都、仙台である。

午前9時半、東京駅に集まった、
さくまファミリー、土居孝幸さん、梶野竜太郎さん@HUDSON、
そして、おれの6人は、大丸でお弁当を買いこみ、
10時16分発の「つばさ121号」で、山形へ。

へ? 仙台牛を食べるのに、なんで山形なの?
その疑問は正しい。

おいしいものを食べるために、体を動かす。
これは人間としての常識である。
その常識に従って、われわれは、山寺の立石寺へ。

しづかさや岩にしみいるせみの声」
とは、松尾芭蕉が「おくのほそ道」で、読んだ句だが、
その舞台となったのが、この立石寺なのだ。

千段を超える石段が切り立った山に連なることでも有名だ。
肉を食う前に、石段を登っていけば、
すなわち、空腹は最大の調味料というわけ……。

まぁ、さくまさんと土居さんは、
iモードゲーム「さくま式おくのほそ道」を作っているので、
その取材もかねている。

山形市内は晩秋の色。
市内からジャンボタクシーで、立石寺に向かう。

登りましたよ。1100段ちかく。
一番上の奥の院までいくのは、さすがに断念したが、
一度にすべてを見切ってしまうのは、つまらない。
また次回のために、勘弁しといてやろう。
(負けおしみ)

その後、松尾芭蕉記念館へ。
しかし、月曜日は休館日……。
専門用語でこれを「成沢大輔の呪い」という。

そのそばにある「山寺 風雅の国」で、
お茶を喫し、お土産を買う。
ここはとても感じのいい空間で、かなりオススメです。

ミニバンタクシーは一路、仙台市内へ。
一同メトロポリタンホテル仙台にチェックイン後、
今日のメインイベントに!

登る 遠景
(左)山寺を行く。(右)麓を望む。

石段 山の風景
(左)果てしなき石段。(右)山頂付近。

大胡椒
以前、仙台を訪れたさくまさんの日記で、異彩を放っていた名店。
それが「大胡椒」である。
仙台牛のうまいところを、炭火で炙って食べる店である。

おや? なぜか人数が増えているぞ?
なんと、先週の松茸旅行でごいっしょした
高円寺の整体師、梅津実さんと、その母上、兄上ではないか。

3人は、「大胡椒」で肉を食べるために、
梅津さんは東京から新幹線で、
母上と兄上は福島からクルマで来たという。

9人が囲む丸テーブルに、炭火が運び込まれる。
肉焼き一筋17年(推定)のSさんによって、
焼かれるヒレ、ロース、エリンギ、山芋、オクラ……。
これがもう、うまいのなんの。

肉を焼く
焼き上がりを待つ。

胡椒入りの塩、わさび醤油、レモン醤油などにつけて、
肉を食べるのだが、
網の上で転がす肉を、9人がじっと見守り、
Sさんが、自分の皿に、焼けた肉を運んでくれるのを
口をあんぐりあけて待つという次第。

ああ、梶野さんが騒いでいるぞ。
「もー、うまいのなんの……」
苦しそうだ。うますぎて苦しそうだ。

明治維新の文明開化、
なにより牛肉を精をつける食品であった。
口の中で肉をかみ締めると、うまみという名の精が染みでる。

「このうまさ、舌に染み入る肉の精」
そうですか。そうなんですか。芭蕉もそういっているぞ(うそ)!

そして、これを忘れちゃならない。
その網で焼かれる海苔巻ご飯だ。
ガーリック、牛すね、みそなどを混ぜ込んだご飯を、
海苔巻にして、網で焼く。
香ばしくって、濃厚で、うまいったら、もう。
ぱくぱくぱくぱくぱくぱく。
みんなぜんまい仕掛けの機械のように、箸を動かしているぞ。


(左)焼き海苔巻! (右)絶品の味噌汁!

最後にサービスで出してくれた味噌汁は
八丁味噌と白味噌のあわせで、ほんとに、幸せそのものの味。

ああ、うまかった。

その後、ホテルで軽くお茶を飲んで、就寝。


2000年11月14日(火)

石ノ森章太郎ふるさと記念館
午前8時半、メトロポリタンホテルで朝食をとったあと、
10時6分発の「やまびこ101号」で、仙台駅からくりこま高原駅へ。

わが人生において、
くりこま高原なんて駅に降りることがあるなんて、
想像もしなかったぞ。

駅構内は、展示会とかで、
大輪の菊の花で埋めつくされている。
新幹線駅が地域コミュニケーションの核になっているんだね。

あてにしていたシャトルバスは、現在運休とのことで、
タクシー2台に分乗して、
中田町(商工会)の「石ノ森章太郎ふるさと記念館」へ。

←地図。

運転手さんによれば、「近いよ」とのことだが、
地図で調べたところ、直線距離で14キロ以上ある。
東京でいえば、東京駅から下高井戸くらいなり。

秋晴れの空の下、
「石ノ森章太郎ふるさと記念館」に到着。
2000年7月20日に開館したばかりのこの建物は
石ノ森先生の生家のすぐそば、
蔵作りの家をもとに作られている。

現在特別企画展として公開中の
「畑中純彫る、宮沢賢治・石ノ森章太郎の世界展」で、
畑中純先生の
大らかなマンガと版画を堪能したあと、常設展へ。

「トキワ荘室内再現」
小さなアパートの一室が、世界の扉となるそのさまと、
なつかしい「あの時代」の空気が詰まっている。

「お祝い扇子の展示」
石ノ森先生の漫画家生活45周年と
1997年、全国で展開された"石ノ森萬画館"のお祝いのために、
45人の漫画家さんから送られた扇子の公開。
原哲夫版や大友克洋「009」なんてのもあるぞ。

「ボクの宝物」
世界のお土産や、
いろいろな方からプレゼントされたものが満載。
その脇に置かれていた8ミリカメラは、
とてもたいせつに使われていた様子で、
ヴィヴィッドななにかを語りかけてくる。

「生家ジオラマ」
機械仕掛けのジオラマは、起動すると、
仮面ライダー、ロボコン、ゴレンジャーと
さまざまな夢の果実があふれ出てくるからくり。

床には、立体プロフィールがあるし、
奥のビデオシアターでは村野守美監督の
ビデオアニメ「小川のメダカ」が上映されている。

「おや? 梶野さんが出てこないぞ」と、思ったら、
ビデオシアターで、「人造人間キカイダー」に、へばりついている。
「チェンジの音がいいんですよ」
つきあって、しっかり堪能する。

ぼくにとって、石ノ森章太郎という人は
漫画家というよりも、「仮面ライダー」をはじめとする
映像作品の原作者の印象が強い。

漫画家、石ノ森章太郎が、
自分の中のどこに位置するのかと自問してみる。

映画監督にたとえれば、
リュック・ベッソンに相当するのではないか。

卓越した映像センス、時代の空気に対する読解力、
ドラマよりもキャラクターへの志向、
作品の中に見え隠れする疎外感の図式、
テーマに対する飽きっぽさ……。
なんか、ベッソン作品を彷彿としないか?

だから、どうだってわけじゃないんだけど、
館内であれこれ見ながら、そんなことを考えていた次第。

とにかく、
ていねいで、明るく、優しいミュージアムだった。

ミュージアムショップ「墨汁一滴」に寄ったあと、
生家の中にあげてもらって、中を見学。
築120年近くのものだそうだが、
奥にひろい、明治の商家の作りは不思議となつかしい。

ジャンボタクシーの手配をするために、
ふたたび館内に入った真理子さんと一緒に出てきた男性から、
名刺をいただく。「館長 小野寺弘幸」とある。

小野寺といえば石ノ森先生の本名である。
もしやと思い、たずねてみれば、
「ええ。石ノ森の弟です」
うひゃああ。なぜだか、恐縮しまくる。

やってきたのは、
ジャンボタクシーではなく、小型バス。
そのまま、石巻市内まで移動。

来年夏のオープンに向け、
市内で建設途中の「石ノ森漫画館」を見る。
完成予想後のCGはこちら
こちらは、市内にある「墨汁一滴」のサイト。

石巻市内は平日の午後とあって、
商店街も閑散とした雰囲気だったが、
市内のいたるところに、マンガのモニュメントがあって、
なにか不思議な空間。

さくまさんたちは、町で買った焼きそばパンなどを
しっかりと食べていたが、柴尾は我慢がまん。
しかし、駅前のVIVREで、お茶をしたときに、
ハンバーグセットを食べてしまったりするから、
笑うっきゃないよ。

仙石線で、仙台にもどり、駅ビル地下の「喜助」で、
牛タン定食をぱくつく。
やはり、仙台で牛タンを食わないわけにはいかない。

香ばしくておいしい牛タンだったなり。

午後6時47分発の「やまびこ24号」で、帰京。


2000年11月15日(水)

業界競馬紳士たち
「えー? 牛タンですか!? だって、ぼく……、
昨日、仙台で牛タンを食ってきたばかりなんですよ」

「ふふふ。それを知ってたから、
食べくらべてもらおうと思ったんだよ……」
といって、いたずらっぽく笑うのは、田中公平さん。
つまり、「炎の作曲家」である。

「田中さんの知ってるおいしい店を教えてくださいよ」という
ぼくたちのリクエストに六本木の「たんや又兵衛」を
セッティングしてくれたのである。

「日記、読みましたよ。あの松茸、すごいですね」
そういって、にやにや笑っているのは、薗部博之さん。
つまり、「ダービースタリオン」の作者である。

薗部さんのそばには株式会社パリティビット企画部の
須田pinこと、須田慎治部長もいる。

「ぶほほほほ……。これ、壮絶にうまいですよ」
そういって、巨腹を震わせているのは、
ジャバ・ザ・ハット……ではない。成沢大輔さんである。

「たんや又兵衛」は九州系牛タン専門店だ。
一ヶ月熟成させた牛タンのうまさを味わうため、
周辺の部分をばっさりと、そぎ落として、
エキスが凝縮した芯だけを供するというとんでもない店である。



仙台の牛タンは安くて、うまい!
この店はうまいから、高い!

口の中に広がる香りと旨みは、肉の常識を書きかえる出来。
そんな牛タンを「魔王」や「森伊蔵」といった焼酎で
胃の腑に溶かしこむのが、醍醐味なのだ。

さて、ここにいるみなさんは、ほぼ全員、
「馬主」経験をお持ちの方ばかりだ。
しかし、柴尾は生涯に買った馬券が1万円未満くらいの
競馬知らずである。

「マニアックな競馬の話が果てしなく続いたら、
どうしましょう?」と思っていたが、
わはは……。そんな競馬話より、さらに特殊なバカ話で、
じつに充実した時間を堪能させてもらう。

いや、みなさん、ただものではないだけに、
話の内容も、ただものではない。
酒飲み指数が高い諸氏だけに、
酒が入ると、キャラクターがさらに豊かになる。

田中公平さんは、生成りの辛辣さが冴えわたるし、
薗部博之さんの、小気味いい「愚痴」には、大爆笑。
須田慎治さんの、メリハリのあるキャラも理解したし、
成沢大輔さんは、どこまでも親分だった。

つづいて、田中公平さんが案内してくださったのが、「酔香郎」。
きちっとした日本酒の数々を楽しむために、
必要十分の肴を出してくれる店である。

日本酒にも疎い自分だが、
つぎつぎと出してくれる酒には、もう……
とにかく、感じ入った次第。
まだまだ、知るべき世界は深い。

酒を飲めば、話はさらに加速する。
この店での話を録音されると、かなりやばい事態になるのは、
まちがいない。それだけは断言しよう。

田中さん、薗部さん、須田さんとは、深夜12時にお別れ。

まだ、飲みたりなさそうなのは、成沢大輔さんである。

「FLAMINGO BARにいったら、
渦中の宮岡寛さんがいるかもしれないよ」

かくして、いっしょにFLAMINGO BARへ。
しかし、そこに宮岡寛さんの姿はない。

「宮岡を呼べぇ!」
酒に酔った成沢親分に、人を呼びつける習性があることは
歴史が証明済み。

電話してみる。宮岡さんはこんな夜中まで、仕事中。
いろいろたいへんなのは、知っているので、
おれとしては気が進まないのだが、
親分が命令するんだから、仕方がない。

「ひと段落したら、こちらにおいでください」
つい、そういってしまう。

小一時間ほど、経過する。
成沢大輔がむずむずしている。
「あ、悪いんだけど、おれ、帰りますよ」
おれを誘ったのは、だれだ?
宮岡さんを呼びつけたのは、だれだ?
成沢大輔はいつか歴史に裁かれるであろう。

宮岡さんが姿を見せたのは、それから30分後であった。
宮岡さんとあれこれ話をして、
その後、ふたりで、もう一軒、ハシゴをして、
家に帰り着いたのは午前5時。


2000年11月16日(木)

ハドソン会議
午後1時から会議だというのに、目が覚めたのは12時40分。
あわてて、築地のハドソンに駆けつける。
そこから、夜9時30分まで、「桃太郎大全集(仮)」の会議。

仕様を煮つめる過程で、さくまあきらさんから、
いろいろと興味深い話をうかがう。
大人の会議だから、いろんな意味でみのり多い。


2000年11月17日(金)

大気は冷たく、心はぽかぽか。
午後1時から午後5時半まで、
築地のハドソンで「桃太郎大全集(仮)」の会議。
しみじみと、いろんなところが決まっていく。
話が早いので、いまは気が楽なり。
しかし、さきを考えると、「どひゃああ」な気分になるのは、
きっと気のせいだろう。そうだ。そうにちがいない。

その後、六本木交差点付近の中華料理店香妃園こうひえんで、
さくまあきらさんに、鶏そばなどなどを、ごちそうになる。

冷えた体とせつない胃袋に鶏そばの滋味が暖めてくれる。
うまいなぁ。
酒を飲んだあとだと、もっと沁みるんだろうなと、
つい思ってしまうのは、「酒飲み」な発想。

さくま夫妻にごいっしょして、となりにある「あおい書店」へ。
六本木で売っている本は、池袋でも売っているわけである。
それはよく知っている。ここで買う必要がないことも知っている。
それなのに、なぜ、財布の中から2万円が消えるのだろう?
人生には、不思議なことが多い。

本を買ったあとは、読みたくてたまらなくなるもの。

旧防衛庁向かいのドトールで、
佐伯かよのの漫画「星恋華5〜8」や
飯島愛の「プラトニックセックス」など、
てっとりばやく読めそうなものから、かたづけていく。

午後9時半、携帯電話にイエネコ・アンジーから着信。
アンジーってば、どうやら、渋谷で腹を減らしているらしい。
アンジーは空腹時、凶暴になる。
それはとても危険だが、ネコだから、しかたがない。
身の安全のために渋谷に移動。

PRIMEにある「SUZUYA」で、アンジーと
トンカツ茶漬けを食うおれ。
おれの胃袋、四次元ポケット。


2000年11月18日(土)

ホームページ・ビルダー6とNetscape6
愛用するIBM「ホームページ・ビルダー」の最新版をインストール。
日本語正式版となったNetscape6もダウンロード&インストール。
これにて、常用機のHD使用領域は11.6GB。

「ホーム・ページビルダー」は、
新機能を一通りチェックして、納得するが、
はたして、それを活用するかといえば、
とりあえず、従来版にもあった機能だけを使うことになりそう。
いつか気がむいたら、このサイトを
ちょっとだけ、ダイナミックHTML化するかも……。

一方、「Netscape6」は、
自分のサイトをざっとチェックして、おしまい。
「ゲームの王道」トップページなどの表示が従来のNC4.7よりも
まっとうになっているのに、安心はしたけど、
どうやら、おれは、身も心もIEに順応しているようだ。
「Netscape」の表示のリズムには、慣れそうにない。

同窓会名簿
母校、明治学園同窓会の名簿が到着。
今回の名簿からEメールアドレスが掲載されるとのことで、
かなり期待していたのだが、
うちの回生のアドレスは、約300人中13人分だけ。

掲載されているメールアドレスをざっと見たところ、
@のあとにつく、ドメインはOCNやHotmailが、多い。

「なんだかなぁ」と思う一方で、
lennus.comなんて独自ドメインは、おれ以外、見当たらない。
こういうところで、照れてしまうのは、自意識過剰……。
それは、わかってるんだけどね。


2000年11月19日(日)

どこまで卑怯に
男ってやつは、自分が傷つくことを畏れるあまり、
なぜ、そんな卑怯な行動をとるのだろうか。


2000年11月20日(月)

映画「グリーンデスティニー」
「マトリックス」の卓抜したアクションシーンで、
一躍脚光を浴びた武術指導の袁和平と袁祥仁の袁兄弟。
世界の映画界で引く手あまたの二人が、
それぞれかかわった作品を一気に鑑賞。

ワーナーマイカルシネマズ4番スクリーンで鑑賞した
グリーンデスティニー」は、兄、袁和平がアクション監督。
アメリカ資本の入った中国映画である。

ほかの映画とは、ちがうタイプの感動をたっぷり堪能。
感動よりも陶酔といったほうがいい。
上質なダンスパフォーマンスを見たときと等価の豊かさである。

ほかの映画でたとえるならば、
「ルパン3世カリオストロの城」のアクションスペクタクルシーンを
すべて実写でやったくらいのもの……とでもいえばいいのだろうか。

清朝の大都市、北京の屋根から屋根へ。
安吉のうっそうとした竹林の竹から竹へ。
ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠で飛ぶ飛ぶ飛ぶ。

香港映画のワイヤーワークアクションなんて、見飽きたぜ。
なんて思っていたのが、間違いだった。

空前の長まわしカットを彩る
タン・ドゥンの音楽にヨーヨー・マのチェロ演奏。
なにしろ、コンピュータ処理で、
ワイヤーを消す前提で撮っているから、
従来の一発撮りアクションとはレベルが違う。

シナリオに、感心する部分は皆無。
ただ、キャラクター設定とシチュエーションだけが
セリフで語られるのみのメロドラマである。
なんだけど、そこがいいんだよね。

最近、ビスタサイズの映画が多い中で、
きっちりシネスコサイズで撮っているし、
そのレイアウトもみごと!
ぜひ映画館で観るべき作品といえましょう。
あ、22日までですか。急ぎましょう。

映画「チャーリーズエンジェル」
弟の袁祥仁が武術指導をつとめた「チャーリーズエンジェル」は、
ワーナーマイカル板橋8番スクリーンにて鑑賞。

テレビシリーズの「チャーリーズエンジェル」では、
ケイト・ジャクソンが好きだったおれだけど、
今回は、キャメロン・ディアズなんだなぁ。
あたりまえすぎ……。

監督のMcGという人は、
本名不詳のCFやミュージッククリップ監督なんだけど、
いやまぁ、厚化粧な映画ですね。

現場で撮影した素材を隅から隅まで、コンピュータに入れて、
インフェルノやらダヴィンチやら、あらゆるもので、
加工しまくって、ポーンと飛び出した、そんな映画。

武術指導さえ、そういった素材のひとつで、
「グリーンデスティニー」にくらべたら、
撮影現場では、「どうせ、あとで加工するから」といって、
がしがし撮っていたんだろうなぁと、想像させるもの。

隅から隅まで、ファンタジーとしか思えない作品で、
こいつにくらべたら、ティム・バートンの
「バットマン」1作目の方がはるかにリアル……かな。

じゃあ、嫌いかといえば、そうではない。
1年も経てば、忘れちゃうのは確実だけど、だからこそ、
あらゆる人にオススメしたい、優秀なるひまつぶし映画。


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