「TU-HVR100」
ファーストインプレッションレポート
商品に未来を感じるのは久しぶりだなぁ。
そのため、ひたすら長文なり! 覚悟せよ!!
「TU-HVR100」が、
「BSデジタルハイビジョンチューナー付きHDビデオデッキ」ではなく、
「デジタル録画機能付きBSデジタルハイビジョンチューナー」と
デジタルチューナーがメインであるかのように
命名されているのには、なるほど、理由があるわけね。
それが買って2日目の実感。
放送番組をハードディスク(HD)に録画する商品には、
SONYの「Clip-On」を筆頭とするHDビデオレコーダーや
VAIO「RX」シリーズのような情報機器があるのだが、
「HVR100」は録画もできるチューナーとして、
つまり、チューナーの進化形として
第三のカテゴリーを主張しているかのようだ。
もちろん、BSハイビジョン番組を
そのままデジタル記録保存できるという、
D-VHSレコーダーと同等の使用法が可能になったのは、画期的だが、
そんなのは、「HVR100」の魅力の一部分でしかない。
ひとたび、「HVR100」をセッティングすると、
テレビ受像器本体のチューナーを使わなくなる。
地上波だろうが、BSだろうが、
「HVR100」を通し、視聴する癖がつくのだ。
ふつうに番組を見ている背後で、
「HVR100」内蔵のHDが
コンスタントにその番組内容を記録している。
チャンネルを切り替えてもきちんとそれに同期する。
もちろんユーザーがそれを意識する必要はない。
ただね、テレビを観ていてこんなときはないだろうか。
「TU-HVR100」のあるお茶の間
「いまのニュース、うちの近所じゃなかった?」とか、
相撲で「ものいいがついたけど、ちょっとあやしいなぁ?」とか、
「あれ、いま女優がパンチラしてなかった?」とか、
「うひゃああ。見逃したくないんだけど、おしっこいきたい」とか、
HD記録を思い出すのは、そんな気になる瞬間だ。
うっかり見逃したり、聞き逃したり、
こんな番組なら、録画しとけばよかったなぁと思ったり、
そんなときに、タイムシフト機能が役に立つ。
視聴中、トイレに行きたければ、
「一時停止」ボタンを押すだけ。
トイレから帰ってくれば、そのまま、のんびり楽しめる。
いまみている番組を録画しておけばよかったと思えば、
「早戻し」ボタンを押して、番組の頭にもどれば、
サブのビデオデッキに録画可能だ。
(「巻き戻し」ではなく「早戻し」ってことばを
使うところにテープを使っていない自負がありますなぁ)
さっきのシーンをもう一度見たければ
「リプレイ」ボタンを押せば、8秒前にもどせるし、
それで失った時間はCM中に「早送り」ボタンで
とりもどせ、ライブ放送に追いつける。
もちろん、いままでのビデオデッキでも
似たような使い方はできるだろう。
しかし、放送中、ずっとテープを回し続けるのは、
めんどうだし、テープがへたりそうだ。
しかも、録画中からチャンネルを切り替えたければ、
いったんビデオデッキの「一時停止」ボタンを押し、
ビデオのチャンネルを変え、ふたたび、
「録画」ボタンを押さなければならない。
それに常にテープの残量が気になって仕方ないことだろう。
「HVR100」に、そんな不便さはいっさいない。
チャンネルを切り替えると、
前のチャンネルの記録は初期化されるだけのこと。
つねに現在のチャンネルをフォローしている。
このあたりが、チューナー付きレコーダーではなくて、
レコーダー付きチューナーであることの本領だろう。
テレビ視聴のバッファであり、保険であり、
視聴時間の自由度を大いに広げてくれる仕様なのだ。
目のつけどころがSHARPだね!(お約束)
なにしろ、かつて、電子レンジと冷蔵庫と合体させたり、
電子レンジにインターネットをつけたシャープだからね。
将来的にHDシンクロ記録機能をテレビに付加させることは、
当然のシナリオだろう。
テレビデオ以上に相性のいい合体である。
つまり、そのあたりが
「デジタル録画機能付きBSデジタルハイビジョンチューナー」という
呼称に予告されているわけだ。
早口ことばみたいで、ちょっと長すぎるけどね。
もちろん、SONYの「Clip-On」など、
HDレコーダーでも上記の機能は使えるのだが、
やはり、BSデジタルという現状のぞみうる最高の映像記録方式を
そのまま録画できるというのは、大きな魅力だ。
また、PCでのHD記録にしても、
日常のテレビ視聴の延長線で使い勝手を考えると、
「HVR-100」の機動力にはかなわない。
いまどき、特殊な仕事でもしないかぎり、
家にある古いビデオなんか見ないわけだから、
テープやディスクなどを使った映像の「個人的」恒久記録という幻想は
オンデマンド配信やパッケージメディアにまかせれば、いい。
(将来の理想でいえば、映画や名作ドラマなどなどを
ブロードバンド供給するデジタルアーカイヴが構築されることが、
いちばんなんだけどね)
というわけで、いささか、まいあがっておりますが、
「HVR100」の使い勝手レビューなどを……。
「TU-HVR100」その画質
シャープ「LC20V2」なる液晶テレビで視聴しているので、
あまり厳密なことはいえないが、画質はむちゃくちゃいい。
チューナー画像から、記録画像にきりかえても、見分けがつかない。
これ、ほんとうに感動的ですよ。
いままでのビデオデッキでは考えられない鮮度で
映像が映るわけだ。
このへん、タイムシフトマシンを実感する上で、大きなポイント。
ただ、これにはからくりがある。
BSデジタルの場合は、デジタル記録するため、
放送波(デジタル)→アナログデコードの手順が、
HD(デジタル)→アナログデコードになっただけで、
画質劣化がないのは当然だ。
しかし、地上波の視聴時は、
地上波(アナログ)→MPEG変換(デジタル化)→アナログデコードの
手順となる。地上波NTSCをそのまま出力するのではなく、
デジタル化させた上でアナログに再変換、出力するのがミソ。
ひと手間よけいにかけているのである。
録画映像をタイムシフト視聴する際は、
HD(デジタル)→アナログデコードとなるために、
そのままタイムシフト視聴しても気づかないわけだ。
結果的にどちらもおなじ素性の映像だからね。
このため、面白い現象がおこる。
MPEG変換をともなう地上波記録では、
画質をFINE、SP、LPの三段階で選べるのだが、
「録画設定」メニュー上で、
長時間記録のために画質を犠牲にするLPを選んだ場合、
地上波をライブで見ていても、画質劣化が発生する!
その画質はVHS3倍モード相当と、とほほものだから、
HD容量をケチるためにしては、あまりにも貧しいクオリティである。
生放送がリアルタイムでVHS3倍画質になるのは、つらい。
だからまぁ、「録画設定」メニューでは
60GBで14時間しか録画できないFINEを選んじゃうんだけどね。
用語的に「録画設定」というより、
絶対的な「地上波画質設定」と理解した方がいいだろう。
また、地上波チューナーは、
ゴーストリダクションチューナー(GRT)にしてほしかった。
現在GRTつきのビデオデッキ「ビクターHR-VXG300」を使っているが、
これにくらべると、チャンネルによって、ゴーストが目立つものがある。
ただ、チューナーそのものの素性はいいので、
コンポーネント出力で、ぜいたくな色のりを堪能できるのも事実。
「TU-HVR100」その使い勝手
使い勝手の面で気になるのは、選局ボタンでの操作。
ダイレクトに数字キーを押すのではなく、
「なにかおもしろい番組はないかなぁ?」と、
選局ボタンを上下させて、あれこれチャンネルを見ていくでしょ?
チャンネルを回す(古語)ってやつね。これが遅いのだ。
チャンネルが変わるたびに、
画面が表示されるまで、1.5秒から2秒程度かかる。
VHF/UHF/BSデジタルをボタンひとつでつぎつぎと
選局できるのはいいんだけど、
地上波11チャンネル、BSデジタル21チャンネルを登録している現在、
順番に回して(古語)いくと、それだけで1分以上かかる次第。
エンコード、デコード、HD記録のことを考えると、
このタイムラグは仕方ないのかもしれないが……。
時間がかかるといえば、電子番組表(EPG)での録画予約。
録画予約設定時に
データ放送から番組内容をダウンロードするのだが、
これに15秒から1分かかることがある。
これはデータダウンロードの仕様上、
不可避なものかもしれないが、ちとつらすぎる。
リモコンそのものは、かなり使いやすい部類に入る。
ただ、残念なのは、再生ボタンの位置。
カーソルボタンの「左」と「右」が、
再生操作時には「早戻し」、「早送り」に対応しているのだが、
その中央にあるのは、「再生」ボタンではなく「決定」ボタン。
なるほどカーソル操作時には便利な仕様だが、
「早送り」から「再生」に移る際など、
直感的に操作できないことに……。
再生キーが「(右)早送り」ボタンの上にあるのは、いかがなものか。
それにちょっとしたバグもあったりする。
「早送り」、「早戻し」、「スロー」の画面については、
DVDプレイヤーのそれを軽く凌駕する。
また、アナログのビデオテープレコーダーでは、
腰の抜けた映像になるものだが、
かちっとした映像が流れていくのは、感動的である。
ただ、ビクター「HR-VXG300」の使い勝手になれていると、
ちょっとものたりない。
デジタルの場合、変速再生中に音声を出すのは難しいのだろうか。
先述のリモコンの不具合もあって、
変速再生の操作そのものがちょっと、やりにくい。
「TU-HVR100」そのデザイン
本体は、シャープの液晶テレビ「AQUOS」シリーズなどの
喜多俊之デザインに連なるもの。
本機が喜多氏のデザインかどうかは不明だが、
新時代を感じさせるフォルムは、なかなかのもの。
好みは分かれると思うが、
うちにある「液晶ウィンドウズ」を載せると、
あつらえたようにばっちりな感じって……、当然ですか。
「TU-HVR100」そのインターフェイス
留守録設定をしている場合、本体の電源がオフであれば、
指定時間に留守録が始まるのは、あたりまえだが、
電源がオンのときは、視聴中の番組の上に
「あと5分で予約された番組の録画が始まります」との指示が
スーパーインポーズされ、
「まもなく予約された番組に変更します」と、案内された上で、
チャンネルが切り替わる。
このあたりのインターフェイス設計は、かわいくなっちゃうね。
ここまでやってくれるのなら、留守録のバッティングなどで、
エラーになる際の表示をわかりやすくしてほしいな。
本機を使い始めてからまだ、2日……。
まだまだこれから気づくことはあると思うが、
今日はこれくらいにしといてやらぁ。
それにしても、個人的には、この「TU-VHR100」……、
インターネットにつながるパソコンに匹敵するほどの
大ヒット商品ではある。